(Wikipediaより)
イラクの都市。
北緯31度18分・東経45度16分、首都バグダードの東南約280kmに位置し、
人口はおよそ13万人である(30万人とする説もある)。
人口40万~50万人ほどのムサンナー県の県都で、
一帯はシーア派(十二イマーム派)の信徒が多い。
産業は農業が中心で、工業はセメント、岩塩、煉瓦などを
生産しているが、失業率が高い。

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自衛隊イラク派遣に密着取材したカメラマンが描く世界。

明らかに日本より不便な生活の現場を、
しかも戦火にある現場を、
軽やかに楽しげに描き、
「けっこー楽しそうな生活」と思わせる書きぶりに
軽快に読めてしまう一冊でした。


前書きに、

「嫌いでも付き合わなしゃあないっちゅうことが、
オトナにはある。石油資源がほとんどない日本は、
当分の間、産油国と上手に付き合っていかざるを
得んのである。私だって、今更、蝋燭と焚き火の
暮らしには戻りたくないし、ベンツやカメラのない
生活なんて想像すらできん-。

なんて理屈っぽい話は、本文には出てきません。
ご安心ください。これはカメラマンを天職と信じた
男が、その生れ落ちた不幸の星の下、運命に
逆らおうと苦しみ、もがけばもがくほどドツボに
嵌っていく苦難に満ちた三ヶ月の記録である」

・・・と書いてあるような展開で
戦火の日々をおもしろおかしく書いた本。

・・・と、思いきや「あとがき」には
「この書を、ご迷惑でしょうが、●氏と●氏に捧げます・・・。」
とあり、亡くなった方へのメッセージが書いてある。

後半部分は、その方々との事実と記憶の記録になっていた。
「共感」という意味では、おそらく後半部分のほうが
感情移入しやすい話題ではあると思いますが、

個人的には、

昼間は40℃、夜は10℃以下の寒暖の激しい土地、
停電は日常、夜は蚤や蚊や蠅との戦い(・・・というより
諦念が大事?)、衛生観念も違う国、、、なのに、
なんだか楽しい生活に見せてしまう彼の切り口(テーマ選択)
に感服ですね。たのしかった!

ひとつ、マジメな話をすると、「安全」に対する見解ですね。
さすがに、ここは真剣度が高い表現になっていました。

安全は、購入するもの。
飛躍すると、安全も商品なんだ、
目に見えない商品、つまりサービスという名の商品、
ということを改めて考えさせられる。


少し視点を変えて、時代背景は違うが「外交敗戦」と
併読すると、体制をつくる(決定機関)側と現場の2つの視点を享受でき、
おもしろいかも。