いつものように回れ右お願いいたします。

春前終節

いよいよ舞うことになって、燕來は不安そうだった。

この慈しみに満ちた舞を汚れた自分が舞う資格はないのではないかと言う。

不器用なひと・・・とナーヤは思い、燕來を抱きしめた。

自分も一緒に舞いますと伝え、どんな時もそばにいます・・・すきだから、と伝えた。

驚いた燕來はポカンとしてしまうが、やがて笑顔で抱きしめてくれ、愛していると言ってもらえた。

 

屋敷の中は荒れ果てていたが、太鼓は残っていた。

二人は炯眼を隠すために目隠しをして舞を舞った。

見えなかったが不安はなかった。

やがて陣が光り、炯眼が蛍聲様へ返って行った。

 

蛍聲様がそばにいた。

二人は我ら人間を助けてほしいとお願いする。

蛍聲様の呼び声に応じて、四聖獣が戻ってきた。

咆哮をあげると雨が降ってきて地面を潤していった。

だが、四凶が現われ五聖獣と戦いが始まったが、圧倒的に聖獣が勝った。

五聖獣の中の応龍が降りてきたが、なんと応龍は青凛だった。

宮廷に降り立ち、応龍は皆に燕來こそが真実の王だと呼びかけ、人々はそれを受け入れるのだった。

国中が新しい王の誕生を喜んでいた。

 

私のそばにいてくれてありがとう・・・

私は幸せだ・・・

共に幸せになろう・・・愛している・・・

大円団ですね☆

 

明前終節

(燕粋との決闘の前夜まで戻ります)

燕來が夜中に目を覚ますと、燕粋の側近のおじが抜け出すのがわかり、そっと追いかけた。

地下で蛍聲の力を奪うと話していた。

・・・燕來の気持ちは固まった。

ナーヤは夜中に起こされ、ここから逃げると言う。

爪の炯眼持ちを逃がして屋敷に火を放ち、馬に乗って逃げ出した。

燕來は玖家の名を捨てると言い、彼らの駒になりたくないと話す。

自分は簒奪者になりたくない・・・もう争いたくない・・・。

やがて、追手がきたが今まで集めていた鱗を全て湖に捨て、逃げたのだった。

 

逃げ込んだ農村の納屋で、燕來はナーヤに一緒に行こうと言う。

楽な生活ではないが、お前さえよければ私と共に来てくれないか・・・と。

 

やがて王都から遠い農村で暮らして数年がたった。

燕來は私塾の先生をして生計をたてていた。

王都では青凛が王となり燕來のことを知ってか知らずか、私塾制度を作り学校の復旧に努めていた。

 

今もたまに夢に見る・・・当主だったころの夢・・・

あの場から逃げられて本当に良かった・・・

傍にいてくれてありがとう。

ただの燕來として幸福に生きている。

好きだ・・・お前を愛している。

季節の巡りをお前と喜ぶ楽しみを・・・これからも楽しみにしている・・・。

 

雨前終節

(二人が舞を舞うところから始まります)

燕來はナーヤにお前も舞えるか、と問う。

蛍聲様を取り戻すために舞ってくれ、と言われる。

 

舞い始めると何度も燕來にぶつかってしまい、うまく舞うことができない。

何度やり直してもうまくいかず、燕來はイライラしていた。

 

突然、お前と共になど甘えた考えを持ったのが間違いだったといわれ、目を抉られた・・・。

 

燕來は今度こそやり遂げて見せる・・・と一人で舞った。

だれかの呻いている声がするが・・・もうだれの声なのかわからないのだった・・・。

 

数年後、燕來は王になっていた。

二人は蛍聲に守られる存在になっていた。

蛍聲様の加護のある国は女王の国のため、燕來は女性の姿をして女王として国を治めていた。

しかし飾り物の存在であり、実権は燕來にはなかった。

傍には目の見えなくなったナーヤがいた。

ナーヤは燕來のこの姿を知らない。

何も見えぬ彼女さえいてくれればそれでいいと思う。

お前だけが俺を男だと知っている・・・

お前だけが俺の罪を知っている・・・

 

愛してる・・・

二度とお前から離れられない・・・

お前が拒絶しても手を伸ばし続ける・・・

憎いなら俺を殺してくれ・・・

お前が優しすぎる娘だと知っている・・・

・・・愛している・・・誰か助けてくれ!!

私の罪を裁いてくれ!!

何故お前を裏切ったのだろう・・・

・・・本当はお前を愛していたんだ・・・

あの時までお前を愛していたんだ・・・!!

 

・・・やっぱり好きなのは雨前終節だな(笑)

堀江さんの 涙声+叫び声 に魂を鷲掴みにされました(笑)

 

次回はフェイルートになります☆