地方者の映画ブログ-スマグラー

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2011年公開 日本映画
114分 年齢制限 PG12


監督: 石井克人
脚本: 石井克人、山口雅俊、山本健介
原作: 真鍋昌平
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スマグラー(smuggler):密輸入者、密輸業者


「闇金ウシジマくん」の 真鍋昌平 の同名コミックの実写化。


妻夫木聡 永瀬正敏 松雪泰子 満島ひかり 我修院達也 小日向文世 高嶋政宏 安藤政信

結構凄いメンツ。


原作は未読だけれど、この映画見てどんな原作なのか凄く興味を持つほど面白かった。

調べたら原作コミックが全1巻であるためだからか、時間内に話も完結しており、ストーリー的にも申し分なし。


もしかしたら原作と共に脚本・監督・絵コンテを担当した、石井克人監督が良い仕事をしたのかも?

監督の以前の作品 鮫肌男と桃尻女 まだ観てません。知らなかった罪滅ぼしに探してちゃんとと見ようと思います。


で、評価は☆☆☆☆☆

PG-12 だが、2011年映画最大の問題作として、逆満点とする。

(近年の勝手に問題作として、08は闇の子供たち、10は告白)


映画観てて身震いしたのは[リミット]以来かも。自分にとっては凄く面白かった。

ただPG-12とはいえ、見ていて目を覆いたくなるシーンも多々あり、R18のアンチクライストほどではないが、それなりにグロい。拷問シーンは苦悶の妻夫木くんのシーンが出ているが何されているか前のシーンで分かるのでそんな意味では十分R18レベル。そんなことで2011年一番の問題作とする。






↓ネタばれとか人物紹介とか







主人公は妻夫木くんなんだろうけど、みんなそれぞれが問題を抱えていて、みんなが主人公に見えてくる。そんな演出を感じ取る。

妻夫木くん演じる砧 (きぬた)、25の今まで中途半端に生きてきた。役者を目指すも劇団を離れ、フリーターの日々。家では松田優作の「野獣死すべし」を見る。

(その息子、松田翔太が警官役として出ているのはこれまた凄い演出かも。)


野獣死すべしで松田優作が真正面を見ながらこめかみに銃口を当てるシーンが砧のテレビで流れる、色々考えてしまう。行き過ぎてる気もするが、役になりきるってすごいこと。




妻夫木と共に目に入るのはやはり永瀬正敏。

過去に影がある男がとても似合う。

毎日かあさん で、ガン患者の役作りのため激痩せした身体、無精髭、鋭い眼光。

あの視線で背中がぞくぞくした。

冷たいけれどどこか温かい。そんなことを思ったり。

この世界悪いやつのほうが信用できる」って言葉は、真実なのかどうなんだろう。

ちょっと考える・・・




次に満島ひかり。

おひさまで井上真央の良い友人役立ったが、この映画ではヤクザの妻。

ラビット・ホラー、川の底からこんにちは、カケラ、告白、愛のむき出し と色々映画も出ているが、結婚後さらに飛躍してるかもと思えるほど。まだ20代とは思えないほどの役者としての実力。

これからも目が離せない。


同じ女性枠で松雪泰子。

太い眉に黒縁メガネそしてゴスロリ系のファッションで金融会社社長。

ネットワークがあり、暴力団を含むいろいろな組織とビジネスを行っている。

DMCのときの社長役も凄かったが、こんな役もくる。容疑者Xの献身のような、清楚な美人役はこれからは来るのだろうか勝手に不安になる。



小日向文世、安藤政信、阿部力、我修院達也、島田洋八と他にもこの映画を支えるすさまじい演技を皆さんしてくれた中で、見逃せない人として高嶋政宏がいる。


パンフレットの紹介でも「怪演」と書かれるほどのすさまじい演技と衣装。


ゲジゲジの太い眉に髭、拷問が行き過ぎて、「あ、死んじまった」というドSっぷり。

台詞以上にオカシイ拷問の内容とその衣装。

おむつして拷問する人なんてこのキャラだけじゃないのか。

(トイレ行く時間も惜しんで拷問してるって事なのかなぁと勝手に推測した)




探偵はBARにいるで、敵役をやった弟:高嶋政伸、今回弟以上にキレ過ぎヤクザを演じた高嶋政宏

高嶋兄弟はこれからどこへ行くのかと、ワイドショー的ないらぬ心配をしてしまったりする映画でした。


次は硬派な役がやってもらいたいですが、悪人以来、気弱で草食系な気の弱い役ばかり来ている妻夫木くんを見ると、大きな路線変更はないかもなぁなんてこれまた勝手に心配してしまう。


そんな映画。



あ、最後に、砧の右耳が不自由なのは、映画版オリジナルの設定らしい。

どこか身体的に欠けてる部分があることがこのキャラを際立たせるという監督の脚色だとか。

(欠けてるっていう表現が、差別として受け取れるかもしれないが、パンフ内紹介の言葉をそのまま使いました。)


【追記】

じょりんさんのおかげで、人物紹介で安藤政信を書き忘れてたことに気付きました。

背骨役の 安藤政信。

コアな人物書き忘れてました、ごめんなさい、ありがとうございます。


最近は中国映画によく出ていたらしい。だからこそ中国語の台詞が多かったのかも?

でも、短期間でほとんど中国語である自分の台詞を覚えるのは大変苦労した、とインタビューで語っていた。

当初、背骨が日本人っぽい顔立ちだなぁと思っていたが、流暢な北京語をしゃべっているため、中国・台湾の役者かと自分は映画観ている間思っていました。

(ちなみに内臓役の鄭龍進(テイリュウシン)は日本生まれの華僑で日本語・中国語・英語のできるトリリンガルらしい。このキャスティングすごいなぁ・・・)


背中の刺青と共に、引き締まった身体・肉体美。これだけでもすごいのに、石井監督のスーパースローカメラでのアクションシーンで、背骨が踊る。こんなアクションの魅せ方もあるのだと感動する。



映画だけじゃなくさまざまなジャンルで活躍する石井監督。これからしっかりチェックしていきたい。



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妻夫木くんと満島ひかりが見たい人はこれを。

満島ひかり、中の中の女演じる機会多いなぁ・・・


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永瀬正敏と小泉今日子 元夫婦が夫婦役をやるということでの話題作。
鴨ちゃんを演じるため、激痩せした永瀬さんも要チェック。

拷問の歴史 (Truth In Fantasy)/高平 鳴海

作者がこれを読んで拷問を考えたかは知らないが、拷問をするという歴史が地球上にあったということは知っておかなければならない。