歴史に「もし…」はナンセンス、ですが、
クギョンの落ちていく途中で、もしあのとき、と思わずには
いられないところがいくつもあります。
考えてもしょうーがないって分かっちゃいるんですけどねーー。。。
王様への裏切り行為を重ねるにつれ、良心の呵責も高じる一方のクギョン。
「もしも私が王様を欺くようなことをしたらどうされますか」と
ついつい尋ねてしまうのも、歯止めをかけたいという本音から出てしまった
クギョンの正直さの表れではないかと思うのです。
「突然、何を言い出す。そなたの心は私の心も同じだ」と軽く一笑に付す
サンの自分に対する絶大な信頼ぶりに、本心では許しを請いたいだろうに、
これはもう絶対に裏切ったことを打ち明けてはならない、と
却って決意してしまうのです。
結局人間は弱いものです。隠し通せるなら、なかったことにして
これから挽回すればいい。
中殿に内密にして欲しいと頼んだのもそういう訳だったのですが、
今までに引き返す道がありながら、ずるずると野心に負けてしまったクギョンを
中殿が「今さら信用できない」と断じるのも仕方なかったでしょう。
王様の行幸で、中殿が主催する宴が催されるのを狙って、クギョンは中殿の
食事に毒をもるよう、元嬪の尚宮だった女官に指示し、三人組とは別の
宿衛官らに、もし毒殺が失敗したら狙撃するよう命じて潜伏させます。
しかし行幸に従ってきた宜嬪が体調を崩して寝込み、もしや妊娠かと
案じた中殿は宜嬪に付き添い、代わりに王様が宴に出席することに。
気が気でなく首尾通りにいくかと心配しながらも、クギョンは王様の信じる
という言葉や、テスの言葉を思い出してやっと正気に戻ります。
慌てて計画を中止するため、テスの伯父を尚宮のもとに送り、自分は
狙撃を止めさせようと走りますが…。
一方宴では、王様がまさに食そうとしていた蕎麦が、何者かの手により
食事係から持ち去られて毒見を通さず運ばれてきたことが発覚。
既に手を付けていたため騒然となるなか、
王様は御医により診察を受け、大事無いことが確認されます。
それを遠目に見ながら、安堵の涙を流すクギョン。
「とんでもない罪を犯すところでした。私を信じてくださっているのに」
王様を狙った新たな陰謀かと思われましたが、
本当は王様ではなく中殿が宴に出るはずだったため、
実は中殿を狙った暗殺計画だったのでは、と、大掛かりな捜査が始まります。
女官たちの尋問が始まり、クギョンから指示されていた尚宮は必死で逃亡
を図りますが、厳戒態勢でどこも監視されて出るに出られず、
狙撃を命じられた宿衛官が手助けしてるところを、駆けつけたテスに捕らえられます。
誰に命じられたのか問いただすテスに、宿衛官は白状します。
「私はただ大将に命じられただけです」と。
大将、つまりそれはクギョンのことでした。愕然とするテスたち…
そして知らせを待つ王様に衝撃の事実が伝えられるのです。
禁軍の前に姿を現したクギョンを驚き動揺しつつ見つめる3人組。
「すまない。失望させてしまって。」
今は以前の、彼らが信じた上官の顔に戻ったクギョン、王様に
会わせて欲しいとテスに頼みます。
急いでやってきたサン、クギョンが犯人だとは全く信じていません。
「そなたに濡れ衣を着せるとは、なんと不届きな宿衛官だ!」
と憤慨しますが、「そうではないのです」とうなだれるクギョン。
それでも信じようとしない王様。
「どういうことだ、犯人に心当たりはないか。」
クギョン、とうとう涙にむせび、膝を突き崩折れながら
「私なのです。私がやりました。」
衝撃によろめきながら、搾り出すように「なぜ」と問うサンに、
「中殿様はご存知だったのです。私が大妃と内通していたことを。」
と答えるクギョン。
投獄され、尋問はテウに任され、拷問も従容として受けて全ての罪を
自白するクギョンを救う手立てはありません。
宮中ではクギョンの行ってきた改革に非難の上奏が殺到し、
その大部分が王様自身の改革とダブるため、サンの政策が無に帰す
のではと危惧する側近たち。
信じてきた上官の裏切りが未だに信じられないテスにクギョンは頼みます。
「軍営の改革案がある。それをそなたに任せる。王様のことは頼んだぞ」
明日はクギョンへの刑を言い渡さなければならない晩、サンは獄中の
クギョンを訪ねます。
