高市が自民党総裁選で、負けた理由 | 話のコレクション

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訪問者の皆さんも知っての通り、昨日、自民党総裁選が行われた。

 

一回目の投票では、高市が1位、石破が2位になった。

この時点で、(ああ。高市が自民党総裁になるんだな。日本初の女性首相が誕生するんだな)と予想した人が多かったに違いない。

 

ところが、高市、石破で、決選投票が行われると、後者が逆転勝利した。

石破が、新しい自民党総裁になったのだ。

 

では、なぜ高市は、石破に逆転負けを食ったのか?

それは、こんな党内事情があったからだ、という。

 

■岸田首相に嫌われた

岸田首相は、決選投票の前、旧岸田派の議員に対し、石破に投票するよう指示したらしい。自民党総裁選の前、岸田首相が、「高市さんだけは応援出来ない」と語った、という報道もあった。

 

自民党総裁選に出馬した9人のうち、高市だけが、積極財政派だった。積極財政は、岸田内閣がしてきた緊縮財政に、逆行する。

この為、岸田首相が嫌ったのでは?

 

■高市陣営に、裏金問題のある議員が多くいた

この為、自民党内では「高市は裏金議員に甘い」という批判の声が上がっていたらしい。

ある自民党の幹部は、「裏金問題に甘い高市が首相になると、衆院選はボロ負けになる」と語っていたという。

 

やがて来る衆院選で、裏金問題のある議員が続々立候補する。すると、マスコミ、野党からそれを追及される。

裏金議員に甘い高市が首相になった場合、選挙では票が野党に流れそうだ、というのだ。それを不安視した議員は、石破の方に投票したのではないか?

 

■高市は保守色が強すぎ

高市は「総理になっても、靖国神社を参拝する」と主張していた。

その為、自民党内からも「過激すぎる」との声が上がっていた。

 

そんなところへもってきて、先日、保守的な野田佳彦が立憲民主党の代表になった。

この為、「高市では穏健な保守層が、立憲民主党に奪われるのではないか?」と危惧する自民党の議員が、結構いたようだ。

やがて来る衆院選では、穏健な保守層は、高市を嫌い、立憲民主党の方に投票するかも?

そんな不安を抱いた自民の議員は、決選投票の際、石破に一票を投じたのかも?

 

また、ある政治評論家は、「石破を自民の新総裁にしたのは、野田だ」と分析している。

自民党の総裁は、国会で、立憲民主党の野田代表と対決しないとならない。

「野田との論戦に対等に渡りあえるのは、誰か?」と考える。

すると、小泉より高市より石破の方が良い、となる。

 

「それで、石破に投票した自民党の議員が、かなりいたのではないか?」と、その政治評論家は、分析するのだ。

 

自民党は、裏金問題で、イメージを大きく低下させた。

「その為、刷新感を出すため、若手の小泉や女性の高市を新総裁に据えるのでは?」

との見方が、マスコミにも、国民にもあった。

 

しかし、自民党の議員さん達が考えることは、そこまで単純ではない。

政治家としては未熟な小泉や、裏金議員が陣営に多くいる上、保守色が強すぎ、積極財政派の高市より、無難な石破の方を選んだ。

 

政治家は、国会運営や選挙の事を考えているからネ。

新鮮なイメージだけで、党首を選ぶわけじゃないんだよね。笑

 

そのへんをマスコミも、我々国民も勘違いしがちだ。