ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。
日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。
以下554話訳です。
(迫田兄弟二人の場面は迫田兄→匡紀、迫田→充紀と表記します)
充紀:弟と話すときもずっと手放さねえつもりか?
匡紀:充紀。
充紀:匡紀。
匡紀:我が弟よ!
(斧と血の滴る腕を持ったまま笑顔で充紀を抱き寄せる)
匡紀:なぜここに?
充紀:…人を探してた。
匡紀:お前にもう一度会いたくて探してたんだ。
充紀:俺になぜ?
(匡紀がようやく甚郎の腕を離す)
匡紀:充紀、よく聞いてくれ。俺はすべてを昔に戻すつもりだ。
充紀:…昔?
匡紀:そうだ。正確には迫田甲竜が山崎派を追い出し、政治家になるために迫田甲竜組を解体した時だ。
(淳助が背中からどき、蛍介は急いで甚郎に駆け寄る。必死で肩の止血をする蛍介。匡紀は腰のホルダーに斧を収める)
匡紀:迫田甲竜はロマンのために愚かな選択をした。裏社会の王が表社会の王になろうとした。迫田甲竜は政治でなく征服すべきだった。この国はもちろん、力で日本をも征服するべきだった。俺はその道をまた歩くつもりだ。
(血の付いた右手を差し出す)
匡紀:充紀。これからは俺と同じ道を歩こう。
充紀:もういい。
(その手を払いのける)
匡紀:?!
充紀:悪いね兄さん、あいつらを助けるために時間稼ぎしただけだ。
(それを見て淳助がプッと笑う)
充紀:勘違いしてるようだが、俺は親父が裏社会の王なのが嫌だった。でも同時に尊敬もしてた。俺があんなクズ親父でも尊敬した理由は、それでもロマンがあったからだ。
(匡紀の目に、充紀が若き日の父に重なって見える)
充紀:どうも俺と兄さんは迫田甲竜の好きと嫌いな部分が正反対みたいだな。兄さんの話はよく分かった。あの時の親父みたいになってすべてを元に戻す?なら俺はアンタを止めるしかなさそうだ。
(決然と兄を見上げる)
匡紀:そうか、俺は誤解していたのか。充紀、お前が最後の兄弟だったのに。
(充紀に斧を振り上げる。その時、けたたましいサイレンの音とともに多数のパトカーが到着する)
警官:動くな!持っている斧を下せ!
警官:もう一度警告する!斧を置いて両手を挙げろ!
匡紀:…警察?
警官:今すぐ斧を下せ!
(見せつけるように斧を振り上げニヤリと笑う匡紀。その瞬間、3人の警官のテーザー銃が匡紀の背中に突き刺さる)
警官:この野郎、警察をナメるな!
警官:電撃を食らってもまだ無視できるか?!
充紀:大丈夫か?
イ蛍介:…あなたが警察を呼んでくれたんですよね?迫田さん。
充紀:俺じゃねえ。
イ蛍介:違うんですか?
充紀:ああ、あの男が呼んだんだろう。
(スマホを手にしている淳助を見る)
イ蛍介:淳助さんが!?
淳助:俺じゃねーけど?
充紀:でもスマホ触ってましたよね?
淳助:他の奴に連絡してただけだ、誰か別の奴が呼んだんだろ。
イ蛍介:別の人?
淳助:ああ。〔どういう魂胆だ、伊崎〕
(電撃を受け続けながらも倒れずポケットからスマホを取り出す匡紀)
警官:止まれ!動くな!
警官:あり得ない!テーザー銃が効かない!
(匡紀が電話を掛ける)
匡紀:どういうことだ?伊崎志遠。
(バーで電話を受けているDG)
DG:俺の方が聞きたいですね、何をしてるんです?任せておけば真狼甚郎と長谷川蛍介を連れてくると思きや、ずいぶん派手な事件を起こしてくれましたねえ?これまですっと俺はあなたの後始末をしてきましたが、どうもあなたは俺との関係を勘違いしているようだ。どうなんです?
匡紀:面白い、アンタの計画には俺が必要なのに、俺を刑務所に送る気か?
DG:あなたの計画こそ俺が必要なくせに、まともに仕事する気は?迫田匡紀。お互い守るべきことは守りましょうよ。
(DGの前には警察の男がいる。匡紀の背後ではイケ蛍介が流星とバスコを助け起こしている)
イ蛍介:みんな大丈夫?動けるかい?〔迫田匡紀、何を話している?〕
バスコ:戦争は終わったのか?
流星:警察が来たからそうだろう。
バスコ:強いな、あんな奴初めて見た。
(警官が電話で話している)
警官:…は、はい。わかりました、はい、はい。手錠は仕舞います。
(それを聞いて、匡紀に手錠をかけようとしていた警官たちが驚く)
警官:え?手錠をかけるなと?
警官:そうだ、とりあえず車に乗せろ。
警官:でも…!
