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2013年公開 日本映画 23分
日本語・英語・韓国語・ポルトガル語の字幕収録
この映像のスタディガイド(パンフレットのようなもの?)は、制作したStudio AYA のHPにて公開。
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昨年、珈琲とエンピツを公開した映像作家 今村彩子さん
この映画に出演された太田辰郎さんを通して、耳の聞こえない ろう者と聞こえる 聴(ちょう)者との壁を壊していくこと、コミュニケーションは伝えようとする気持ち受け取りたいという気持ちが大事ということを描いた。
この映画の完成は2011年の秋(だったはず)、その前に東日本大震災が起こってしまった。
珈琲とエンピツの作業と並行して、今村さんは取材班として、震災から11日後の3月22日から被災地へ行き、1年半かけて現地を取材した。
取材対象は、被災地にいるろう者。
未曽有の大災害で、ろう者をはじめとする人々は情報を集めようにも集めることができず、自然と社会的な弱者になってしまっていた。
その人たちに取材をし、同じろう者として、こういう人たちがいるということを記録していこうとした。
映画監督をはじめ、芸能人なども自分にできることはないだろうかと被災地へ行った。
今村さんは先天的なろう者だそうだ。この私だからこそできることはなんだろうかと考え、宮城や福島に行き、ろう者の生活はどうであるか取材したそうだ。
まあそんな言葉ばっかりはあれなので、予告編を。
この映画を朝日新聞が取材したのかyoutubeにその様子もあったので確認を。今村さんもインタビュー受けているようです。
23分の映像のため、全国公開はううむどうなんでしょう。
都道府県の聴覚障害者大会などで自主上映会などやる場合があるようなので、自分の地元の団体をチェックしてみてください。Studio AYAのHPで上映会講演会のところで予定も確認できるので、興味持たれた方はチェックしてみてください。
映画の感想については一つだけ
命が関わる情報に格差があってはならない
映画内で今村さんが言っていた言葉。この言葉に尽きると思います。
さて、8月に東京でこの映像に関連した「架け橋 ~きこえなかった3.11~」が公開されるとか。
これを見て補完したいけれど、東京は遠い…2週連続で上京は無理だ…
そんなわけで色々なところで上映される日まで正座して待ってます。
あ、自分は音のない3.11を愛媛 宇和島で開催された愛媛県聴覚障害者大会の企画の一環として観に行ってきました。企画してくださった愛媛県聴覚障害者協会の方に感謝です。
ちなみに会場の宇和島市コスモスホール三間の横はこんな感じ。いやぁ自然豊かでした。
さて、映画の感想だけでなく、今村彩子さんの講演もあったのでその模様もメモしたので、書き起こしておこうかと。
●今村さんについて 前の講演では聞けなかった内容を。
家族は自分以外耳が聞こえるそうで、小さい頃は楽しいはずの家族での晩御飯が自分だけ蚊帳の外でさびしかったそう。
テレビも当時は今のように字幕なんてついていないため、楽しもうにも楽しめなかった。
そんなある日そんな状況を打破しようと、父がレンタルビデオを借りてきた。外国映画。
その初めて見た映画はE.T.
