3月31日で「中学校教師」を辞めました。


でも、この仕事が嫌になって辞めた訳ではありません。


15年間続けてきて、ようやく「やりがい」や「自信」が持てるようになりました。


その「ノウハウ」や「仕事術」を若い人たちに伝えていけたらいいなぁ。


そう思っています。






『ウチの子に限って』


長いこと学校にいると、『ウチの子に限ってそんなことありません。』という保護者の言葉や思いに出会うことがあります。


「そんなこと言わなければいいのに。」と、いつも思っていました。


『ウチの子に限って』


そう思ってしまうと、親も子どもも前に進めなくなってしまう。


その思いを乗り越えて『直視』しなければならないのに。


ずっと、そう思ってきました。


でも、そんな私にも『ウチの子に限って』と思いたくなる気持ちがあったみたいです。


そのことを、認めざるを得ない出来事がありました。





『小学2年生の息子、友達を蹴る。』


ショックでした。


これが初めてではないのです。


小学1年生の時にも同じようなことがあり、その時にもかなり『指導』しました。


教師としての「ノウハウ」をフル活用して。


それでも起こった2回目。


本当にショックでした。


何も伝わっていなかったのかと、愕然としてしまいました。


教師だった者として情けない気持ちも、もちろんありました。


とは言え、相手のあることです。


相手の親御さんに謝罪しなければなりません。


その前に、『何をやったのか』と『なぜやったのか。』をじっくり聞き出しました。


当然、かなりの怒りを伝えながら。


こんなとき、「冷静に」とか「優しく」とか必要ないと思います。


どれくらい悪いことをしたかは、『親の怒り』で教えなければならないと思っています。


『ごめんなさい。次からはしません。』


子どもは、初めからこう言います。


そんなの信用できません。


『次はしません。』


でも、次はないのです。


初めから『次のチャンス』を口にしてはダメなのです。


自分が何をしてしまったのか。


それはなぜなのか。


じっくり考えなければなりません。


『本当のこと』や『本当の気持ち』を自分の口で話せて初めて、『ごめんなさい。次からはしません。』という言葉が少し信用できるようになる。


そう思います。


あまりに情けなくて、泣けてきました。


でも「親が悲しい」ということも伝えなきゃいけないことだと思います。


『もう二度としません。』


ようやく、その言葉を少しだけ信用できるようになりました。


その上で、相手の親御さんにお電話しました。


相手の親御さんには、「子どもたちのことですから、子どもたちで解決させたい。」と言っていただきました。


ありがたいです。



今回のことで『ウチの子に限って』と思いたくなることがありました。


自分の子を『信用』したい気持ち。


『信用』していたのに、裏切られる気持ち。


『直視』したくない気持ち。


親として、わかるような気がしました。


それでも、やっぱり逃げてはいけない。


『変な守り方』をしてはならないのです。


子どものために。


『守る』のではなく、子どものしたことを『親として受けとめる』。


とても難しいことですね。


正直、まだ受けとめられない自分がいます。


『親』としてまだまだです。


それでもまだ小学2年生。


きっとまた、失敗を繰り返すのでしょう。


子どもの失敗を受けとめて、でもそれを一緒に乗り越えることのできる『親』になっていきたいと思います。


見て見ぬふりをせず。


社会に送り出すまで。


どんなに苦しくても、それが子どもを産み育てる『親の責任』なのですから。


そう自分に言い聞かせています。