●第38話●「世子の本音」
 世子の部屋に横たわるオリ。枕元で見守る世子。戸の外で世子妃が王后に涙ながらに訴えるシーン→
世子が目を閉じているオリに
「私のせいで皆に苦労をかけるな。もう少しだ。すぐ終わる」
玉座の王にマルセンが近づく 。
「経筵は、しばし延期しました」
太宗がそれに答えて
「ならば ファン・ヒを…」
「王様」
「そうか。ファン・ヒはもういなかったな。自分で追い出したのに忘れていた。余も歳をとった」
「王様…」
マルセンと尚膳が王の様子を心配そうに見やる。彼らの視線を感じながら王が
「臣下を切り捨てすぎた。もう息子の愚痴を気安く言える者もいない。罰が当たったのか?どうやら今までの ツケが回ってきたようだ」
自嘲気味に微笑む太宗。言葉のないマルセン。
 
オリが身支度を整えて東軍殿を出ようとする。内官が慌てて止める。
「オリ様」
「王宮の外に連れて行ってくれ」
「その必要はありません」
「私がここにいることが知れ渡る前に…」
「すでに…広まっています。昨日王宮に張り紙が張られたため知らぬ者はおりません」
驚くオリ 。
「張り紙だと?」
→太宗が、誰が張り紙をしたのかと問うのに、世子が入ってきて答えるシーンへ。
※※※
世子の「もう少しだ、すぐ終わる」というセリフ、なかったとしたらこれって重要ですねー。
もうすぐ二人の言い争い(王后と世子妃)が終わる、のではなく、皆に迷惑をかけている自分の跡目騒動そのものが、もうすぐ終わる、と暗に言っているんですね。なぜなら自分が張り紙を張った張本人なわけですから。
でもオリはもちろん世子の真意など知らないんですね。。追い詰めたと益々思い込んでしまう哀れなオリです。
 
太宗がファン・ヒを呼ぼうとして我に返る、臣下を切り捨てすぎた、という言葉が太宗に似合わないです。
世子の逸脱ぶりにすっかり疲れてしまった感じです。マルセンの前でさえ、心中の狼狽を隠せない太宗です。
オリの出て行くシーンはなかったような。。確か、世子が戻ってきたらいきなりオリがいなくなっていた、ように思ったんですが、どうだったでしょうか。。
 
世子が父に直言をぶつけて、太宗が生意気な、と怒りを顕わにするシーンの合間に→
王宮を歩くシム・オン、東宮殿からでてきたオリと出会う。シムがオリに
「そなたには分別というものがないのか。王宮にくるとはな。そなたのせいで大騒ぎだ」
オリがシムを睨みつけて
「あなたのせいなのでは?」忠寧大君が二人のやりとりを遠目に見つける。
「あれほど頼んだのに、こんな汚い手を使うなんてひどすぎます。世子の醜聞を利用して忠寧大君を
王座に…」
「やめろ」厳しく遮るシムの後方から王子が近づく。
「何の話です?」
驚いて王子のほうに向き直り礼をする二人。
「答えてください」王子が義父につめよりながら問う。
「王子様」
「今の話は本当ですか。私を世子にするために汚い手を?」
シムが毅然と返す。
「滅相もないことです。私は王子様のことを信じています。弱点を利用して政敵を倒すような情けないお方なら 私はこの争いを始めてはおりません」
オリが割って入る。
「では誰なのです?あなた以外に誰がいるというのです」
大きくため息をついて黙り込むシム・オン。
→世子が太宗に世子妃離縁の公文書を用意させるようにと進言するシーンへ。
※※※
前回のパクといい、このオリといい、シム・オンを張り紙の犯人とみなすのが自然で簡単なことだと分るシーンです。シム氏は今回のようにどこまでも潔白を貫きとおしていきますが、それが太宗には鼻につき始める。
悲劇の序章が少しずつ見え隠れしはじめています。
 
世子が太宗に王宮から出ていけと命じられ、無念そうに見つめる王后の横を無言で通り過ぎるシーンに続いて→
忠寧は1人書庫で物思いにふける。
便殿では王座の太宗の前に、床に座り込んだ王后の姿が。
呆然としながら、とぎれがちに静かに王后が語りかける。
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「心中お察しいたします。どうやら、私たちは、よほど前世で悪行を積んだようです」
 
太宗は口を開かず、目をそらしている。
「そろそろ、お諦め下さい。世子から世継ぎの座を、取り上げるのです。しかし、長子相続制だけは
守らねばなりません」
涙をたたえつつ語る妻に、やはり涙をこらえながら太宗がゆっくりと目を向ける。
→世子が部屋に戻り、オリがいなくなり世子妃が待っているシーンへ
※※※
ここはなかったですよねーーー。むかっ
最後に決意を促したのは、王后さまだったんだ。。女性のほうが諦めが早いのか…というよりは、
太宗に対して最終決定打を打てるのは、妻である王后様以外にはいなかったんでしょうね。。
世子のために心を砕いてきた夫婦の心中、察するに余りあります…
 
