天気が回復しないまま、豊年祭ムラプール。

3時半頃、もねちんをハッピに着替えさせ、出かけてみました。
そのときは、かろうじて雨は上がっていたので
「どうかこのまま持ちますように」と祈るような気持ち。
昨年は超炎天下だったので、涼しくてそれはほんとにいいのだけど。
でも、やっぱり旗頭には青空が映える…。残念。
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なぜか、クラスメートとがっちり手をつないで見学。
学校集合は5時だったので、だいぶ余裕を持って祭りを堪能。
※今回は写真クリックで多少拡大します。

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足下が濡れているのに、婦人会の皆様方は、足袋だけ。
潔い。

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オーセの庭に奉納された旗頭がはためきます。
今年も、無事に、この土地でこのときを迎えられたことに感謝。

昨年は、一生に一度のミルク様のお供をしたもねちん。
もう世代交代だなんて。
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この光景を見ていると、昨年のいろいろなことが思い出され
胸がいっぱいになります。
今年は、風も強くて、ミルク様も大変そうだった。
そして、天候を鑑みてのことだと思うんだけど
昨年よりだいぶ短い時間しか踊っていなかった。

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婦人会の奉納芸能。


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東の海に向かって神司さんたちが「アガリ節」を謳います。
来夏世(クナツユ=次の夏)の豊穣を祈願して。

この写真を撮っている頃には、すっかりもねちんと
はぐれてしまっていたのだけど、
「5時前になったら学校へ行くんだよ」と言ってあったので
そろそろ学校へ行ってみることに。

先生からねじり鉢巻をもらい、準備しているところだった。
1年生女子がミルクのお供から帰ってきたら、みんなでヨイシンを踊ります。
このとき、もねちんの担任の先生に
「カメラ忘れちゃったので、撮っといてくれます?」
といわれ、俄然やる気満々モードに。
しかし、しかし!
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この集合写真を撮り終え、さあ出発しようぜ!と思った矢先
スコールがやってきた。
高学年の鼓笛隊は中止になるなか、
それでも幼稚園と1.2年生のパレードは予定通り行うことに。
裏門を出るまでに、もう絞れるほどびしょ濡れに。

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やるしかない!がんばれみんな!

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先生も子供たちも、びしょ濡れ部隊のヨイシン。
でも、やっている本人たちはけっこう楽しそうだった。
私はカメラが濡れそうで大変だったよ…。

無事に踊り終え、しずくをしたたらせているもねちんを連れて、
いったん撤収。家で温かいシャワーを浴びさせ、二人とも乾いた服に取り替え
今度はレインコートを着て再度出かけました。

おなかがすいたので、たこ焼きとか食べていたら、またぽつぽつ降り出した。
たぶん、いろんな団体のパレードもだいぶ短くなったり減らしたりしたんだろう。
ぜんぜん見れなかったからわからないんだけど…。
たこ焼き食べ終わる頃には、すぐツナヌミンが始まるとアナウンスがあったので
見やすい位置へ移動。

昨年までは、立派なデイゴの木があったんだけど…
ヒメコバチの被害で切り倒されてしまった。
残念だなぁ…。

とか、感慨に耽っている間に松明に明かりがともされた。
ここからは展開が早い。

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松明の明かりに囲まれて、男の人たちに持ち上げられた戸板の上での
長刀と鎌の勇者が丁々発止の演舞を行います。
松明の燃え盛るあの匂い。これを知っている人は、なかなかいないだろう。
思わず「もねちん、このにおいを覚えときなね」と言ってしまった。

ツナヌミンが終わると、いよいよ大綱引き。
今年は、もねちんにぜひにとせがまれ、
なんと初めて私も参加した。

雄綱と雌綱をカヌチ棒でつなぐ「グラヌキ」に時間がかかることが
わかっていたので、いまにも飛んでいきそうな
もねちんをつかまえ「まだつながってもいないよ」。

雨を満タンに含んでしまった大綱は、道路の真ん中へ移動することさえ
ままならないほどの重量になっている。
大浜の大綱は雌雄あわせて130mもあって、島で一番長いからなおさら。

グラヌキに、結局30分以上かかったんじゃないかな。
この作業からして上の村と下の村の攻防があるのだから
きっとすごくたいへんだったはず。

そして、いよいよ勝負開始!
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自分も参加するので、こんな訳わかんない写真しか撮れなかったよ…。

そ、そして、なんだこの綱!
ちっとも動かん!
引いても引いても引いても!

2分たち、5分たち、7分たち…。
大抵、このくらいの分数で決着つくことが多いのに!

10分たち、15分たち…。

手、手が痛い!腰が痛い!肘が痛い!
ゆがふ鍼灸院の先生、タスケテー!
しかし、途中で抜けらんない。
みんな必死なのに、やっぱりもうやめるなんてぜったいできない。
もねちんも百万馬力でがんばってるのに。

時折、ぐいっぐいっとこちら側に動いてきている。
周りで鼓舞する大浜青年会のニーニーたちが
「もうちょっと!あと80センチくらい!」とか言ってる。
ええ~そんなにまだあんのか。

20分すぎて、もうほんとみんなよれよれ。
周りで見ているだけの人たち、マジで助けてくれよと思った。

「はい!あと15cmくらいだよ!一気に行こう!」
って言われて、渾身の力を込めてズリズリ。
そのとき、パン!とピストルの合図が聞こえました。

「下の村の優勝!」
やった~~!!!!おもわず、見ず知らずの周りの人とハイタッチ。

結局30分かかりました。
30分ですよ! 前代未聞の長時間勝負。

来年は、もうやらん。
もねちんは、やる気満々だけどなー。

雨も結構強く降っていたけれど、とにかく勝って終われてよかった。

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大綱の藁、持って帰りましたよ。
昨年のと無事取り替えられました。
(魔除けです)

家に帰ってからも、時折強く降る雨の中、
外では集落を練り歩く旗頭の銅鑼の音と「サーサー」の
かけ声が聞こえていました。

みんな風邪引かないでね。

こうして、雨のムラプールは終わりました。
思い出深い豊年祭になることでしょう。