だいぶまえのテレビだ。
新米婦人警官に密着、という企画があった。
男親をなくし、正義感でいっぱいのこの子が、交番の先輩警官に必死でついていく様子。
ある日、スーパーから万引きの通報があった。
年金暮らしのおじいさんで、盗ったものはパックご飯とレトルトカレーいくつか。
所持金はない。
尋問の結果、疎遠の姉がいるということで、来てもらうことになった。
おじいさんは、どんなに恥ずかしかっただろう。
20年以上連絡もしていない姉に突然警察からの電話。
「すみません、すみません」と泣いていた。
新米は言った。
「どんなことがあっても家族なんだよ、もうこんなことしちゃだめだよ」
先輩警官が取材者に言った。
「だんだん板に着いてきた、一人立ちももうすぐだ」
あんたらになにがわかる。
これでおじいさんの貧困が解決されたのか。
おじいさんの心の傷はどうなる。
食べ物にも事欠いて、人生初の(多分)万引きで捕まって、国家公務員である孫ほどの女に説教される。
おじいさんの尊厳はゼロどころかマイナスだ。
何の罪があるのか。
飢えて死ねというんだな。
近年1番情けなかったテレビ。