みんなが帰り、静まった放課後の教室。
夕暮れの日が教室にさしこみ、そこには2人の男女がいた。

-女の子目線-

「いきなりでごめんね。
 ずっと前から好きでした。」

あぁー、言っちゃった!
どうしようどうしよう。

なんか微妙な顔してるし…。

振られるのかな、明日から今までみたいに話せなくなるのかな。

あ、そうだ!
ごまかそう!

「なーんちゃって!」

わたしはとにかく笑顔で言った。
本気の告白だと思われないようにするために。

すると、案の定春樹は
「だよな、お前が俺に告白とかありえないよなー。」
と言った。

これって、絶対脈無しなんじゃない…?

春樹はわたしのことを、さんざんバカにしたあと
少し不思議そうな顔でわたしのことを見てきた。

「でもさ、何で急に嘘の告白なんてしたんだ?」

それ聞くか…。

言い訳考えてなかったー。

どうしようどうしよう。
なんでこんなときに限って頭が働かないんだ。

「え、えっと……。
 練習!今度好きな人に告白するための練習!」

うわー、なんて言い訳してるんだわたし!

好きな人なんていないのにー。
いや、いるけど、本人ここにいるのにー。

「好きな人?お前に?あっははは」

わたしに好きな人がいると知った瞬間、
春樹は急に爆笑しだした。

そんなにおかしいかな、わたしに好きな人がいるのって…。

「そんなに笑うことないじゃん!
 わたしにだって好きな人はできるよ!」

わたしは少しきつく言った。
けど、春樹には全然怒ってるように見えなかったみたい。

まぁ、春樹はこういうやつだからなー。

「ところで、さ…」

急に笑うのをやめ、少し真剣な顔でわたしのことを見た。

どうしたんだろ…。

「お前の好きな人って、誰なの?」

…お前だよばーか。

とは言えず、「秘密」と言ってごまかすことにした。


「それよりさ、これからひま?
 一緒に何か食べにいかない?」

なんとか話をそらそうと、放課後の予定をたてた。

「おぉー、いいね。
 ちょうど腹減ってたし、なんか食いにいくかー。」

「うん!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたしたちはその後、食べに行ったついでに
ゲーセンに行って遊んでから家に帰った。

「ただいまー」

少し疲れた声で言い、靴を脱いで家に入る。

「おかえりー」
お母さんがリビングから顔を出し、
またお母さんも疲れたような声で言った。

「あ、お母さん。
 今日ご飯食べてきたからいらない。」

「えー、作っちゃったじゃない。」

拗ねたような表情をしながら、ご飯を片付けに行った。


そんなお母さんに軽く謝りながら、
わたしは自分の部屋に入った。

んー、今日も疲れたー。

お風呂にでも入ろっかな。

思ったことはすぐ実行!
ということで、わたしはお風呂の準備をしてお風呂に入ることにした。

あ、その前にケータイの確認しないと!

メールきてるかなー…。

【メール2件】

あ、きてる。
誰からだろう。

えーっと、1件は…メルマガか。
どうでもいいから削除しよーっと。

もう1件は…、春樹からだ!!

『今日の告白の練習めっちゃびっくりしたんだけど(笑
 お前好きな人いたんだな、
 全然気づかなかったわ。
 
 応援してるから。頑張れよ。』


応援…か…。

メールなんて返そうかな…。


「わたしの告白、
 ドキッとしたでしょ?(笑

 応援してくれるんだ、ありがとう!
 
