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自営業だったわが実家。

添い寝してもらった記憶もほとんど無いのですが

年に数回、母が寝る前に
絵本を読んでくれる日がありました。


その中で特に好きだったお話が
「あめひめさま」です。


フランスのお話だったでしょうか。


雨を司るあめひめさまが
深い眠りについてしまい

町は火男が跳ね回り、日照り続きで大変な状態。

結婚を控えた若い恋人たちが
意を決して、あめひめさまを目覚めさせる旅に出ます。


二人の頑張りで
あめひめさまは目覚め
町には潤いが戻るのです。

結婚式の日、花嫁の頬に一粒の雨が。


花嫁が花婿に微笑み


「あめひめさまよ。」


語り掛けてお話は終わります。


この最後の台詞を読む
母のやさしい声が
私の中で幸せの象徴として残っています。


忙しくて、きつい声掛けが多かった実家。


でも、こんな時間も確かにあったと
絵本の内容と共に心に刻まれているのです。


今は私が母になり
日々、声を荒げて落ち込むのですが。


我が子たちが大人になった時


何か一つでもいい
幸せな時間を思い出すものを渡しておきたい。


そう願わずにいられません。