美術史学者の山本浩貴氏が個展に
向けレビューを書いてくれました。



美術史学者 山本浩貴氏
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ミレイヒロキは2人の人間で
ありながら、1人の芸術家として
活動してきた。

その2人の人間は、それぞれ、
あるいは共に、1980年代以降、
アメリカ各地を中心にして、
メイク、フィルム、ファッション、
ストリート、ヒッピーカルチャー
などを領域域横断的に
摂取してきた。

ミレイヒロキの芸術実践は、
それゆえ、
「二人それぞれが数人だったのだから、それだけでもう多数」
(ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ『千のプラトー──
資本主義と分裂症』)であるような
幅広さと奥行きが備わっている。

ミレイヒロキは一貫して「花」を
モチーフとして作品を制作し
続けている。
資金が底をついて唯一手元に
残ったクレパスを使って、
1枚のわら半紙に2人で描いた花は、
キャンバスの外へと出て、
さらには美術館や
ギャラリーの外へと出た。

公共空間を通じて国内外に
広がってきた花々は、作者の手を
離れたあとでさえ、あたかも
自律した生命体のように増殖を
止めることはない。

本展では、コロナ禍やウクライナ
侵攻などを経て、ミレイヒロキの花々が照らし出す現代の様相が示される
だろう。


美術史学習 山本浩貴
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山本氏の著書



個展情報↓





Produced by WATOWA GALLERY 


ミレイヒロキ
Where have all the flowers gone?
花はどこへ行った?

2023年6月5日~25日 OPEN12:00~19:00
WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO
東京都台東区今戸1-2-10 JK bld 3F
More info : gallery@watowa.jp
*木曜休日
観覧料:500円〜
ドネーションシステム
(ミニマム 500 円から)
※水曜日 は観覧無料










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