 明日、告白しようと思うんだ。」


明日…明日もう一回…
本気の告白しよう。

今度はごまかさずに、真正面から言おう。


メールを送ってすぐに、わたしはお風呂に入った。

お風呂に入りながら、
なんて告白しようかな、とか
いつ告白しようかな、とか
春樹…オッケーしてくれないかな、とか

告白のことを考えてた。

ここ最近、春樹のことで頭がいっぱいになってる…。
勉強中も春樹のこと考えちゃって、集中できなくなったり
授業中もボーッとしちゃったり…。

好きかもしれない、と思ってから
意識しちゃってまともに顔見れなくなったり
話すたびに緊張しちゃったり…。


こんなことをお風呂の中で考えてしまったせいで
すっかりのぼせてしまった。

ふらふらとした足取りでお風呂からあがり
寝巻きを身にまとう。

頭がボーッとしながら、部屋にフラフラと戻った。


部屋に入ったてすぐにケータイを確認してみると
【メール1件】という表示があった。

春樹からかな。
そんな淡い期待を胸に、受信ボックスを開く。

期待通り、メールは春樹からだった。

『結構急だな(笑
 
 好きな人教えてくんねーの?』


好きな人かー…。
春樹なんだけど…。


「秘密だってばー。

 けど、明日にはわかると思うよ。」

送信…っと。

あー、どうしよう。
明日か…、明日、言えるかな…。


【送信完了】

という表示が出た瞬間、ベッドにバサッと倒れ込んだ。

まだ日にち変わってないのに、こんなに緊張してたら
明日の緊張はどうなるんだ…。



学校の準備もなにもしないで、わたしは眠りについてしまった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ひなたー、朝だよ!
 起きなさーーい。」


勢いよく布団をめくられ、あまりの寒さに目が覚めた。

この起こし方は目覚め悪いからやめてほしい、って
何回も言ってるのになー。


って、今日告白する日じゃん!

ちょっと頑張って準備しないと!
少し化粧でもしてみようかな…。


時間やばいじゃん!
お母さんにもうちょっと早く起こして、って頼んでおけばよかった。


化粧なんて滅多にしたことないから、どうすればいいんだろう…。

リップとチークだけでいいかな…。
春樹気づいてくれるかなー。

すっごい軽い化粧をして、制服をいつもより綺麗にして身にまとう。


よし、準備完了!

ご飯ご飯ー。

リビングに入ると、ご飯はもうできていた。

「おはよー、お母さん。」

「おはよう。
 ご飯できてるから早く食べなさいよー。」

「はーい。」

自分がいつも座る場所に座り、
目の前に置いてあるトーストに手をつける。

珍しくテレビがついていたので見てみると、
“☆今日の運勢占い☆”
というのがやっていた。

もしや?と思って自分の星座を探してみる。

“魚座:総合運★★★★☆
    恋愛運★★★★★
    金運 ★★★☆☆
    
    今日告白すると成功するかも!”


めちゃくちゃ運勢いいじゃん!
もしかしたら成功するかも…?なんてね。

さらに運気あげるために、お守り持っていこうかなー!

どこにあったかな。


ご飯を食べ終え、カバンにいろんな荷物を詰め込んで
最後に思いを込めたお守りを入れる。

よし、頑張ろう!



「行ってきまーす。」

いつもより少し元気よく言い、
ドアを開けて外に出る。

今日の天気は晴れていて、雲一つなかった。

これで雨だったらわたしの心は最悪な状態だったかもしれないけど、
天気が良かったおかげで、わたしの心も元気になった。

けれど、やっぱり振られるかもという不安があり
いつものような元気にはなれなかった。

告白するのは、みんなが帰る放課後。

それまでに緊張をほぐし、心の準備をしないといけない。


そんなことを考えて歩いていたら、

「ひーなたっ!おはっよー。」

と、後ろから声をかけられ肩を叩かれた。


「うわっ、なに!?」
びっくりして振り返ると、そこには笑顔の春樹がいた。


「そんなにびっくりすることないだろ。
 いつもやってるのに。」

「いや、ちょっと考え事してて…余計びっくりした。
 あ、おはよー春樹。」

お前が考え事なんて、珍しいこともあるもんだなー
と失礼なことを言い爆笑していた春樹が
急に思い出したように笑うのをやめた。

わたしが不思議そうに春樹を見ていると、
春樹は急にそっけない態度になった。


わたし、春樹になにかしたかな…?


