地方者の映画ブログ-アルバート

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2013年公開 アイルランド映画 113分
原題:Albert Nobbs 年齢制限:PG12
監督:ロドリゴ・ガルシア
製作:ボニー・カーティス、ジュリー・リン、アラン・モロニー、グレン・クローズ
原作:ジョージ・ムーア
脚本:グレン・クローズ、ガブリエラ・プレコップ、ジョン・バンビル
主題歌シニード・オコナー
字幕:松浦美奈
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19世紀アイルランド、ダブリン。この時代この国では貧富の差が激しく、そして男女の格差が顕著であった。そんな時代と場所で生きる、執事アルバート・ノッブスには誰にもいえない秘密があった…
グレン・クローズが舞台でも演じ、さらには映画でも主演したアルバート・ノッブス。この映画にかける思いは大変強く、主演だけでなく製作、脚本さらには主題歌の作詞まで手がけた。
グレン・クローズが生涯をかけて演じようとしているアルバート・ノッブス。
彼から感じる感じさせられるものをぜひとも映画館で受け止めてほしいと思う。


以下微妙にネタバレ ↓
驚くべきなのは、グレン・クローズ、そして同じ境遇の女性を演じたジャネット・マクティアの男装と演技。
めざましどようびで、この映画が特集されたとき宝塚星組で男性を演じていた「湖月わたる」さんも、グレン・クローズの男としての演技に脱帽していた。
(このあたりの話は↓のネタバレの方で詳しく書きます。)


そんなグレン・クローズが、自身全てをかけて演じた映画是非是非。
(あ、広島ではそのうちサロンシネマがやるはず。自分は岡山に行く用事がたまたまあったので、空き時間作ってシネマ・クレールで見てきました(´∀`))




ネタバレとか色々
●通貨単位は…
シリング ペンス ポンド ギニー
19世紀のアイルランドとはいえ、イギリスのお金の単位っぽい。でも今はユーロが当たり前になってて貨幣価値がよくわからん。
で調べてみたら…


英国の通貨について
http://www13.ocn.ne.jp/~uk_fan/jpage/library/lb_q020.htm



>1ポンド=20シリング、1シリング=12ペンス、クラウン=1/4ポンド、ギニー=21シリング
うげぇ。10進法じゃないの、12進法か。時間ならまだしも貨幣にそんなことするのか。
映画内で、アルバートがチップを床の下貯金するときに、悩みながら換算していたのは、ジョーのような読み書きそろばんが出来ない貧民出身アピールということでなく、貨幣換算がメンドクサイというイギリスの通貨を皮肉った描写だったのかなぁ。
まあ20世紀になり通貨単位も10進法に移行したみたいですが。


ただ当時の貨幣価値はどんなもんだったんでしょう。お店全体の金額600ポンドってどんなレベル…


●チフス
映画パンフにも載っていた怖い伝染病。腸チフスと言われたら、日本でもなじみのある伝染病かも。サルモレラ菌の一種ですが、当時の医学ではまだまだ。今は点滴での栄養補給とかもあるから何とかなるけれど、当時じゃしょうがないよねぇ。
子どもと高齢者がやっぱりこうした伝染病に被害者になるのね…しかしアルバートもヘレン曰くおじいさんなのに何とか助かった。体力ある証拠です。


てか、死人が出るレベルになってもその後なんとか営業再開できるホテルってすごい。
また利用したいと思うお客もすごいと思うけれど。日本じゃ食中毒おこした時点でもう食品扱う会社ならば廃業レベルなのにね。




●グレン・クローズ、ジャネット・マクティアの男装は
髪を触るなどの仕草、立ち振舞い、声の出し方、座っている姿勢…
じっと顔を見ると女性に見えてくるけれど、こうした普段の状態を間近で見たら全くその考えは覆されるのだろうなぁ。特にジャネット・マクティアのあの上背は男役をする上でなんと適したことか。
アルバートにがばっと豊満な胸を見せるシーンも、大胆すぎて男らしかったです(笑
(そんな場面もあるからPG12なんでしょうけど)


そして、元宝塚の方が感銘を受けたシーンは、数十年ぶりに女性の服を着たアルバートとペイジー(ジャネット・マクティアが演じたペンキ屋)。
二人とも女性であり女優であるはずなのに、女性の服が似合わない。
その似あわなさが出るのは、二人が男性を演じているからか。
そんな事を映画を観た方は大きくうなずいてくれるはず(笑


そんなグレン・クローズ、映画コムの写真を見るとしっかり女性なんですよね。ううむぅすごい…
http://eiga.com/movie/57354/interview/



●ミア・ワシコウスカはブロンド少女役
ブロンドは頭が悪いというのはアメリカによくあるブラックジョークのようですが、ミア・ワシコウスカ演じるヘレンはやはりその傾向に漏れず…
アルバートもヘレンも誰もかもが悲しい結末であり、唯一勝ち組なのは女主人ベイカー。
結局貧乏人は損をするという哀しい結末なのが辛いところ。


まあ、永遠の僕たちやジェーン・エアで可愛かったミア・ワシコウスカが今回もおバカで可愛かったのはいい部分かもしれません。エマばりのあの給仕さんの衣装は良く似合っておりました。アリスインワンダーランドまた見直してみようかしら。
そんな意味でも観に行く価値はあるかと。




まあそんな映画紹介。グレン・クローズのこの映画に対する思いを全く違った形で伝える映画ブログになってしまい申し訳ない。


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ミア・ワシコウスカの可愛さを堪能するにはこの作品を。黒髪のかつらをして、和服を着た彼女はヤバイです。



ぼくは、おんなのこ (Beam comix)/エンターブレイン



自分が好きな漫画家志村貴子の初期の作品集。

主格の表現が沢山ある日本語だから出来たこのタイトル。

この映画に通じる部分があるようでないようで。



変人偏屈列伝 (集英社文庫―コミック版)/集英社

ジョジョの荒木飛呂彦が腸チフスを健康保菌している少女を描いた漫画「腸チフスのメアリー」を描いている。その話が載った漫画。こんなの描いてたんですね。