石垣市民会館が開館して25周年なんだそうです。
今日、その記念事業として、教育委員会主催で
民俗芸能振興大会という催しが開催されました。

島の7つの地区の字会や公民館からの団体が
その土地に古くから伝わる芸能を披露するという催し。
それにより、次の世代に保存継承していこうという趣旨があり
近年ながらく途絶えてしまっている演目の掘り起こしをするという
目的もあるようです。

自分の住んでいる地区の催しは、見る機会も多いのだけど
よその地区の催しを見る機会というのは、皆無なんです、私は。
石垣島という、国内、いや世界でも有数の芸能文化に突出した
土地にせっかく住んでいるのに…もったいない。

だから、今日のようなこんな催し、ものすごくありがたいし
貴重だし、こんな機会がもっとあったらなぁという思いもある。
無料だったし!
(でも、駐車スペースがなさ過ぎ!!なんとかしてほしい)

午後2時から4時までという出歩きやすい時間だったのもうれしい。
もねちんも、飽きる事なく熱心に観ていて、
自分の住む地区の似たような演目との違いをいろいろ発見していました。

パンフレットの解説を読んでも
意味がわからない事の方が多くて
「つまりそれはどういうこと?」な
感じなんだけど…。
でも、それでも十分心に響くものが満載。

若い人からかなり高齢のお年寄りまでが一丸となって
朗々と歌い上げるその歌声、独特の諧調。
衣装の美しさ、小物のデザイン、
体の動きのたおやかさ、そして力強さダイナミックさ。

こんなにすごい芸能文化が、日常生活と同一線上に普通に存在し
演じる側も見る側も、それがあって当たり前の暮らしをしている。
決して「非日常」ではなく、「ちょっと特別な日常」、という感じなんです。
それがほんとにすごいなぁと、心から感動してしまう。
こんな環境で大きくなれるもねちんが羨ましい。


$石垣島ゆがふ日記
新川字会『南風ぬ島カンター棒』(はいぬしまかんたーぼう)
棒術と獅子舞でしたが、前半で行われたカンター棒は、
「武術」ではなく「踊り」の要素が多い棒術で
初めて見ました。
獅子の目がとってもキリッとしていて、
毛並みも我が地区のようなサラサラ系ではなく
プードルのようでした。


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石垣字会『ユイピトゥヌマイ行事』
新築落成のときに行われていた行事だそうです。
同じようなのを宮良の小学校の体育館落成式で観た事があります。
みんなで歌を歌ったあと、2人の人が木の先端にカヤを巻き付けた「ユイピトゥガナス」
を囲んで酒を酌み交わしながら「シットゥイ シットゥイ」と言いながら
ジャンプを繰り返すのです。
…何言ってんだか分かんないですよね…私も分かんない…。
でも、なんか、めでたくて楽しいのはわかる。漫才やってるみたいなんです。

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登野城字会『登野城布晒節』(とぅぬすくぬぬのさらし)
昔、人頭税の時代に15歳から50歳までの婦女子に課された
御用布の織り上げを謳っているのだそう。
過酷な任務をクリアした喜びを、蔵本の庭先で舞って表現したそうです。

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平得公民館『平得の棒術』
いや~!かっこよかったなぁ!
スピード感があって、力強さがあって、会場も沸き上がって大拍手でした。

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宮良公民館『うねぬやじらば』
この大人数で歌った「うねぬやじらば」は、舟の船頭とその妻との恋歌。
男性と女性の声の掛け合いがホールいっぱいに響き渡りました。
アカペラですよ、すごい!

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大浜公民館『むりか星(ぶし)の舞』
五穀豊穣のため、農作物の最適な作付け時期の教訓歌として
古くから歌われて来た歌なのだそうですが、40年くらい途絶えてしまっていたものを
今年の5月に「大浜むりかぶし伝承会」が結成され復活したのだそう。
今日の出し物の中で、群を抜いて衣装がゴージャスでした。
むりか星とは沖縄の言葉で「星の群れ」の意味で、
プレアデス星団の昴(すばる)を指します。
農作物や航海の時期を決める重要な星だったんだそうです。
(石垣島天文台の望遠鏡の名前にもなっていますよね)

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大川字会『大川村獅子舞』
獅子舞の前に行われる舞も独特だし、
獅子の動きも我が地区のとは全然違っていて
とても興味深かったです。
ゆっくりとした優雅なザーミマイ(座見回り、四方固め)の動作をみていて
もねちんは、「ひとりぼっちで寂しいのかな」と言っていました。
雌雄の獅子が登場してからは、愛くるしい所作が多く、
あらためて「奥深い獅子の世界」を垣間みた感じです。

充実の2時間でした。