私は、2013年2月1日、「カフェカロチャ」で、昼食を食べた。
「カフェカロチャ」は、埼玉県のJR北浦和駅近くにあるハンガリー料理を出す店である。
私は、それまでハンガリー料理を食べたことがなかった。
それで、食べてみたくなり、初めてこの店へ行ってみたのだった。
この店は閑静な住宅地にあり、民家を改築して作られたような雰囲気だった。
カフェカロチャの玄関のあたりは、たくさんの植物があった。
それゆえ、店は、隠れ家風な雰囲気が、漂っていた。
店内に入ると、まず目に飛び込んできたのは、ハンガリーの人形や食器などである。
これらは、置かれているだけではなく、販売もしていた。
店へ入って来た私に気がつくと、シェフでもあり、接客もする初老の女性が、
「どこでも、お好きな席にお座りください」
と声をかけてきた。
私は、調理場から、一番離れたテーブル席へ座った。
私が座ったテーブル席の窓から、庭がよく見えた。
庭は、広くないが、植物がたくさん置かれていて、見ていると、心がなごんだ。
カフェカロチャの店内は、清潔感に、あふれていた。
また、店内にも、植物が置かれていて、自然のぬくもりが、感じられた。
これに加え、ショパンの「夜想曲」などのクラシック音楽が、絶えず流れているから、店内は、品の良さにも、あふれていた。
私が座った席近くの壁には、ハンガリーのものと見られる絵が飾ってあった。
私がこれを見ていると、シェフであり接客もする女性がやってきて、丁寧に今日のメニューについて説明してくれた。
この女性は、店のオーナーらしいが、とても品のある感じだった。
私は、2種あった1500円のランチセットのうち、
「鳥ムネ肉のパイナップル、チーズのせオーブン焼き」
のセットの方を、注文した。
このセットは、メイン料理に、サラダ、パン、飲み物が、ついている。
注文すると、まず出てきたのが、サラダにパンだ。
パンは、ほんのりマスタードが塗られて焼かれていた。
それゆえ、ピリ辛である。
レストランでは、こういうパンの場合、塗ってある物は、大抵ガーリックバターだ。
マスタードとは、まったくもって意外だった。ハンガリーでは、これが、普通なのだろうか?
パン、サラダを食べ終わってから数分すると、メイン料理の
「鳥ムネ肉のパイナップル、チーズのせオーブン焼き」
を、店のオーナーらしい初老の女性が、持ってきてくれた。
この料理は、見た目は、グラタンの様であった。
鳥胸肉の上に、ハムやパイナップルをのせ、さらにその上に、チーズをのせ、オーブンで焼いた料理である。
日本では、食べた事のある人は少ないだろう。
だが、オーナーらしい女性によると、「ハンガリーでは、おなじみの料理だ」という事だ。
食べてみると、ジューシーで、肉には歯ごたえがある料理だった。
そして、最後に出されたのが、紅茶。
飲みものは、コーヒー、紅茶、ハーブティー3種の中から、1つ選択できた。
私は、この時これを選んだのだ。
紅茶はすっきりして、癖のない味わい。
カフェカロチャの総評を書けば、店内も庭も、美しい植物があふれている。
それに加え、店内には、絶えず美しいクラシック音楽が流れている。
それゆえ、とても居心地が良く、いると心が磨かれるような気分になる。
「美しい物に囲まれて生きたい」というオーナーの美学が、感じられた。
それに加え日本では、珍しいハンガリー料理が食べられる。
魅力的な店であった。
ハンガリー家庭料理と喫茶 カフェカロチャ
営業していた頃の住所 埼玉県さいたま市浦和区北浦和1-12-11
■このレストランは、私が行ってから4年後、常連客に惜しまれつつ閉店した。
20年の歴史に幕を降ろしたのだ。
現在、ここは、演奏会を開く場になっているという。