なんとかこの空気を壊そうと、おもしろい話題をふる。
そんなこんなで会話をしていると学校に着く。

楽しい春樹との2人っきりの時間は、
すぐに終わってしまうから不思議…。


学校につき、教室に入る。

告白の時間は…刻一刻と、近づいている。



いつもどおりのつまらない授業を受けながら
告白のことを考える。

授業なんてまったく頭に入っていない。


なんて告白しよう
なんて春樹を呼び止めよう

なにも考えて無かったー…。


毎時間毎時間考えていたら
いつの間にか放課後になっていた。


え、やばい!
もう放課後じゃん!

と、とにかく春樹呼び止めないと!


「は、はるきー。」

教室にまだいた春樹のところに行き、
春樹を呼び止める。


「最後に練習、付き合って?」


「おう。」




好きです、好き、付き合ってください

いろんなセリフを言いまくって、春樹に指導を受ける。


本人にこんな指導受けてどうするんだろう…。


「ありがとう、いけそうな気がする!」

一通りのセリフをいい終わり、春樹にそう告げる。

自分で言うセリフも決めたし…
よし!


「おう、
 じゃあ…がんばれよ!」


春樹はそうわたしに笑顔で言うと
カバンを持って教室から出ようとした。

ドアを開けて、廊下に出ようとした瞬間……


「春樹……待って!!」


春樹が足を止め、驚いたように振り返る。



「今まで、嘘ついててごめん。

 ずっと前から、春樹のことが好きでした。


 わたしと…付き合ってください!」



なにも着飾らなく、わたしの素直な気持ち。

声は震えちゃったけどちゃんと…言えた。


恥ずかしすぎて、緊張しすぎて
春樹の顔を見れなくて下を見る。

今、春樹どんな顔してるかな…。

どんな答えがくるかな…。



「ひなた。」

優しく、わたしの大好きな声で名前を呼ばれる。

ゆっくり顔を上げると、そこには優しい笑顔でこちらを見ていた。



「俺も、ひなたのことが好きです。

 こちらこそ、よろしくお願いします。」


少し、余裕そうな
けれど、それを隠しきれてない表情で

わたしが一番期待していた返事を言ってくれた。


「これ以上、好きにさせないでよ。」

少し涙声で伝えると、
春樹は優しく、わたしを包み込んでくれた。


春樹…、わたしの心臓の音…聞こえる?
こんなにドキドキしてるんだよ。

このドキドキ感が…春樹にも伝わっていますように…。
もう嫌だ…
生きているのが嫌だ…

ホントの愛ってなんだろう…
「愛」って何…

何もかもが嫌になる前に

ホントの愛の意味を教えて…

ホントの愛をください…


「この前のテストをかえすぞー」

教壇に立っている教師が笑顔で言った

そんなもの返さなくていい
僕たちにとっては全然嬉しくないんだから

僕の名前が呼ばれて、テストを受け取りにいく


予想通り、結果は前回より下がっていた

こんな点数見せたら、怒られるだろうな…

毎回毎回、僕に期待なんかしないで欲しい
いくらお兄ちゃんが出来の悪い息子だったからって
僕にだけ期待しないで…

お母さん達は
僕がこんなに傷ついてるってことを知らないんだよね
僕がこんなに苦しんでることも…


なるべく期待に応えられるようにしてきた

小さい頃は、褒められるのが嬉しかった

お母さん達が喜んでくれるなら…と思って
必死に勉強してきた

今になって思う
小さい頃の僕はバカだったな
単純すぎた

ほとんどの時間を勉強に使ってきたせいで
友達なんか一人もいなかった

というか、僕自身が捨ててきた

小さい頃は友達がいたような気がする
けど、僕がその友達を捨てたんだ

なんて自己中なヤツなんだろう

いつの間にか、「夢」もなくなっていた

昔はお母さん達がよろこんでくれるのが夢だった
今はそんなのどうでもいい

将来の夢?そんなものあるわけない

あっても、叶えられないから…

将来の夢を決めるのは自分じゃない
自分で決めることは許されない

こんな仕事してみたいと思ったことはあった
けど、そんなつまらない「夢」は捨ててきた

勉強の邪魔になるから
集中の妨げになるから

無理矢理捨ててきた

自分に自由なんてものはない

自由が無いのに
僕が生きる意味なんてあるのかな…?

