北朝鮮で2018年、大ヒットした映画がある。
それは、「バーフバリ 王の凱旋」というインド映画。
この映画は、古代インドの叙情詩マハーバーラタをベースにしている。
兄弟が王位を巡り争う、というストーリーである。
2018年1月1日。
平壌にあるパソコンショップ「情報奉仕所」では、「バーフバリ」のDVDを、1セット2枚組1万5000北朝鮮ウォンで、販売した。
すると数万枚が、すぐさま売り切れた、という。
1万5000北朝鮮ウォンは、日本円換算200円(当時)。
向こうでは、米3㎏が買える金だ。
では、なぜこの映画は、そんなに向こうで、人気が高かったのか?
北朝鮮の映画は、地味な内容なのに対し、この映画は華麗な踊りのシーン、派手なアクションシーンがあり、さらに撮影も綺麗なところが、人々を惹きつけているのでは?と、韓国の北朝鮮通が分析していた。
当時、北朝鮮では、この映画を真似て踊る人達も出た。
また幼稚園児にも、人気があった。
ところで、この映画のストーリーは、王位を巡り、兄弟が争うというもの。
何やら、兄の金正男を暗殺した将軍様を、連想させる。
こんな映画のDVDを販売し、当局からにらまれないのか?
北朝鮮では、金正恩が金正男を暗殺した事を、ほとんどの国民は知らない、という。
従って、この映画を見ても、政府を批判する気持ちは起きないだろうから、販売してもいいのだとか。
なお、この映画は日本でも公開した。
我々だって、見て、登場人物を真似て、踊る事ができたのだ。