$石垣島ゆがふ日記

今日も天気は上々!
このGW中にぜひ行きたいと思っていた
「原田泰治 ピエゾの世界」展に行って来ました。
小学校から、小学生無料券+大人100円引き券のついたチラシを
もらって来ていたので忘れずに持参。
市民会館の展示ホールで16日まで開催中(10、11日は休み)
$石垣島ゆがふ日記

そもそも、私は、まず「ピエゾ」が何だかちっともわからなかった。
なので昨夜調べてみたのですが、これがびっくり!
エプソンが開発したインクジェットプリンタの印刷技術のことだったんです!

画法だとばかり思っていたから、正直
「え~インクジェットの印刷なのか」とちょっとガッカリ。

でもまあ、もねちんにもわかりやすい素敵な絵であることに
変わりはないので、行ってみようと。

そして、結論から言ってしまうと
もう、度肝を抜かれました。

なんてすごい!
すごすぎる!

原田泰治さんの、緻密かつ大胆な構図の、そのすべてを余す所なく
再現しているんです、ピエゾ。
見ている方まで息を止めて見入ってしまうほどの
細かい線の1本1本はもちろん
茜色に染まる大きな空のふわっとした筆遣いまでもう、完璧!

ゼッタイに、ゼッタイに、最初に「ピエゾ」と知っていなければ
原画だと思う。
それくらいすごい。
原田泰治さんの作品だけでなく、東山魁夷さんとか、いわさきちひろさんなどの
作品もピエゾグラフで展覧会を行っているようです。

主催者側の女性にお話を伺ったら、
「原画での展覧会となると、輸送やセキュリティのことで
膨大な費用がかかるし、会場も限られてしまいます。でもピエゾなら
こうやってここでも開催できるという利点もあるんです。
そしてここにある作品は、原田先生が自ら『98%本物』と
おっしゃっている、お墨付きの作品ばかりなんです」と。
画家ご本人が98%と認めているのだ、
もう、私なんか見たらほんとーに100%本物に見えるわけです。

ピエゾの作品を見て、こんな言い方をするのもちょっとおかしいのだけど
原田泰治さんの作品は、「印刷物」ではわからないすばらしさがあります。
誰の心にも響く優しい絵なので、週刊誌とか新聞とか、広告媒体とか
いろんな形の印刷物で彼の絵を見る事が多いと思うのですが
それではぜんぜん良さや心が伝わってないという事が今回ハッキリわかりました。

小児麻痺で1歳から自力歩行が出来なくなってしまい
その後、努力で歩けるようになった原田氏ですが
(現在は車椅子を利用なさっているようです)
歩く事が困難だったから、いつも目線が地面に近く
そのために「蟻の目」を養うことができたのだそうです。
その緻密さと言ったら、もう、目もくらむような緻密さなんです。
なのに、構図は大胆で、独特のデフォルメがなされていて
天空から自分を見下ろすような「鷹の目」も持ち合わせているのです。
想像力と観察眼。それと生き物全てに対する愛情。
そういうのが、感じられるすばらしい展示物でした。
中でも私が一番いいなと思ったのは、外国の風景。
原田泰治さんといえば、田舎暮らしのんびりした一コマを
切り取った絵が圧倒的ですが
外国の風景のぴりっとした感じがとても新鮮で、力量の深さを感じることができました。

沖縄県を題材にした絵も多数あり、やはり、空の青がくっきりしているなぁと感じました。

会場で売っていた、「原田泰治 心のふる里を描く」という本を図録代わりに買ってきました。

もねちんに、どの絵が好きだった?って聞いたら
何枚か、私と同じものを指名したのでちょっとうれしかったです。

そして、展覧会を後に向かったのは…続く…