どうしてお母さんは、自由無しの僕を育てているの

もういっそのこと殺してくれればいいのに

お母さんの期待に応えるなんて
僕にはできないんだよ…


僕の心は鎖で縛られている

鎖で繋いであるから
逃げることもできない

自由に身動きがとれない

僕はあ母さんにとっての
 “あやつり人形”

僕はお母さんがみんな に自慢するための道具

「あなたならもっとできるでしょ」

できないよ…

僕がどれだけ頑張ってるか知ってるの…?

僕のことも考えてよ…

宝石みたいに輝くなんて
  できないよ…


僕は誰のために生きてるんだろう
僕は誰のために生きてるの…?

だれか、僕の質問に答えてよ

「自分のためでしょ」
どこからかそんな声が聞こえた

自分のため?
そんなわけない

僕が自分のために生きてるなんて
それは絶対ありえない

自分のために生きてるんだったら
こんなに苦労しないよ
こんな辛い思いはしない…

もう何もかも嫌になりそうだよ
生きてるのも嫌になりそうだ…

ねぇ…僕に本当の愛をちょうだい…


公園で一人砂 場にしゃがみこんで
 “希望”
と書いてみる

すると、子供達が砂場で走り回っていて
僕が書いた“希望”を消した

僕にとっての希望はこんなものなのかな…

見えるのは一瞬だけで
すぐに消えてしまうものなんだ…

小説みたいに“希望”が見えた瞬間に
僕が助かったりしないのかな

あ、まず希望が見えてないからダメなのか…


砂場から立ち上がって、近くのベンチに座る

さっきの砂場を眺めていると
子供たちが元気に走り回っている

みんなとても笑顔だった

僕も…前までは笑顔で過ごしていたのになぁ…

何年くらい“笑顔”になってないんだろう
“笑顔”という表情の作り方が分からない…

どうやって笑っていたんだろう


僕の歩むべき人生は
親が決めるもの

僕が決めることじゃない

親に束縛されている
僕は束縛人形なんだ

あなたは僕の操り師
僕の体、僕の心、僕の頭の中

すべてをその見えない糸で操る

僕は素直に操られるしかない

だって、抵抗なんてできないもん…

抵抗したところで、僕が自由になるわけがない


もしも、これが作られた物語なら
全てを塗りつぶして
捨ててしまいたい

新しい物語を作りたい

僕が自由になれる物語を

僕がみんなに愛される物語を…

作りたい…


どうして僕は夜中に抜け出す勇気はあるのに
お母さんに抵抗する勇気がないんだろう…

「もう嫌だ」

これさえ言えばいいじゃないか

この一言さえお 母さんに言えれば…

僕の人生は変わるんじゃないか…?

お母さんに、みんなに逆らえる
  勇気が欲しい


家にいたくなくなった僕は
また夜中に家を抜け出して
暗い街を彷徨い歩く

みんなに置いて行かれるような気がして
必死についていこうとする

みんなを追いかけていく

そんな人ごみの中
ある少女が視界に入ってきた

どこかで見たことのあるような気がする…

触ったら崩れてしまいそうなほど
か弱そうな小さな女の子

何故か、僕の足はその少女に近づいていく

まるで磁石のように、少女の方に足が進む

「あなたは何がしたいの?」

表情を一切変えない少女が僕の目を見て言った

何がしたい…?
したいことなんて、無い

自由さえ手に入れれば、それだけでいい

「何が欲しいの…?」

そんなの…

「自由…自由が欲しい!」

「だったら手に入れればいいのに。何に戸惑ってるの?」

何に戸惑ってる…?

