表題二作。
子どもらしい浅はかな愛らしさを持つ少女の影に隠れていつも仏頂面をしている少女、大人びた魅力を持つせいで教室の宗教からはじかれる少女。
共通するのは俗っぽさを容認できる大人のいる家庭に育っていることと、異性に「憧れる」のではなく「惹かれて」いること。
どちらも共感できるような、うらやましいような。
憎しみや軽蔑についていろいろ書かれているけど、持っているものがそれだけではないからか、読み終わってみるとなんだか程よく乾いたようなさらさらした感じ。それが気持ちいい。


最後の「こぎつねこん」は、私にはわからなかった。
愛情のなかに孤独を見出してしまった時の恐怖。


愛情ってなんだろう、などという青臭いことを未だに考えている私にはわからなくて当然と言えば当然。

「愛してる」って言われた時のあの虚脱感は一体なんだったんだろう。

そして義務感に駆られて「愛してる」って言った時のあの擦り減った感覚。

今度はその言葉が自分の中からあふれ出して言わずにいられなくなるまで言いたくない。


実感としてはわからないけど、いつか誰かを「愛してる」って思えるようになったらわかるようになるのかも知れない。