おはようございます、田中です。
W杯だけでなく、香川選手のマンチェスター・ユナイテッドへの移籍、
五輪の活躍、ヤングなでしこ、、、と話題に事欠かないサッカー!

日本におけるプロリーグ「Jリーグ」が、8月下旬に2011年度のJ1、J2全38クラブの決算一覧を開示しました。

そこで、
本日は昨年のJリーグの運営状況をまとめてみたいと思います。


会社同様にJリーグクラブも赤字続きでは運営が成り立つはずもないので、
ひとまず黒字と赤字にわけてみましょう。


■黒字&赤字

<黒字>
J1
磐田(1億8600万) 柏(1億6400万) ★福岡(1億3000万) 
新潟(7200万) 浦和(6100万) 仙台(5900万) 
G大阪(4700万) ★甲府(4400万) 川崎(4200万) 大宮(0円)
 
J2
京都(2億5300万) ☆F東京(1億3900万) 大分(1億3400万)
千葉(4600万) 鳥取(3300万) 徳島(2200万) 
☆札幌(1,700万) 横浜C(1500万) 水戸(600万) 東京V(600万)

※J1では18チーム中10チームが、J2では20チーム中10チームが黒字を達成しました。
※☆は昇格チーム、★は降格チーム

<赤字>
J1
横浜F(-5億8500万) 鹿島(-2億2,000万) 神戸(-1億3300万)
清水(-7700万) 名古屋(-6500万) C大阪(-5400万) 
★山形(-2700万)  広島(-700万) 

J2
☆鳥栖(-3億5700万)  湘南(-1億3000万) 岐阜(-7100万)
熊本(-6900万) 北九州(-6500万) 栃木(-5700万) 
富山(-5300万) 草津(-2400万) 岡山(-1600万) 愛媛(-700万)

※☆は昇格チーム、★は降格チーム


続いて営業収入のTOP3、WORST3。

■営業収入
<TOP3>
J1
1) 浦和:53億8200万円
2) 名古屋:41億9600万円
3) 鹿島:41億6500万円

J2
1) FC東京:33億3400万円
2) 千葉:24億2200万円
3) 京都:21億4000万円

<WORST3>。
J1
1) 山形:12億3900万円
2) 福岡:12億4600万円
3) 甲府:14億6500万円

J2
1) 水戸:4億3600万円
2) 岐阜:4億4800万円
3) 愛媛:4億9900万円


■入場料収入

<TOP3>
J1
1) 浦和:19億1800万円
2) 名古屋:8億1400万円
3) 横浜FM:7億9500万円

J2
1) ☆FC東京:5億5100万円
2) 千葉:3億6800万円
3) 大分:3億2500万円
4) ☆札幌:3億1000万円

<WORST3>。
J1
1) ★山形:2億8200万円
2) ★福岡:3億 800万円
3) 大宮:3億2500万円
4) 神戸:3億9200万円
5) ★甲府:4億2100万円

J2
1) 富山:4900万円
2) 愛媛:5300万円
3) 岐阜:5900万円


以上がデータですが、
より詳細データを知りたい方は下記リンクからご覧ください。

【 2011年度Jクラブ情報開示 資料 】
http://www.j-league.or.jp/aboutj/document/jclub/2011-12/pdf/club2012.pdf


東日本大震災の影響があった中、半分以上の20クラブが黒字を確保できた点は素晴らしい、と私は思います。

また、
入場料収入が少ないチームほど降格する率が高くなっています。
※実際にJ1の入場料収入WORST5は全て残留争いに関わったチームであります。

「観客を動員する⇒選手の士気が上がる⇒チームが勝つ⇒収益が上がる⇒良い選手を獲得できる⇒育成環境を整備できる・・・・」

このように良い循環(サイクル)の場合は、上記のように流れていきます。

しかし、
2011年の浦和のように悪いサイクルになると回らなくなります。

この時にブレずにチーム一丸で耐えれたことが、
今期の浦和の好成績を生み出している要因だと感じます。


今期のJ1昇格チームとしては黒字であり、財務が整っているチームに上がってきて欲しいものです。
特に京都、千葉、大分のように黒字体制が整っているチーム、そしてJ1から降格した甲府(降格時でも黒字キープ)に私は期待しております。

J1昇格時に財務が厳しく選手補強ができないチームはほぼ翌年に降格するので、
J2できっちりと財務基盤を固め、
J1昇格時には財務基盤とチームコンセプト、そしてチームの団結力をあわせ昇格して欲しいものです。


最後に、
Jリーグでは2013年度からクラブライセンス制度を導入いたします。

こちらは
「3期連続で赤字になるとリーグ参加が認められなくなる」というものです。

現在のリーチチームは・・・

J1 : 横浜FM、神戸
J2 : 草津、湘南

上記4チームが11年度まで3期以上連続赤字です。

この4チームが2012年をどう運営していくのか、
4期連続となった場合にサッカー協会としてはいかに対応するのか
これらに関しては非常に興味深いです。


以上、Jリーグ決算のまとめでした。


プロサッカーはエンターテイメントスポーツであるため
チーム成績が一番であることには変わりがございませんが、
その裏側で会社としてはどう運営されているかも併せてチェックすることで
チームの健全性と成長性、そしてチーム毎の戦略を垣間見ることができます。

サッカーは私が大好きなスポーツでありますので、
近いうちに一つのチームの5年間の収支をもとにそのチームの戦略と結果を分析し
このメルマガに公開してみたいと思います。

それでは本日もよろしくお願い致します。

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▼プロフィール:
・氏名:田中 雅也(一児のパパ、来年には二児のパパ)
・出身:石川県金沢市 (1986年2月生まれ26歳)
・出身高校:石川県金沢泉丘高校(サッカー部)
・出身大学:筑波大学体育専門(蹴球部)
・業務内容:株式会社ブラスト 代表取締役
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