……何に戸惑っているんだろう…


そうだ、僕は勇気が無いのを言い訳にして、逃げてただけだ

“勇気が欲しい”
そう言ってばっかりだ


でも、どうやって手に入れろというんだ…

僕が自由を手に入れるためにできること
…お母さんにはっきり僕の気持ちを伝えること

お母さんに反抗することじゃないかな


勇気なんか必要無い

僕の気持ちを正直に話すだけ


「やっと分かったみたいだね。早く帰ったら?」

「うん、ありがとう。とこ ろで…君は…?」

「まだ教えることはできない。きっといつかわかるよ。」

「そっか…、とりあえず、ありがとう!」


僕は来た道を急いで戻った。
さっきの子のことを考えながら…。

結局、誰なのかは分からなかった…けど
たぶん、昔の僕なんじゃないかな…?

昔の僕の中にいた、ホントの自分

僕に不満が積もったんだろうね。
今生きてる僕がこんなだから…

でも、もう僕は変わる。

いや、変わってみせる。


家の前に着いて、一旦呼吸を整える。

「ふぅ……よしっ!」

ゆっくり玄関のドアを開ける。
静かに家の中に入り、お母さんがいるであろうリビングにいく。

「こんな遅くまで起きて、何してるの?時間があるなら勉強しな さい。」

「あの…お母さん。聞いてほしいことがあるの。」

心臓がとても早く動いている。
心臓の音がお母さんにも伝わりそうだ…。

やばいくらいに緊張してる…
だけど、言わないとっ!

「もう、お母さんの言いなりにはならない。」

「…何言ってるの?あなたは私の言うとおりにすればいいのよ!」

「僕、いままでずっと我慢してきた。
お母さんが喜んでくれるなら、嫌なことも我慢してやってきた。
でも、成長するにつれて気づいたんだ。
お母さん、僕のこと褒めるとき、心か褒めてないでしょ?
口だけで褒めてるだけでしょ?
もう、僕はお母さんの言いなりにはならない。
僕は僕の人生を自分で決めて生きていく。
お母さんに、僕の人生を操られる わけにはいかない。

僕の心、体は僕のものなんだから
お母さんの好きにはさせないよ。

一度しか無い人生を、無駄にはしたくない

世界で一つしかない僕の心を、
もう少し大切にしてよっ!」


あ、なんかスッキリした。

やっと、僕が何のために
誰のために生きてるか分かった気がする

自分が生きる理由は、自分のため

生きていくのに誰のためとかは無いんだ

もう僕は自由に生きていく

お母さんに何を言われても、もう大丈夫

僕の未来を奪うなんて、絶対許さないから


でも、またお母さんに抵抗できなくなるかもしれない…

そうなる前に

僕を縛ってる鎖を解いてください…


-END-
あなたにとって 
私は都合のいいだけの女だったんだ…
今までの言葉の意味なんて、もう無い

“彼”で埋められていた穴は
ぽっかり空いてしまった…

あなた以外…埋めてくれる人はいない
なのに、
「お前なんかいらねーよ。」
「そこ、邪魔なんだけど。」
口にしているわけじゃないけど

私には聞こえてるんだよ…?

あなたには

  私の気持ちが理解できるの?

