今夜、親父が大阪に来たので、一緒に夜ごはんを食べました。
明日・明後日と、取引先を通じた交流会的なゴルフが九州で2daysあるらしく、
それに自腹で参加するらしい。
今夜は池田の実姉の家に泊まって、朝に伊丹から飛ぶとのこと。
いつから飛行機で出張するような親父になってたんやろ。
「それは出勤扱い?それとも休み?」と聞いてみると、
「・・・どっちやろ…。まぁどっちでもええしな。そういう問題やないし。投資や、投資。」
と返ってきた。
すでに1杯目のジョッキはカラになってました。 早い。
そして親父は、
取引先の若手営業マンを怒鳴り散らしたエピソードをいくつも披露し始めました。
親父の会社は中小の素材加工会社。昨年転職した加工技術が売りの会社です。
いわゆるメーカーの下請け(?)なので、取引先とのそういった関係性に
違和感があって聞いてみたのですが、
「若いのにお客の言いなり、上司の言いなりで頭は使っとらへんし、
これはワシが言ってやらな可哀そうやなと思うから、どやしたってるんや」
とのこと。
ただのヤカラおじさんに聞こえるかもしれませんが、
それでも私には、とても偉大な存在に感じられました。
自分の父親は、
「損得勘定なしで、純粋に人との付き合いがデキるおっさん」やと。
営業マンがいない会社に飛び込んで、
長年の現場感覚と、独自の人付き合いで会社を大きくする。
そこにやりがいを感じているようです。
「まだ役員ではないの?」と聞くと、
純粋に現場をやりたいから、今は引き受けないとのこと。
そりゃデキるビジネスマンは世の中にたくさんいるんだろうけど、
デキる田舎の工場のおっさん(しかも雇われの身)は
「カンブリア宮殿」か「情熱大陸」に取り上げられても良いぐらいの
希少な存在かもしれん。
そうこうしてる間に、親父は店のアルバイトの女の子に
「これ下げていただいてもよろしいですか?」
と、親父の口からは聞いたことがないような丁寧口調で
あいたお皿を渡してました。 ・・・。
時計は22時半を回って、お店は閉店の時間。
梅田から池田までがどれぐらいあるのか、
阪急電車にはどこで乗るのかを把握していない状態で
「もう1軒いこか」
と、明朝7時に伊丹へ行くとは思えない攻めの発言をしてきたので、
近くのやぐら茶屋へ移動しました。
そこでは、さすがに酔っぱらうのを恐れてか
日本酒のおかわりを我慢していましたが、
店員の女の子に
「かわいい声してるなー」
と突拍子もないことを言い始めるので、
仕方なく陽気な親子を演出しようと
「俺が言おうと思ったこと言うなよー」とつくろって。
そうこうしてる間に23時。
そして親父は、私が誘導するままに
阪急宝塚線に乗って去っていきました。
親父のプラスオーラに飲み込まれて、
私の悩み(マイナスオーラを放つ話)は切り出せませんでした。
それでも、今日あの場がとても大事な気がしたので、
それはそれで良かったと思っています。
明日のために、2週間に6回というハイペースで
ゴルフの練習に通った親父に、実りがあることを願います。
そして、自分も頑張ろう。