石垣島から(いや、八重山から)デイゴの花を見なくなって
もう何年になるだろう。

入学式のシーズン、こちらではソメイヨシノの代わりに
この真っ赤な、心を揺さぶられるようなデイゴの花が咲くはずなのに。

なぜデイゴの花が咲かなくなってしまったのかというと
2004年に発見された、デイゴヒメコバチという新種の害虫が
爆発的に増えてしまったせいなのです。
私が石垣島に引っ越して来た2000年から数年の間は、
この時期にはほんとうにどこに行っても真っ赤なデイゴの花が見られたのですが。
黒く、折れ曲がった枝に、ロウソクの灯をともしたような
真っ赤な花が咲くので、ほんわかした気持ではなく
心をぐっとつかまれるような気持になります。
私はいつも滝平二郎の切り絵の世界を思い起こしていました。
(「モチモチの木」とか「花さき山」とか有名ですよね)

デイゴヒメコバチにやられてしまい、枯れてしまった木は切り倒すしかなく、
もねちんの小学校にあった立派な木も、何本も切られてしまいました。

新種の害虫だったため、なかなかそれに効く薬剤が特定できず
その間にどんどん島のデイゴは花を咲かせなくなっていきました。
しかし、ここ数年で薬剤が特定でき、NPO団体
「花と緑の石垣島デイゴ再生プロジェクト」による樹幹注入が開始されました。
とはいえ、この薬剤がとても高価で、
島のデイゴの木全部にはとても行き渡らせる事ができません。
そのため、中学校とか、公共施設とか、ある特定の場所にあるデイゴの木に対し、
薬剤注入を行い、その木の開花状況を現在追っているところです。
その効果は確実に出ていて、
地元新聞には、デイゴの開花状況が報告されています。
$石垣島ゆがふ日記
今日の八重山毎日新聞より。

インターコンチネンタルホテルのデイゴがだいぶ咲いているなぁと
車で通るたびにうれしく思っていたのですが
なかなか写真に撮る機会がない。

今日、チャリティイベントまでの待ち時間に
町を歩いていたら、市役所のデイゴの木にも花が咲いているのを発見。
あまり多く咲いていなかったのですが…でもほら!
$石垣島ゆがふ日記
花ぶりも小さい感じがします。
だけど、地面には花びらがたくさん落ちていました。
$石垣島ゆがふ日記
本当に、何年ぶりでデイゴの花びらをさわった事だろう!

がんばれ~デイゴ!