オーラってなんだろう。

あるSNSで、ある女性アナがある国民的アイドルグループの一人にオーラが凄くて話しかけられなかったと言っていた、というのを読んで考えてしまった。

エレベーターに偶然乗り合わせた絶大な人気を誇っていた頃の女性タレントにも、パーティで見かけた本が売れまくっていた頃の作家にも、身近で会った樹木希林さんや瀬戸内寂聴さんにも、オーラは感じなかった。

ただ、あれはオーラを放っていたのだと思い返せる人が三人だけいる。

手塚治虫先生、漫画展のサイン会があった時に会場に入ってきた瞬間、オーラを感じた。(といっても、当時私は子供で、それがオーラというものだとは分からなかったけれど。)

その言動で当時の若者の間に絶大な人気のあった作家の野坂昭如、参議院選挙で車上に乗り演説している姿は、圧倒的な存在感があった。

また、羽生結弦選手が公式練習や6分間練習をしていると、ほかの選手が視界から消えるほど一人だけキラキラして見えた。

でも、当然オーラをまとっていたはずのタレントさんや作家さん、希林さんや寂聴さんのオーラが見えなかったのは、何故だろう。

もしかしたら、手塚先生も野坂昭如も羽生選手も、自分が酔心していたから、彼等の全身に特別な輝きが見えたのではないか、という気がしないでもない。

もっと中立的な状態、つまり心酔していない状態で、三人を見たら、どう見えたのだろう?

本当にオーラを感じたのだろうか?

手塚先生も野坂昭如も亡くなっちゃっているから、確認できないし、そもそも今でも好きだ。

あとは、羽生選手を中立的な目になって見るしかないけれど……そんなことできるかどうか?