今日のKey word:心理学/指導法/教え方/アドバイス
「心理学の視点から勉強法や指導法を紹介する系ブロガー」のみりんです。
今回は,「どんな心理状態なら助けを求めてくれるのか」 をテーマに書いていこうと思います。
“助けを求めたいけど,なかなか言い出せない・・・”と言う状況は,誰しも1回はあるのではないでしょうか。
例えその場に優秀な指導者がいても,助けを求めれない場合もあるでしょう。
指導者からしても,「なぜアドバイスを求めてくれないんだ」と感じ,自信などを無くしてしまうかもしれません。
それでは,「助けを求めたいけどなかなか求められない」というときの心理状態はどのようなものなのでしょうか。
ある研究を参考にご紹介していきたいと思います。
研究紹介
ある研究者は,考え方の要因(自己評価が下がらないか,時間のコストがないかなど)と感情の要因(抑うつ・不安・敵意など)が,「相手が相談に乗ってくれるかの予測」と,「助けを求めたいと思う心」に与える影響を調べました。その結果,
★「抑うつや不安」「罪悪感」等が「相手が相談に乗ってくれるか」を高め,「倦怠感」や「援助に対するコスト」が「相手が相談に乗ってくれるか」を低めている
★「相手が相談に乗ってくれるか」は,「助けを求めたいという心」を高める
⇒相談者は,“相手が相談に応じてくれるか”が一番関心ごとになっている
ことが分かりました。
まとめると,助けを求めたくても求められない心理状態とは,
◎自分への評価への不安(助けを求めることで自分の評価が下がるかも)
◎相手の人への迷惑(相談することで迷惑をかけるかも)
◎そもそも助けをくれるかどうかが分からない
などの状態だと言えます。
指導者は,子ども達がこのような心理状態にあるかもしれないと感じながら指導を行うことで,もしかしたらしっかりと相談やアドバイスを求めるようになってくれるかもしれません。
ここまで読んでくださり,ありがとうございました。お役に立てたら嬉しいです。
みりんでした。
technical terms: 援助要請意図,情動
参考文献:竹ケ原靖子・安保英男(2017).援助要請者が予測する援助者の情動が援助要請意図に与える影響 心理学研究,88(1),72ー78.