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今回は、転回位置についての学習です。

音符を団子にたとえます。
団子三つからなる和音、たとえばドミソが
ミソドになったり、ソドミになったりするのが、転回です。
基本位置では、団子三つがくっついています。
転回位置では、団子三つのうちの一つが離れます。

「和声と楽式のアナリーゼ」という本では、
和声の機能に影響するかぎりにおいて、転回に触れています。

次回の内容をちょっと先取りして話すと、
通常、トニック(安定した状態)として機能するⅠ(ドミソ)が
第2転回位置では、
基本位置のⅤと合体してD(ドミナント:不安定、ひきしまった、男性的)として
機能することになります。

そこで、次回にその学習をする準備として、
今日は、転回について学習します。
必要に応じて、和音の組み立てについて基礎のおさらいもします。
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バス(和音の最低音)に、和音の構成音のうちのどの音が置かれているか
によって、
「低音位」が決まります。

Ⅰの和音(ドミソ)を例にとると、
バスが根音(ド)ならば、基本位置。
  第3音(ミ)ならば、第1転回位置。
  第5音(ソ)ならば、第2転回位置。
です。

7の和音(3和音の上に、さらに3度高い音を積み重ねた和音)の場合は、
バスが第7音ならば、第3転回位置、ということになります。

第1転回位置を表記するのに、和音の音度記号の右上に小さく1と表記します。
第2転回位置を表記するには、和音の音度記号の右上に小さく2と表記し、
第3転回位置を表記するには、和音の音度記号の右上に小さく3と表記します。

基本位置は、何もつけません。

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ここまでは、和声と楽式のアナリーゼ、16ページの内容です。
和音の組み立てについて、6ページの内容を次に、おさらいします。
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和音は、少なくとも3個の音が必要です。
3度の間隔で積み上げられた3個の音が3和音と呼ばれます。
一番低い音を、根音(和音の根底になる音)と呼びます。
まんなかの音を、第3音(根音より3度高い音)、
一番高い音を、第5音(根音より5度高い音)、と呼びます。
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音階(ドレミファソラシド)の各音は、
いずれも、根音となることができます。
そして、その上に3和音を組み立てることができます。

音階の第1音(主音:ド)は、Ⅰ度、
   第2音は、      Ⅱ度、
   第3音は、      Ⅲ度、
   …
   第7音は、      Ⅶ度、
と呼ばれます
(mirume注:音度を表すⅠ、Ⅱ…Ⅶは、この本では、短い横棒がホントはありません)。

7種の3和音を、それぞれ根音の音度によって
Ⅰ度の3和音、Ⅱ度の3和音、…Ⅶ度の3和音と呼びます。
(mirume注:ここでのⅠ、Ⅱ、…Ⅶは、短い横棒がつきます)



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3和音の上に、さらに3度高い音(根音より7度高い音)を積み重ねると、
7の和音ができます。
付加された音は、第7音と呼びます。

7の和音もまた、
音階の各音度の上に形成できます。
表記するには、音度数字の右下に小さく7と記します。


動画を作りましたので、
3和音、7の和音の響きを味わってみてください。

mirumeは、バスの音の影響が大きいと感じます。
低い音は、倍音(周波数で2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、…)となる音を
多く含むからだと理解しています。



次回は、第2転回位置のⅠが、基本位置のⅤと合体して
ドミナントとして機能する場合について、
実例を挙げて、学習します。


(島村譲著 「和声と楽式のアナリーゼ」 ページ16、ページ8を参照しました)