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2012年公開 スペイン映画 120分
原題:LA PIEL QUE HABITO 英題:THE SKIN I LIVE IN 年齢制限:R15+
監督・脚本: ペドロ・アルモドバル
原作:ティエリー・ジェンケ
字幕:松浦美奈
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2010年スペイン・トレド。
最愛の妻を事故で亡くした形成外科医のロベルは、妻の代役をとある人物に課し、皮膚を移植することをはじめ全身整形を施し、亡き妻を蘇らせた。
事故?事件?により失った妻への偏った愛がなす究極の問題作。
こんな話を作った人もクレイジーだが、映像化しようとする監督もクレイジー。
観終わってどよーんとすること必至だけれど、こんなぶっ飛んだ映画は久々かも。
(アンチクライスト・エクスペリメント・恋の罪・スマグラーetc 等色々ぶっ飛んだ話を思い出すが、この映画が一番ぶっ飛んでる気がする。)
それだけの中身があったりするのです。そんなわけで今年の映画の中で一番の問題作のような気がします。
評価は☆☆☆☆☆ 覚悟して観よ。
ネタバレとか色々 ↓
● レーティングはR15+でいいの?
おっぱいあり、SEXあり、レイプあり、精神疾患あり、モザイクあり。そんなわけでR18+の方がいいと思うのですが。てか倫理面で高校生ににとってもトラウマになりそうな気もするんだけれど。
■ 女装?
この前の髭男爵のラジオで女装が趣味になってるといかいう芸人(かもめんたる マキオ)が出ていたけれど、そんな人にこの映画見せてあげたくなる。女として生きることはネタレベルでは済まされない気がしてしまうし。
● 伏線回収
ラストシーン、強引にドレスの伏線を回収した感じであったけれど、ドレスの描写は思い出してみるといたるところであった気がする。
服を切り刻むシーン、掃除機で吸い取るシーン、刻まれた服の中に唯一無事なドレスの描写のシーン。
2010年、その6年前、数週間後。
過去と未来が行ったり来たりしているけれど、時間軸を整理してみると、姉の言葉がずっと心に残っていたベラにとってのドレスは、とても大切なもの。そんな事を考えてしまったらビリビリと背中に電撃が走ってしまった。
● 偏愛
ベラの気持ちはなんとなくだけれど、共感はできそうな気がする。つぐないという意味で。
閉鎖空間の中で一日一日を記録し生きていき、絵を描くことで、彫刻をつくることで、ヨガをすることで自身を保とうとしていた。服屋で働いていたため、芸術者としての表現力があったのか、色々考えてしまう。
しかしロベルが分からない。見た後ずっと悩んでいる。
自分の娘をレイプし、精神疾患にさせたほどのの男をなぜ愛そうとするのだろうか。
それとも復讐なのだろうか。レイプした相手を生涯犯し続けるのが復讐になるのだろうか。
でも、自分の愛した妻に似させることはなぜ。ロベルは妻を死後も愛し続けていくということなのだろうか。
映画を観てからずっとそんなことをぐるぐる考えてしまっている。
まあ、一番の偏愛はこんな物語を作った原作者と、映像化した監督が生み出したものなのかもしれない。
パンフレットで監督が「ボクがロベルほどクレイジーじゃないことを祈る」と言っているが、充分クレイジーです。
●衣装協力はゴルチエ
この映画の衣装は、ジャン=ポール・ゴルチエが協力したものということで話題らしいけれど、バリバリ服が切り刻まれていく様はどうなんでしょう。
結構なお値段だと思うのですが。。。
他にも結構な芸術家の作品たちが、この映画に登場するよう。詳しくはパンフレットに載っていたり。
● 邦題・原題
原題:LA PIEL QUE HABITO (スペイン語)
英題:THE SKIN I LIVE IN
エキサイト翻訳によると、原題は「私が住んでいる肌」の意味。
英題にはLIVE INがあるけれど、これは「住み込む」の意味があるらしい。
で、邦題。誤訳ではないはず。住み込む=生きていくってことで個人的にはとても満足。
私が住んでいる肌、私の住んでいる肌、私の生きる肌 ではダメなんだろうなぁ。
「私が、生きる肌」はロベルの死後もこの皮膚は私が生きることで生きていくなんてことが考えてしまい、良いタイトルだなぁとか思ってしまう。そんなわけで邦題のほうがぐっと来てしまう。
邦題考える人はやっぱりすごい。
そんなことで、2012年個人的最大の問題作。興味がある方でそれなりに覚悟がある方は是非。
【関連商品】
全身整形ということでこのマンガを思い出す。
ただこのマンガは芸能界・マスコミに結構敬遠されるような内容があったり。
映画の際はそこは巧くカットするんだろうね。