警官:俺が決めたんじゃない、上からの命令だ。
(その時市長が現れる)
市長:そうだ、とにかく車に乗せるんだ。
【釜山広域市市長 「ド・ヒョングァン」】
警官:ド・ヒョングァン市長!?しかしいくら市長の命令でも…!
市長:私の命令ではない、もっと上からの指示だ。
警官:上からっていったい誰が…!
市長:これ以上詮索するな、我々の手に負えることではない。
(パトカーの後部座席に乗る匡紀)
匡紀:ソウルへ行ってくれ。
警官:わ、分かりました!
(釜山の大学病院。集中治療室の前のベンチに座る蛍介と迫田充紀)
迫田:なんとか終わったようだな。お前は平気か?
イ蛍介:…いえ。
迫田:分かるよ、人の腕が切られたのを目の前で見たんだ、お前みたいなヤワな奴は参っちまうだろう。
イ蛍介:変わらなきゃいけないと誓ったのに我ながら情けないです。
迫田:そんなことはない。誰でもあんなものを見ればそうなる。だがこんな時こそ自分をしっかり保つんだ。
イ蛍介:そうしたいけど、あの人の顔が目に焼き付いて。僕の腕が切られたかもしれないという考えが頭を離れなくて。僕はなんでこんなに弱いんだろう…
(その時手術室から医師が出てくる)
医師:ご家族の方ですか?
イ蛍介:来た!
医師:手術は無事終わりました。
イ蛍介:彼は大丈夫なんですか?!
医師:まだわかりません。
イ蛍介:分からない!?
医師:今患者は意識が無い状態です。最善を尽くしますが、予断を許さない状態です。最悪の場合、このまま意識が戻らないこともあります。
(酸素マスクをしたまま横たわる甚郎。病室を後にする蛍介たち)
迫田:大丈夫だろう、医師は慎重な意見しか言わないもんだ。あまり心配せずに待とう。
イ蛍介:僕も釜山の王を信じてます、彼は非凡な人だから。それよりあなたが来てくれてよかったです、なぜ迫田さんは釜山に来たんですか?
迫田:俺も真狼に会いに来たんだよ。
イ蛍介:元々知り合いだったんですか?
迫田:そうじゃねえ。俺も強くなりたかった。そんな時迫田甲竜の弟子の話を聞いたんだ、俺は強くなるヒントを得るため真狼に会いに釜山に来たんだ。
イ蛍介:とにかく助かりました、迫田さんは本当にたくさんの人を助けたんです。
迫田:お前らのバックにはビッグディールがついてると言ったろ。
イ蛍介:www頼もしいです。
(その時病院のテレビのニュースが目に入る)
アナウンサー:今日未明、釜山の魚市場でショッキングな事件が発生しました。
イ蛍介:え?やっぱりニュースになっちゃったか。
迫田:事が大きかったから当然だな。匡紀のことが報じられるんだろう、斧を振り回して腕を斬り落としたんだからな。
アナウンサー:事件の顛末は、暴力組織「真狼派」の内紛から起こったことが明らかになりました。「真狼派」内部の派閥間闘争で武力衝突が起こったとされます。
イ蛍介:〔え?〕
(燃え上がる市場の映像が映る)
アナウンサー:これにより釜山の魚市場が大きな火災に見舞われました。
(テロップ:釜山派残党の内乱広がる…火災で死傷者発生)
イ蛍介:〔これで終わり!?〕これどういう事です?!迫田匡紀の話がないじゃないか!斧で人を切った話が全然ない!根も葉もないことを報じてる!
迫田:…わからん。俺にも訳が分からん。いったい匡紀の後ろに誰がいるんだ?
イ蛍介:〔誰だよ、いったい誰なんだよ!〕
(その頃、スタイリストからメイクを施されているDG)
DG:これくらいで結構です。
スタイリスト:でもいつもはもっと…
DG:いいんですよ。今日は控えめな方がいい。〔長谷川蛍介、しょせん君は俺の手足になるしかない。俺が君を捨てたとしても、君は俺を捨てることはできないんだ。俺には二つの体を持つ君が必要だ。そして今日を起点にすべては変わる〕
(スタッフが呼びに来る)
スタッフ:御幸大也さん!お時間です!
DG:わかりました。皆さんお集りのようですね、今行きます。
(ネクタイを整えて記者会見場に赴く。会場では大勢の記者が待ち構える)
記者:もうすぐ出てくるわね?
記者:いつぶりかしら?引退したのに記者会見って!練馬東介を糾弾して以来だよね?
記者:あ、来た!御幸大也だ!
(拍手と共に会場に現れるDG)
記者:御幸大也さん!しばらくですがどう過ごされてましたか!
記者:今回記者会見を開かれたのはなぜでしょうか!
記者:芸能界復帰宣言ですか!?
記者:御幸大也さんは練馬東介会長を糾弾して英雄になりましたね!そのことについてどう思われてますか!?
DG:こんにちは、御幸大也です。今日は皆さんが驚くようなお話をしにここに来ました。〔長谷川蛍介さん、面白くなるのはこれからだよ〕
554話 終わり。