一度観ただけじゃよく分からない!!初めの2話で挫折しそうに。。。
が、暇に任せて録画をちょこちょこ見ていたところ、意外に4話を過ぎた辺りからのめり込み
なんとかラストまでたどり着きました。「漢城別曲」同様、結構尾を引く作品です。
イメージ 1第一話ではサド世子が米びつに入れられるところが登場。ここではお母様のためにお祈りしていたのを、実は父を呪っていたのだろう!と、その父本人である英祖から責められ弁明できず、いっそ殺してくださいと米びつ入りして死亡、の顛末が。
泣き叫ぶ王世孫=つまりサンと彼を抱き寄せるチェゴン、それと対照的に無表情のまま見つめる母后の様子がサンの母への疑心を物語っています。即位したその場で「私はサド世子の子である」と明言したシーンは史実の通り。
「イ・サン」でもありました。その後の刺客騒ぎでの正祖の立ち回りも描かれましたが、サンは刺客一人だったのに対しこちらは二人を相手に王一人でバッサバッサと…。
後の回でも一人剣術の鍛錬に励む正祖が描かれますが、武術にかけても正祖は
一流だったってことでしょう。
さて英祖は実のところ断腸の思いで息子=サド世子を死なせたのでした。
この真意を老論に知られぬようにと幼いサンに諭し、チェゴンに金橙文書(無念なことを
記録しておくもの)を書かせてこっそり隠させます。
先王はサド世子のことを持ち出すことを禁じていたはず、と正祖を問い詰める老論、
王が金橙文書の存在を持ち出すとなんと母后がそれを老論側に渡してしまう。
ということは母后も老論側の人間だったことを裏付けてます。
が、これは偽物。そうとも知らず燃やして証拠隠滅を図りほくそ笑む老論一派を前に
本物を出して読み上げ、もう用済みだな、と燃やす正祖のほうが、何枚もうわ手です。
それを涼しい顔して黙認する母后もうわ手です。母后の真意は一体どこに?
このあたりから正祖が母后の本心と父の死の真相を解明していく様子と暗殺事件が
平行して描かれていきます。

老論をけん制するため五軍営を解体し商業の自由化、遷都、南人、ヤギョンらを重用し
チェゴンを領議政として足場を固める正祖。これに対抗する老論の重鎮は職を辞す代わりに
部下のシム・ファンジを送り込んで正祖を廃し大妃を王世子の貢献として
君臨させようと計画をすすめる。
この大妃、なかなか麗しく、サンといくつも歳の変わらないお祖母役として納得できて○。
ここでは老論たちを動かす黒幕というより、上手に使ってあわよくば惨めな境遇から
脱出するのを期待するという感じ。
直接手を下す「イ・サン」や「漢城別曲」よりも、案外ほんものに近いのかもしれない…。

正祖が華城入場と父サド世子のお墓参り=園行を行うところから
実際に暗殺計画が次々に実行にうつされていく緊迫感はなかなか見応えあり。
というか、正直ここからのほうが面白い(-"-)

もと両班の一族で謀反で家を取り潰されて商人になった男ホン団主と、同じく投獄されたが
神のお告げ??で脱獄して以来、世の中をひっくり返して王政そのものを無くしてしまおうと
たくらむ男ムン・インバンが手を組み暗殺一味となるのが一つの核。
イメージ 2イメージ 3ここに、軍事改革のため上官を切る羽目になり、軍に戻れないでいるもと訓練武官が護衛として雇われます。このもと武官=チャン旗摠がかっこいい♪彼の旧友で暗行御史ヤギョンとともに秘密捜査に関わるチェ旗摠もまたかっこいい♪チャンは愛する芸妓と共に身分差のない理想郷に行けると信じて暗殺一味に加わりつつも、どこかでそれがまやかしに過ぎないことも本当は悟っている様子。
その逡巡ぶりに暗殺一味は完全な信頼を彼に寄せず、お払い箱になったら殺そうとする。
結局ラスト、やはりチャンは王の側に戻り武官の本分を全うして王を守って壮絶死。
この辺りは「漢城…」でやはり壮絶な死を迎える主人公たちの姿とダブります。

