美しく夜の匂いが似合いそうな佇まいと表情の
写真が電車の中吊りに出ていた「乳と卵」を読む。
川上未映子氏の芥川主受賞作品
- 乳と卵/川上 未映子
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豊胸手術をしに娘と上京してきた姉との
夏の3日間を独特の口語体で綴る。
胸と生理、
という女性特有の身体を描いていて、
10~30代女性が好きそうな話だな、という印象。
いろんな人がさまざまな思いを持って、
生きている。
わたしは、人の心の奥底や感情の機微に
触れないように生活しているから、
小説は、いわば非現実の教科書。
でも著者は、生身の人間で。
薄い皮膚をキレイに剥がしたら、
わたしの周囲にいる人々も、
複雑な哲学的な文学的な感情を飼っている
のかもしれない。
オトナは、それらを飼いならしているから、
不用意には、見せないし、
不躾に見ようともしない。