「私は、王女様になりたいの」
と言い出した7歳の娘の願いをかなえようと、必死に王国を作ろうとしているアメリカ男性が、今話題となっている。
数か月前、アメリカ・バージニア州アビンドンに住む7歳のエミリー・ヒートン(Emily Heaton)ちゃんが、
「プリンセスになりたい!」
と言い出したのだ。
幼い女の子は、「シンデレラ姫」「白雪姫」などの童話を読むと、強い影響を受けて、
「お姫様になりたい。王女様になりたい」
なんて突然言い出したりする。
これは、多くの幼い女の子にある事だと思う。
そして、親は、たいてい、
「そんな事は、現実には無理なんだよ。今は、世界中で王女様はとても少なくなっているし、親が王様じゃないとなれないんだよ。あるいは、王子様にプロポーズされないと、ダメなんだよ。将来おまえの前に、素敵な王子様が現れるといいね」
と優しく悟りしたりする。
それが、普通なのだ。
しかし!
エミリーちゃんの父親ジェレマイア・ヒートン(Jeremiah Heaton)氏は、娘の願い事をかなえたいと、行動を開始した。
娘も本気なら、いい年の父親も、本気である。
ヒートン氏は、インターネットを駆使し、王国の領地と主張できそうな所属がはっきりしない領土を、血眼になって探した。
すると、アフリカのエジプト・スーダン国境の砂漠に、国境線画定交渉が進まず、長年放置された土地を発見した。
そこは、数百平方キロのビルタウィール(Bir Tawil)である。
ここには、現在人は、誰も住んでいないという。
彼は、ここに王国を建国する事にした。
王国の名前は、北スーダン王国(Kingdom of Sudan)とした。
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そしてこんな北スーダン王国の国旗を自らデザインし、作った。
国旗の中央に、王冠がデザインしてあるのは、いかにも、娘の王女様願望を表わしている感じである。
そして、彼は、日本円で約30万円もの旅費を使い、アメリカからアフリカへ出かけた。
ビルタウィールの土地で、北スーダン王国の旗を立てると、
「娘の為に、王国を建国したぞ!」
を高らかに、宣言した。
一方、マスコミの取材に対して、エミリーちゃんは、
「私達は、食べ物の少ないアフリカの子供達を助けようと思っているの。土地いっぱいに菜園を作るの」
と、7歳の子とは思われぬ、しっかりした意見を述べた。
早くも、王女様になった気分のエミリーちゃんだが、現実は厳しい。
アメリカの法律学の大家によると、
「単にその土地へ行き、国旗を立てるだけではだめだ。実効性のある占有状態を確立しないと、国とは認められない」
と手厳しい。
それでも、エミリーちゃんの父親ヒートン氏は、大真面目に、
「スーダン政府と交渉し、私と娘の北スーダン王国を認めさせる」
と、語っているという。
ヒートン氏が、7歳の娘の為に王国を作ろうというこの行為、活動は、壮大なジョークみたいなものだろう。
壮大な夢、ロマンと言うより、滑稽だから、壮大なジョークと呼ぶ方がふさわしい。
北スーダン王国が、正式な国として認められたあかつきには、私も、
「珍スポット」
として、このブログに再び記事を書きましょう。
なお、この事がニュースになると、エミリーちゃんは、学校の友達から、人気が上がったという。
それだけでも、お父さんの努力は無駄じゃなかったのでは。