聴聞会を開くと聞いてユン・フェが王子に、主張を曲げるようにと進言するシーン→
王が居室で酒を口にしながら独り言を。
「聴聞だと?とんだお笑いぐさだ。王位継承者を臣下たちに選ばせるとはな」
「王様」
尚膳が心配そうに王を見る。
「臣下が自分たちに合った王を選ぶのか」
皮肉めいた面持ちで宙を見据える太宗。
→王宮を出て行くあてのない世子に、内官がオリのところへ行ったらどうかと勧めるシーンへ 
※※※
ここはあったのかな??
よく考えたら最初は上王が聴聞会を開いて王様は抜きだったんですねー。そうか、それでそのあと
今度はあらためて太宗本人の前で最終的な決意を述べることになるんですね。なっとく…。
 
●第39話●「新世子の試練」
新世子妃となったシム氏の部屋に王后が入り、調度品を新調するように諭して出て行くシーンから→
嬪宮殿の前で、イソンの周りではしゃいでよろこぶ、姉と弟のヒャン。
世子妃のもとに駆け寄り姉ジョンソが
「これからイソンと暮らすの?」
うなずく世子妃に手を叩いて喜びを表す姉弟。世子妃がイソンに
「そなたがいてくれると王宮生活も楽になる」
戸惑いながら答えるイソン
「ええ、まあ、それは…」
イソンの脳裏にうかぶ王后とのやりとり
「世子妃の行動を一つ残らず私に報告せよ」
イソンが顔をあげて王后を見る
「世子妃様の監視を?」
「国母に育て上げるのだ。仕方がない」
思い出しながら不安そうな表情のイソンにジョンソが
「早く一緒に遊ぼう」
「はい。わかりました」
伺うように顔を見るイソンに頷き返す世子妃。
「行きましょう。あちらへ」
ためらいがちに世子妃を見やりながら、子供たちについていくイソン。
→世子が明国の言葉を勉強しているシーンへ
※※※
やっぱりイソンのシーンって軽く扱われてますね(笑)
王后付き女官になったところも削られてましたが、新世子妃付きに王后から任じられるところもなかったわけです。
「国母に育て上げる」という王后の決意もまた、ここでしっかり出ています。
 
明国への朝見の品定めをする臣下たちのシーに続いて→
イソンがみなの前で鞭打たれている。王后がしかりつける。
「静かに罰を受けぬか」
「王后様」
「家具を取り替えるように言ったはずだ。続けよ。指示に従わぬ者は罰するのだ」
世子妃が現れてそれを止める。
イメージ 4「お待ちを」
王后、イソン、女官たちが振り返る。世子妃が王后に一礼する。
「止めるのですか」
「仕置きをおやめください」
「上の者が叱っている時は黙って見ていなさい」
「私が取り替えるなと言いました。この者は悪くありません」
イメージ 5「下の者が図に乗るのは世子妃のせいでしたか」
「逆らうつもりなどありませんでした。民が日照で苦しんでいます。私だけ無駄遣いをするのが心苦しかったのです」
王后が笑みを浮かべつつ
「私は民のことも考えず平気で無駄遣いをしているとでも?」
「王后様」
「命には従う。それでいいのです。これからは素直に聞くように」
そのまま立ち去る王后。座り込むイソンに寄り添う世子妃。
「私のせいですまない。大丈夫か?」
「もちろんです。お気遣いなさらずに。大して打たれてません」
「そなたという娘は」眉を潜めながら背をさすってやる世子妃。
1人、佇んでいる王后の後ろから孝嬪が声をかける。
イメージ 6「涙ぐましい姑の愛ですね」
振り返る王后に
「新しい世子妃には見向きもしないと思っていました。でもそうではなかった」
「何が言いたいのだ」
やわらかく微笑みながら続ける孝嬪。
「家具の入れ替えは厄払いのためですね。どんな理由であれ、前の世子妃は王イメージ 7宮を追われました。同じ家具を 使えばよくないことが起こるかもしれない。それがご心配では?」
「薄情な姑だと言われたくない。それだけだ」
「これほどに民の声が厳しくなるとは、王后様のご心配が現実になったようです」
「何と?」
真剣な眼差しで答える孝嬪。
「これは正直な気持ちです。心配で申し上げているのです」
ため息をついて、孝嬪の顔から目をそらし立ち去る王后。
→便殿で太宗に、特別な措置をと臣下たちが進言するシーンへ
 
※※※
重要なシーンですねーーー。。
こういうのが削られたまま、今後の回でもさらに続く世子妃へのキツイ風当たりだけ見ていると、他の史劇でよくある、単なる母と嫁の確執かと考えてしまいそうです。
この王后さまはもっと深い考えがあって、世子妃に愛情深く接して、時には今回のように厳しく教え諭して導く。
だから単なる嫁いびりの構図ではありません。
 

いよいよ次回は世子から王位継承にと急展開します。
世子になったら火照り、王になったら今度は洪水にと、天災に苦しめられる王様。
そして、新王になった息子のために太宗は最後の臣下狩りを断行していきます。。
涙なくては見られない、今後の展開。。再々視聴でもやっぱり泣きそうです…