ネタバレ続行中です。

回れ右よろしくお願いいたします。

 

水に落とされ、呼吸のできないナーヤは意識が遠のいていく。

その時、誰かに助けられた。

助けた男は季苑(キエン)と名乗り、ルヲの古い知り合いの様だった。

ナーヤをひどい目に合わせたことを責め立てあおる季苑。

だが、ルヲは動けずに立ちすくんでいた。

追っ手の兵がやってきたため、一旦二人でその場を逃げた。

 

ルヲも生贄にされることは知らなかったといい、他人を死なせるような商売は絶対にしなという。

やがて、朝が来たが花嫁を探す兵士たちがうろうろしていた。

籠城しようとするが見つかってしまい、逃げた先は砂漠だった。

二人は王都に戻ることを決めて、砂漠を旅することになった。

 

ナーヤは一度ルヲに裏切られたことからルヲを信じることができなかった。

だが、砂漠はとても過酷で生き抜く事が第一優先だと思った。

ナーヤは腹をくくってルヲと一緒に行くことにした。

 

旅の途中、砂嵐が来てしまった。

何日もそこから動くことができない。

身を寄せ合って眠る二人だが、ルヲを信じきれないのがナーヤは悲しい。

何日も動けないと、食料が厳しくなってきたが、二人の知恵を生かして何とかしのいでいた。

 

旅を続けていくうちに、少しずつ笑いあえるようになった。

以前、海の話をしてくれたことを思い出して心細かった気持ちが救われたことを思いだした。

頑なだった心が少しずつ溶けていき、もうルヲのことを怖いと思わなくなっていった。

 

旅の途中、ナーヤがサソリに刺されてしまい、熱を出した。

ルヲが温めてくれ、海にも毒のある魚がいると教えてくれる。

子供の頃、海沿いの街に住んでいたという。

近所の人の話やおじいさんの話は出てくるが両親の話は出てこなかった。

 

すっかり元の様に話せるようになった二人。

今では、寄り添って毎日眠る日々。

ある夜、ルヲがうなされていた。

目覚めたルヲは、両親を海賊に殺されたと教えてくれた。

まだ、5歳ころのことだったと言う。

顔もよく思い出せず、声も覚えていないのに殺された時の夢はよく見ると言う。

自分以外は全員殺されたと言う。

だが、ルヲがどうやって生きてきたのかは濁して教えてもらえなかった。

ルヲは、設計図をナーヤに見せてくれた。

いつも身に着けていると言う。

ルヲは自分の経験からナーヤに復讐はしないでほしいと言う。

復讐して得るものはないと説得する。

新しい世界を見に行こうと言われ、考えるナーヤ。

 

港町にたどり着いた。

久しぶりの宿屋に泊り、一緒のベッドで眠る。

ルヲの子供の頃の話を聞かせてもらった。

抱きしめられて眠りにつくのだった。

ルヲも彼女を失いたくないと思っていた。

 

翌日、王都に向けての船に乗って出港した。

ある島の近くに来た時に急に天候が悪くなった。

嵐に備えて帆をたたんだが、浸水してきた。

凄い嵐で、とうとう船からナーヤが投げ出されてしまった。

ルヲが手を伸ばして、ナーヤを捕まえて島まで何とかたどり着いた。

ナーヤは溺れて息をしていなかったが、ルヲの必死な介抱で息を吹き返した。

ナーヤは強く抱きしめられた。

 

この島はルヲの生まれ育った島だった。

ルヲの生家があった。

子供の頃の思い出を語るルヲ。

突然、海賊たちが現われて後ろ手に縛られてしまった。

季苑があらわれ、はめられたと気が付いた。

 

突然、ルヲの目sが季苑によって抉られた。

季苑も片目の海賊だったがそれはルヲが過去にしたもので、季苑はずっとルヲを恨んでいたのだった。

ルヲは海賊の服に着替えをさせられて、季苑の代わりに海賊として突き出すと言う。

ナーヤは炯眼をさがしているという玖家への手土産にするという。

季苑はルヲが村が海賊に襲われてから3年前までの間のことを話し出す。

船の設計図は季苑に奪われて、燃やされてしまった。

 

ルヲは泣いて懇願しているふりをして縄をほどいていた。

二人ですきをついてそこから逃げた。

崖から飛び降りて、干潮の時のみ現れる潮の道を渡って、無人島に逃げたのだった。

海賊たちは潮の流れが複雑で流されてしまい、追いついてこれない。

季苑は次の干潮時には捕まえに行くと言う。

とにかく時間稼ぎができたと二人は喜んだ。

 

ルヲは海賊として暮らしていたという。

両親を殺された後、海賊のお頭が育ててくれたという。

ルヲの本当の名前は「風 季苑」

今、季苑と名乗っている男は本当の名は「ルヲ」であり、海賊のお頭の子供だった。

小さかったため、記憶がごちゃごちゃになっており、14歳の頃季苑に教えてもらうまで自分はルヲだと思って育っていた。

だが、ルヲは逃げることはできず海賊として暮らすしかなかったという。

ごめんと謝るルヲ。

何度も旅の中で、大変な夜を超えてきたことをナーヤは思い、彼を失いたくないと思う。

彼との未来を失いたくないと思った。

キスをして、ルヲも死にたくないという。

 

両親が生前に隠していたものを思い出し、二人で取りに行った。

これでナーヤを救えると言う。

 

とうとう干潮になり、国軍が海賊を捕えに来た。

だが、ルヲとナーヤは海で死んでいた。

 

暗闇の中でナーヤは目を覚ました。

二人は魚の毒で仮死状態になっていただけだった。

棺に入れられていたが、抜け出した。

季苑は二人がいないことに気が付いたが、あるたくらみのため王都に向かったのだった。

 

ルヲは、季苑のたくらみに気が付いて阻止するために王都に先回りしてたくらみを阻止した。

王に襲い掛かる季苑だったが、ルヲがとうとう季苑を討ったのだった。