日本学術会議は2020年以降の大型研究計画の在り方に関する指針「マスタープラン」を公表したが、注目されていた国際リニアコライダーについては「大型研究計画」に記載されたものの、優先度の高い「重点大型研究計画」には入らなかった。

 

 研究者間の共通認識として学術的な意義は認められたということで、今後の焦点は文部科学省が策定する「ロードマップ2020」に盛り込まれるかとなった。

 

 これは簡単に言うと優先的に予算をつけるべきかどうかをふるいにかけるもので、ロードマップ2020に載るということは、政府として優先すべき学術研究と判断してお金をつけて具体的な行程を明らかにすることになる。

 

 ILCの場合、このロードマップ策定にあたって必要なヒアリング審査の対象には残った。

 

 今回の日本学術会議の決定については、いろいろな解説があるし、立場によって見方も異なるが、スケジュール的なことを言えば、科学者間の議論から、広く政治の議論にゆだねられる段階に来たということだ。

 

 今後は、来月頃から順次、書類審査、面接審査が行われ、7月頃にはロードマップが策定される予定である。

 

 これまでロードマップに記載されたほとんどが「重点大型研究計画」に選定されたものであり、しかも重点大型研究計画に盛り込まれていたとしても、ロードマップに実際に記載されたのは、前回のケースではこの4分の1にとどまっている。

 

 巨額の財政出動を伴うILCだけに、現在の政府の予算の枠組みでは収まらないことから、建設費や運営費の国際的分担の行方が、ロードマップ記載へのハードルになりそうだ。

 

 ただし、財政面や学術的意義にとどまらない、国際社会における日本の針路など総合的な国益の観点からの判断は、科学者や役人の視点とはまた別のもの。まさに政治の責任である。

 

 あとは、こうした日本のスケジュールや判断を、国際的に科学者コミュニティが理解するかどうかも焦点の一つだ。