平日、夕方の公園。
ベンチでタバコを吸っていると、「わぁーん」という声が。
100メートルほど離れたベンチにすわり、泣いている女性がいた。
彼女は、本当に「わぁーん」と声を張り上げて、盛大に泣いているのだ。
わたしと同じように、公園でくつろぐ人々は、彼女の存在に気づくが、
黙認。
気づいて欲しくて、泣いているような雰囲気だった。
10分ほど公園にいたが、彼女に声をかける人はいなかった。
何があったのか知る由もないが、大人の女性である。
むやみに声をかけるのもためらうし、
なにしろ大人なので、自分で解決できるだろう、と思い、わたしは
声をかけないまま公園を立ち去った。