1週間ほど前から、
「10日のマラソン大会は、お母さんも来てね」と言われていた。
授業参観も兼ねているから、と。
なので、今日は仕事を休む手はずを整えていたのだけど
おとといのクラス便りには
「明後日は、いよいよマラソン大会です、今回は
保護者の方も参加されてもいいようですよ
という、ビミョーな表現がされていた。
そして前日である昨日は、全く何の連絡ももらって来ず、
本人が当日参加するかどうかの体調を記す用紙のみだった。

もう仕事を休むと言ってしまっていたけれど
「ねー、行かなくてもいいんじゃないのー?
お仕事休みたくないんだけど?」とゴネるも
「もねが、お母さんに来てほしいんだよ」と悲しそうに言われ
ちっ、しょーがねーな、道ばたにこっそり立って見てるかと決心。

カンカン照りでもなく、曇っているし風もあって
マラソンするにはいい感じの日だった。
でも最後は暑くて大変だったんだけど。
マラソン大会は3~4校時だったので
その時間にあわせ、家を出た。
どんな格好をしていくかちょっと迷った。
バリバリのトレーニングスタイルだと
走りに来たと思われちゃうし、かといって
走って追いかけて写真に撮る事も考慮するとなると…
ジーンズに、目立たないよう足元だけはスニーカーにしました。

小学校前まで行ってみると、全く予想に反し、
校庭にも沿道にもたくさんのギャラリーと交通整理の父母が。
あ、あら~…。
自分一人だったらかっこわりーなと思っていたのに
近所のおじいおばぁまで見物に詰めかけていて
校門前なんてもう立つ場所ないくらい。
町内の掲示板にでも、お知らせが貼ってあったのかしら?
なんでみんなこんなに知ってるんだ?

今日は川原小学校の児童との交流会も兼ねていて、
もねちんのクラスにも1年生がやってくるとの事。
全学年でも13人だかそれくらいで
1年生は4人だって言っていたかな。
朝からマラソン後の5時間目まで
ずっといっしょに勉強するんだそうです。
少ない人数の小規模校の児童にとってはいい経験なんだろうな。
特にこんな「人と競う行事」のときは。
でも、できれば、川原小学校にも行ってみたい。
小さい学校体験もさせてみたいよなぁ。

マラソン大会は、まずは1~2年生がスタート。
校庭を半周し、学校の外をぐるりと1周して戻ってきます。
その後、時間をずらして3~4年生、5年生、6年生とスタート
して行きます。だんだん走行距離が長くなり
6年生は校庭も外周も2周したんだったかな。外周だけ2周だったかも。
開会式の後、ラジオ体操をして、いよいよスタート。

校庭の一番奥から走り出したので
校門付近にいた私は、もねちんが探せない。みんな体育着と体育帽だし。
$石垣島ゆがふ日記
島内でも有名な俊足の男の子がぶっちぎりで通過。
でも、もねちんは…来ない。

来ない。

あ、来た。
$石垣島ゆがふ日記
スタートからちゃんと参加した保護者やクラスの子の妹に守られるようにしてw
何とも和気あいあいと走って来た…。すでにこの時点で気迫ゼロ。
しかしすぐに私の前は通過してしまい、後ろを追いかけるも
距離があまりないし、伴走して撮るより先回りして正面から撮るほうがいいと判断し
私は校門を出てすぐに反対回りに走り出した。
いくらも行かないうちに、1位の男の子の姿が。は、はやい!!
普段から鍛えている子でフォームもばつぐんに美しい。
きっと、6年間ウチの小学校の期待の星で居続けてくれるんだろうな、
「はやい~!すごいっ!」と声援を送ったらにこっと笑って走り去った。

その後は、次々と子供たちが通過し、がんばれがんばれと、
熱く声援を送り続けるオレ。私が立っていたのが上り坂だったので
後になるほど苦しそうな表情の子が増えて来た。
そして、もねちんは…来ない。
来ない。

こない。

こない。

いっしょにスタートしてくれていたお母さんたちも通過。
「あれ!なんで走ってないの!」と指摘されちまったw

転んだか。
お腹痛くなったか。
おーいもねちーん。

あ、きた!!!

明らかに苦しそう。半分歩いたり走ったり。
でも、怪我はしていない。
もう一人、女の子がいる。
先生と、お父さんたちが後ろをついていてくれてる。

「もね!がんばれ!走れ~!」と声援を送ったら、
私に気づいてニコニコしながらスピードアップして走って来た。
そこからは、いっしょに走ることにした。

数日前の練習で足の爪をはがしてしまい
治りきっていないんだけど、それを痛そうにはしていない。
歩きそうになるたび横から声援を送り
自らラストスパートをかけだした。
$石垣島ゆがふ日記
よし、がんばれもね。
写真ブレブレ。
やっぱ、伴走しつつ声援も送りつつ、写真を撮るのは至難の技!w

校庭に入ったので、私はまたもや逆回りでゴール前へ急ぐ。

$石垣島ゆがふ日記
無事にゴールイン~!
51人中50位でしたw
でも51人の参加1年生が全員無事にゴールインできた事がなによりだ。

6年生女子の最後のランナーが、なかなか戻って来なくて
ハラハラしていたのだけど、先にゴールしていた女の子が2名、
コースを逆走して彼女を迎えに行き、両脇に並んで走り出した。
そのあと、たくさんの女の子たちが彼女を迎え入れ、大集団で校庭を回った。
ゴールの瞬間、先生が彼女を支えなければ
どの子が彼女かわからないほどの人数だった。

ベタな演出ですか…?
いやぁ、演出ではなくてほんとの友情。
そういうことが本気でできる年代。
思う存分やるべき年代。
不覚にも、涙が出て来てしまった。
その光景を見ていたギャラリー全員が
同じ気持ちだったと思う。
いいもの見させてもらったよ…。
(完全にその世界に酔ってるオレ)

家に帰って来たもねちん。
意気揚々と「もね、がんばったでしょ」

足を見たら、血が出て来てしまっていた。

いや、この怪我がなくても順位は かわらんはず。
聞いたら、練習のときからいつも最後は
もねちんともう一人の女の子がキープしていたらしい。
だからあくまでも本人も先生もこの2人に関しては
「完走」が目標だったらしい。
「もね、自分のペースで走ったよ。
おかあさん、きてくれてありがとう。力が出たよ」

そうか、だったらほんとよかった。
行って良かった。