「なんのために私の元にやってきたのか。なんのために私に仕えたのか」
そして
「今からでも遅くない。どんな弁明でも聞くから、違うと言ってくれ」
しかしそんなサンに
「もうこれ以上、私のためにお心を痛められませんように」と請うクギョン。
クギョンは自分にとって、右腕であり心を分かち合える友であり、
同じ夢に向かう同志だったのだと打ち明けるサン。
そんな存在のクギョンに、サン自らが死を宣告しなければならないのです。
こんなに打ちのめされたサンの姿は、これまでのドラマの中でも描かれては
いませんでした。
幾多の苦難を経験し、危機を免れてきたサンは、打ちのめされても
どこかに希望を感じさせる気概があったのですが。
それほどクギョンを、自分を欺く罪で罰する可能性など考えたこともないほどに
信頼していたのですね。
考えてみれば、周りは自分を追い詰め、抵抗できなくさせることしか考えていない
重臣たちに囲まれてきたサン。
チェゴンや内侍らは同志というより自分の保護者のような側近で、同じ夢を
持ってくれる力のある重臣を望むのは、そもそも無理な状況だったのでは
ないでしょうか。
そんななかで、自らサンを主君として選び、同調して共に歩いてくれる
臣下を得たことは、奇跡みたいなものだったのかもしれません。
ところでテスは伯父から、事件の当日に毒薬を入れようとしていた尚宮に
「計画は中止だ」と伝えるようクギョンに頼まれたことを聞き出します。
テスは宮殿に走ります。
結局クギョンは、土壇場で改心していたのです。
クギョン、老論にはめられたときもそうでした。自分のせいではないのに
敢えて王様に弁明しようとしませんでした。プライドが高いのかな。。
今回も、大妃に会って手を切ることを宣言したのに、テスに問い詰められた
ときはそのことを言いませんでした。
そんなところが保身に走らないクギョンの潔さなのかもしれませんが、
もうちょっと器用に立ち回ってもいいのになー、と残念でもあります。
次回はサンとクギョンとの別れ、そしてどうやら新たな出会いが待っているようです。
段々終盤に近づいてきた「イ・サン」。楽しみな反面、ちょっと寂しいです(T_T)
クギョンの落ちていく途中で、もしあのとき、と思わずには
いられないところがいくつもあります。
考えてもしょうーがないって分かっちゃいるんですけどねーー。。。
王様への裏切り行為を重ねるにつれ、良心の呵責も高じる一方のクギョン。
「もしも私が王様を欺くようなことをしたらどうされますか」と
ついつい尋ねてしまうのも、歯止めをかけたいという本音から出てしまった
クギョンの正直さの表れではないかと思うのです。
「突然、何を言い出す。そなたの心は私の心も同じだ」と軽く一笑に付す
サンの自分に対する絶大な信頼ぶりに、本心では許しを請いたいだろうに、
これはもう絶対に裏切ったことを打ち明けてはならない、と
却って決意してしまうのです。
結局人間は弱いものです。隠し通せるなら、なかったことにして
これから挽回すればいい。
中殿に内密にして欲しいと頼んだのもそういう訳だったのですが、
今までに引き返す道がありながら、ずるずると野心に負けてしまったクギョンを
中殿が「今さら信用できない」と断じるのも仕方なかったでしょう。
王様の行幸で、中殿が主催する宴が催されるのを狙って、クギョンは中殿の
食事に毒をもるよう、元嬪の尚宮だった女官に指示し、三人組とは別の
宿衛官らに、もし毒殺が失敗したら狙撃するよう命じて潜伏させます。
しかし行幸に従ってきた宜嬪が体調を崩して寝込み、もしや妊娠かと
案じた中殿は宜嬪に付き添い、代わりに王様が宴に出席することに。
気が気でなく首尾通りにいくかと心配しながらも、クギョンは王様の信じる
という言葉や、テスの言葉を思い出してやっと正気に戻ります。
慌てて計画を中止するため、テスの伯父を尚宮のもとに送り、自分は
狙撃を止めさせようと走りますが…。
一方宴では、王様がまさに食そうとしていた蕎麦が、何者かの手により
食事係から持ち去られて毒見を通さず運ばれてきたことが発覚。
既に手を付けていたため騒然となるなか、
王様は御医により診察を受け、大事無いことが確認されます。
それを遠目に見ながら、安堵の涙を流すクギョン。
「とんでもない罪を犯すところでした。私を信じてくださっているのに」