私は…もう嫌だ…


ずっと この関係が続くと思っていた

想像していたのは
 甘い2人の生活
 2人で抱き合う姿

深い眠りに落ちたとき

私の最初の…でも最後の幸せな夢を
あなたの胸の中で
 描き続けた

どうか…叶えてください

なのに、私の願いはあっけなく崩れた

 “叶うことはなかった”


願いが叶わなかった=居場所がなくなった

私の居場所は…もうない

だって…


私はあなたを 信じていた
彼が大好きだったから

彼が私に嘘をつくなんて
無いと思っていた

でも

初めから、全て嘘
私は彼にまったく近づいていなかった

私が勝手に勘違いしてただけなんだ…

こんなに舞い上がって

   “馬鹿みたい”


「愛してる」

そう私に言ってくれたのに

その言葉は…
ただ私を釣るためのエサなんだ

私なんて所詮、彼の おもちゃ

遊ぶための、暇を潰すための
道具でしか無かった

たくさんのおもちゃが入ってる箱
そこに私も詰められていく

使って飽きたらそこで終了

私は捨てられるんでしょ?


表の顔でいくら特別扱いされても
 心がないとダメなんだ

彼には裏がある
裏では…
 私はどんな存在なんだろ…

  考えたくない

私には彼だけだった
彼には私だけじゃない

私がいなくなったって
 代わりがいる

なんでもっと早く気が付かなかったんだろう…


もっと早く気づいていれば
こんな気持ちにはならなかったのに…


気付いてしまった私は
  もういらない

彼から離れないといけない


たくさん並べられる
女の子(おもちゃ)

たくさん比べられる
女の子(おもちゃ)

全部を少し使って
  味見して

自分にあわないものは

すぐに捨てる


こんな子供みたいなあなたに

女の子(おもちゃ)の

  気持ちが分かる?


 「さようなら」



私の心はあなたに
支配された

そんなあなたから
  “逃げる”
なんて できるわけない


でも、逃げればよかった

はやく逃げていれば


こんなに傷を負うことも
  なかったのに…


ケガのような傷なら治る

けど
心の傷は一生治らない

この傷 どうすればいい?


彼の浮気を知った日から

 私は泣き続けた


泣いても何も変わらない

分かってるけど…

…止まらなかった…


そのせいかな…

もう涙が出ないよ


前までは嬉しくて仕方なかった

彼からの誘い

今は…
 “浮気”

この言葉が頭から離れない


どうして…


私は所詮
扱いやすい馬鹿な女だった

彼に好かれたくて

何でも彼の思い通りに
 してきたのに…


彼に使われているだけ

そんなことも知らずに
私は…

彼の手の平で
  転がされていた


繰り返し使われる一粒

その粒の中に私はいる


私はこんなに遊ばれていた

踊らされていた…


私……なんて
  “馬鹿”なんだろう


「愛してる」

私にそう言ったよね…?

それは嘘だったの?

私を飼い慣らすための
自分の思い通りにするための

エサだったの…?


私を使いまくって

私で遊びまくって

その後は
  捨てることすら

しないんだね…


そんな小さな存在だった…

私の勝手な思い込みだった

彼に近付いているって思ってた


それは間違いだったんだね

 扱いやすい道具

それだけの存在だった

今さら後悔したって

  元には戻れない…


女…茉莉 (仮名)
男…裕太 (仮名)
友…菜奈 (仮名)


・・・・・・・・・・・・・・

「ねぇ、茉莉
あれって茉莉の彼氏じゃない?」


「え!?どこどこ!?

……あっ……

………何で…?」


「茉莉どうし…

アイツ…最低…。」


「あれって…学年1可愛い子
……だよね…?」


「…うん。
でも、付き合ってるって
決まったわけじゃないんだから!

明日聞いてみな?」


「うん。ありがとう。

菜奈のおかげで元気でた!

でも、今日はもう帰るね。」


「うん、また明日ね。



…ホントは、あの子もあたしも

アイツの彼女なんだけどな…。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・

「こんなところに呼び出して
どうしたの?」


「あのさ…○○ちゃんと
昨日一緒にいた…よね?」


「見たんだ。

うん、居たよ。」

「その子とは…どんな関係?」


「正直に言うと…

彼女だよ。」


「そっか…。
言い訳もしてくれないんだね。


今までありがとう。





 “さようなら” 」