『不完之完』

『不完之完』とは、不完全なる完全。

完全は衰退の始まりであり、不完全は進化の象徴である。

完成、完璧だと思った瞬間にそれは衰退する。

万物は全て不完全だからこそ、日々変化している。

もし、全てが完全だったとしたら何も成長しない。

ある意味、完全とは『死』を指しているのかもしれない。

この世の全ては不完全だから、完全へのプロセスを踏んでいるのかもしれない。

固定化された概念に振り回されていないだろうか。

人類は、どの動物も決して使うことのなかった、火と道具を扱うようになって脳を発達させ、全世界のありとあらゆる地域に分布している。

これも安定を、つまり現状を完全な状態だと思ったら、ここまで劇的な進化はしてこなかったのかもしれない。

今、この世界にいる生物は安定を選ばずに、今を生きている。


しかし、完全になるのが大事なのではなく、不完全から完全へのプロセスが重要である。

だから、不完全こそが完全だというのが『不完之完』である。

『武学』は『不完之完』だからこそ、5000年間進化、発展してきた。


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