王様を狙った新たな陰謀かと思われましたが、
本当は王様ではなく中殿が宴に出るはずだったため、
実は中殿を狙った暗殺計画だったのでは、と、大掛かりな捜査が始まります。
女官たちの尋問が始まり、クギョンから指示されていた尚宮は必死で逃亡
を図りますが、厳戒態勢でどこも監視されて出るに出られず、
狙撃を命じられた宿衛官が手助けしてるところを、駆けつけたテスに捕らえられます。
誰に命じられたのか問いただすテスに、宿衛官は白状します。
「私はただ大将に命じられただけです」と。
大将、つまりそれはクギョンのことでした。愕然とするテスたち…
そして知らせを待つ王様に衝撃の事実が伝えられるのです。
禁軍の前に姿を現したクギョンを驚き動揺しつつ見つめる3人組。
「すまない。失望させてしまって。」
今は以前の、彼らが信じた上官の顔に戻ったクギョン、王様に
会わせて欲しいとテスに頼みます。
急いでやってきたサン、クギョンが犯人だとは全く信じていません。
「そなたに濡れ衣を着せるとは、なんと不届きな宿衛官だ!」
と憤慨しますが、「そうではないのです」とうなだれるクギョン。
それでも信じようとしない王様。
「どういうことだ、犯人に心当たりはないか。」
クギョン、とうとう涙にむせび、膝を突き崩折れながら
「私なのです。私がやりました。」
衝撃によろめきながら、搾り出すように「なぜ」と問うサンに、
「中殿様はご存知だったのです。私が大妃と内通していたことを。」
と答えるクギョン。
投獄され、尋問はテウに任され、拷問も従容として受けて全ての罪を
自白するクギョンを救う手立てはありません。
宮中ではクギョンの行ってきた改革に非難の上奏が殺到し、
その大部分が王様自身の改革とダブるため、サンの政策が無に帰す
のではと危惧する側近たち。
信じてきた上官の裏切りが未だに信じられないテスにクギョンは頼みます。
「軍営の改革案がある。それをそなたに任せる。王様のことは頼んだぞ」
明日はクギョンへの刑を言い渡さなければならない晩、サンは獄中の
クギョンを訪ねます。
「なんのために私の元にやってきたのか。なんのために私に仕えたのか」
そして
「今からでも遅くない。どんな弁明でも聞くから、違うと言ってくれ」
しかしそんなサンに
「もうこれ以上、私のためにお心を痛められませんように」と請うクギョン。
クギョンは自分にとって、右腕であり心を分かち合える友であり、
同じ夢に向かう同志だったのだと打ち明けるサン。
そんな存在のクギョンに、サン自らが死を宣告しなければならないのです。
こんなに打ちのめされたサンの姿は、これまでのドラマの中でも描かれては
いませんでした。
幾多の苦難を経験し、危機を免れてきたサンは、打ちのめされても
どこかに希望を感じさせる気概があったのですが。
それほどクギョンを、自分を欺く罪で罰する可能性など考えたこともないほどに
信頼していたのですね。
考えてみれば、周りは自分を追い詰め、抵抗できなくさせることしか考えていない
重臣たちに囲まれてきたサン。
チェゴンや内侍らは同志というより自分の保護者のような側近で、同じ夢を
持ってくれる力のある重臣を望むのは、そもそも無理な状況だったのでは
ないでしょうか。
そんななかで、自らサンを主君として選び、同調して共に歩いてくれる
臣下を得たことは、奇跡みたいなものだったのかもしれません。
ところでテスは伯父から、事件の当日に毒薬を入れようとしていた尚宮に
「計画は中止だ」と伝えるようクギョンに頼まれたことを聞き出します。
テスは宮殿に走ります。
結局クギョンは、土壇場で改心していたのです。
クギョン、老論にはめられたときもそうでした。自分のせいではないのに
敢えて王様に弁明しようとしませんでした。プライドが高いのかな。。
今回も、大妃に会って手を切ることを宣言したのに、テスに問い詰められた
ときはそのことを言いませんでした。
そんなところが保身に走らないクギョンの潔さなのかもしれませんが、
もうちょっと器用に立ち回ってもいいのになー、と残念でもあります。
次回はサンとクギョンとの別れ、そしてどうやら新たな出会いが待っているようです。
段々終盤に近づいてきた「イ・サン」。楽しみな反面、ちょっと寂しいです(T_T)