暗殺一味は漢江を渡る王を爆死させようと水中爆弾をしかける。
がこれはヤギョンらにより阻止。次は山中で狙撃を目論むもこれも果たせず。
イメージ 4一方宮廷側では老論のファンジが兵曹判書になったことを利用し、訓練にかこつけて壮勇衛を王から引き離して華城を五軍営で制圧する計画を進める。しかしチェゴンとヤギョンの監視と王の機転で計画が難航。そんな折、大妃の甥を通じて暗殺一味の存在を知った老論は彼らと手を組むことに。
さて華城では王と母后が折にふれては亡きサド世子について語り合います。
記録に描かれた不可解な父の様子を母に確認していく正祖。
父・英祖の余りに過剰な厳しさに神経をやられ、ある日突然、同じ着物しか袖を通せなくなる病に侵され、
宮中で女官を惨殺したり尼を乱暴したり禁じられた飲酒を街中で堂々としたり、
とその蛮行ぶりを思い出話として正祖に聞かせる母后。自身も夫に負わされたという
額の傷を見せ、いかに世子がひどい有様だったかを説明する、が、
正祖ははなから信じてはいない。母が話したことは全て記録の上でのことで
事実はそうではなかったと確信している正祖にはそれなりの理由が。
父が米びつで瀕死の状態であるというのに、水遊びに大伯父と出た母方の祖父。
彼らの話を立ち聞きしていたサンは、老論派として世子を無情に葬ろうとしている
身内の本心に、驚愕してしまいます。母はといえば米びつにいれられた夫に涙一粒見せず、
父の死の知らせに泣く息子を叱責し、
「泣いている様子を見せたら二度と宮中には戻れない」と。

暗殺一味と手を組んだファンジらは一味を掃討するふりをして軍を動かし
華城を制圧する、つまり一味を利用して反正を成功させようとたくらむ。
が、一味のほうでもファンジらの下心を察知し、事前に打ち合わせていたよりも早く
王様の一行の通る道に爆弾をしかけ実行してしまう。
まさか本当に爆破が成功するとは思いませんでした~\(◎o◎)/!
王は一味に拉致され、ファンジらは王の不在を理由に軍掌握を強行、チェゴンも
捕らえられ壮勇衛は武装解除、禁軍を城内に入れさせる。
そこへ知らせを聞いた母后が駆けつけ壮勇衛に自分の護衛を命じる。。。母は強し!
ファンジらには想定外だったでしょう。
結局一味は禁軍により離散、首謀者は殺され、王様は無事ヤギョンやチェ旗摠に救出され
てファンジらの前に帰還します。
生きて戻った王様をなんと偽物だと決め付けて殺せ!と暴挙に出るファンジらですが
チェゴン、ヤギョンらに退けられ、「余の顔を知らぬ者がおるのか」とニヒルな笑みを
浮かべながらも護衛を命じる正祖の一喝に、われに返った壮勇衛が五軍営を制圧、
ファンジらの試みは失敗に終わるのでした。。。

ようやく王に真実を語る母后。英祖自身が老論派であったこと、それゆえに老論を
退けられなかったこと。母もまた老論党員であり夫を監視する役目を担わされていたこと。
全て知りながら妻を受け入れていた世子。そのサド世子自身は実は優れた資質の持ち主で
「名君になるだろう」と評されていたが、老論に反旗を翻した為に罪を着せられ
死ぬ運命を受け入れたこと。しかし子である正祖はなんとしても守れと母后に託したこと。
溺れる夫と子を前に、子を救うしかなかったのだ、それが母の本心だと。
胸に秘めた罪の意識を夫の墓前でようやく暴露し許しを請う母后。それを涙を流して見守る正祖。
ラストはヤギョンの船橋を堂々と渡り漢城に帰る王の勇姿、
しかしその五年後、忽然と急逝する正祖の運命をナレーションが語ってジ・エンド。

どう評価するか賛否分かれるでしょう、が終回は見応えがあり私としては満足してます。
やっぱり正祖ものはグーです☆