英語のセリフのため、下には字幕が付く。
だからこそ ろう者であった彼女にとって物語がしっかり分かり、映画の楽しさを知ったそうだ。
そして毎週父は映画をと借りてきて、それが影響してか、今村さんは自然と映像について興味を持って行ったとか。普通学校はコミュニケーションが取れず淋しかったが家に帰ると映画で勇気をもらったそう。
●音のない3.11 制作について
今村さんは名古屋に住んでいるそうだが、東日本大震災は名古屋は震度3。
(震度3は、阪神大震災で自分も体験したことあるけれどまだ何とか余裕が持てるレベルだった記憶。)
地震だということでテレビをつけると、なぜか海が映っている。
字幕がないため、今村さんは地震なのになぜ海が映っているのかわからなかったらしい。
映画でも出てきたけれど、新聞テレビなどメディアはろう者に対しての配慮がほぼない。
未曽有の災害で伝え方が健聴者向けであればよいというマジョリティーな考え方なんでしょうか。
クレームもあってか、聴覚障害者に向けて官邸での枝野さんの会見に手話通訳がついても、
テレビには枝野さんの顔のアップで、画面のスミにでも手話を移せばいいのに全くなし。
手話通訳の意味がない。メディアによって情報の価値が落とされていた。
ただ、ろうの母親が、健聴者である自分の子どもにテレビが何を言っているのか教えてほしいと頼んでも、小さい子どもにはわからない難しい言葉で会見しているようで、情報が全く入ってこない。
津波警報は音で知らせる。
仮設住宅でも連絡は音。
情報に格差が起こってしまっている。
だからこそ今村さんは大切にしてほしいと言っていたことは、友人、隣近所、そして地域とのつながりを積極的にもっていてほしい。
手話を知らない人もいるだろうから、そのときは筆記や身振り手振りで伝える。
今村さんが最近始めた「ボルダリング」という部屋の中のロッククライミング?のスポーツの話。
次にどこの岩をつかめばいいか、音では伝えられないから、会議などで使うレーザーポインターでどの岩か示す。
伝える方法は工夫すればいろんなことができる。
きっかけは何でもいい。勇気を振り絞ってコミュニケーションをとっていこう。
「珈琲とエンピツ」の話もしていた。
愛媛では残念ながらまだ公開はされていないけれど、全国55か所。13000人以上が見たそうで。
この映画を見た方は、壁なんてない。自分自身が作っていたんだとコミュニケーションについて考得たのではなんて勝手に思ってます。
参考:珈琲とエンピツの映画感想
http://ameblo.jp/miratoshi/entry-11238970838.html
珈琲とエンピツ 太田辰郎さんの講演会に行ってきた
http://ameblo.jp/miratoshi/entry-11482733741.html
聲の形(こえのかたち)と珈琲とエンピツ
映画とは関係ないけれどマガジンに掲載された漫画でこの映画を思い出してしまったので、という日記
http://ameblo.jp/miratoshi/entry-11477035550.html
さて、音のない3.11に話を戻して
今村彩子さんが珈琲とエンピツに引き続き、映画のナレーションをしており、日本語字幕が付いたバリアフリー映画である。
ただ、今回の音のない3.11は、日本語英語韓国語ポルトガル語の4か国語の字幕をつけている。
それは…
①外国の方々は東日本大震災が起こったことは知っているけれど、その中でろう者に情報が行き届いていなかったことを知ってもらいたいという意味で、外国の方に診てもらいたいという意味でつけた
ということと
②日本にいる外国人に見てほしいという意味で字幕を付けたそうだ。
日本にいるけれど日本語が分からない外国人はたくさんいる。耳が聞こえるけれど日本語が分からなければ、災害の情報が流れても正しい情報を受け取ることができない。だからこそ日本語を覚えることと同時に地域の方々とのかかわりを持ってほしいのだとか。
ところで英語韓国語は分かるとして、なぜポルトガル語?
それは今村さんが住む名古屋が、日本で二番目にブラジル人が住んでいる場所だから。(一位は静岡県)
今村さんが通っていた豊橋のろう学校に、ブラジル人のろうの子どももいたとか。
そんな思いがあるんですね。
今は地デジ化して、字幕が付いて。
個人的に岩手の方言が聞き取れず、あまちゃんの字幕を見てああこんなこと言ってたのかとかそんな使い方してる自分ですが。
すべての人が均一した情報を受け取るには、メディアの力だけでなく、地域の人々たちとのかかわりなどのマンパワーになるのでしょうか。
ちょっとした勇気。持ってこれからも過ごして生きたいです。
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伝える受け取る方法ということで珈琲とエンピツにつながるのかな…?

