ザ、シークレットガーデン(30)
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「その女性の住所を教えてもらえますか」
しばらくの沈黙の後、気を取り直した私は、そんな唐突な問いかけをした」
「どうしてアキラは、そんなにあの画集にこだわるんだ」
あまりの執拗な私の態度に、少しあきれたような表情を浮かべたジョンソン氏が質問を返してきた。
「いえ、僕はただ、逆にその女性がなぜ先ほどあなたが言ったように、
どうしてもあの画集を手に入れたいという執念のような思いを知りたいんです」
目の前のジョンソン氏の目をしっかりと見すえるような視線を送りながら、私はまるでうったえるような口調で話した。
次回に続く
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