ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。
日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。
以下513話訳です。
(イケ蛍介の拳を掌で受ける練馬)
イ蛍介:赤い紙があなたに届くことはないだろう、正門であの男が待っている。
練馬:あの男?誰が来ようと、処理する死体が増えるだけだ。
(拳を収めるイケ蛍介)
イ蛍介:気になることがある。
練馬:言ってみろ、話してやろうじゃないか。
イ蛍介:あなたは僕にミッションを与えた。
(ぶーちゃんに“DGを超えてみろ”と言った練馬)
イ蛍介:なぜDGを超えろと?
練馬:情けなかったからだ。
イ蛍介:え?
練馬:二つの体を無駄にしていたからだよ。
イ蛍介:!!
練馬:くだらんコンビニのバイトなんか…全く失望したよ。二つの体を無駄にしていたお前を成長させるためにミッションを与えたわけだ。でなければ私がお前を信用して使えないからな。
イ蛍介:信用して使う?
練馬:そう、私はお前を育てるつもりだった。御幸大也の対抗馬が必要だったのだ。
イ蛍介:対抗馬?
練馬:そう。御幸大也は私が育てた天才の一人だが、奴はどんどん成長し牽制する者が必要になった。私はその適任が、二つの体を持つお前だと思った。二つの体があれば御幸大也を十分に牽制できる。
奴の対抗馬になるには、奴よりも優れていなければならん。だからお前にDGを超えろというミッションを与えた。
イ蛍介:その御幸大也が、今あなたに牙をむいた?
練馬:そのようだな。
イ蛍介:それなら、もう話してくれてもいいでしょう。
練馬:何をだ?
イ蛍介:二つの体の秘密。二つの体の秘密は何なんだ?本当にあなたが作りだし僕に与えたのか?二つの体はどうやって作った?二つの体を持つのはこの世で僕一人だけ?それなら僕を選んだ理由は何?
練馬:…選んだ、か。選んだのではない。
イ蛍介:え?
練馬:選ばれた、と言う方が正しいな。教えてやってもいいが、それには条件がある。私の元に来い。御幸大也の対抗馬になれ。私の元に来れば、全ての秘密を教えてやろう。それだけではない、お前の望むすべてのことが叶うようにしてやる。御幸大也を凌ぐほどのものが手に入るだろう。
(揺らぐイケ蛍介)
イ蛍介:〔僕にあちら側につけと?そうすれば二つの体の秘密を教える?いよいよ秘密を知れるチャンスが来た。これを逃せばまたいつ訪れるかわからない!〕
…練馬東介、僕は…
(その時背後からDGが現れ、イケ蛍介の後ろ首を打って気絶させる)
DG:聞くな長谷川蛍介。君にはまだ手に負えない、聞けば二度と練馬から抜け出せなくなるぞ。まあもう聞くことはないか。練馬東介は今日死ぬからな。
(練馬の前に立ちふさがるDG)
(譲の前に現れ、刀を抜き笑う淳助)
淳助:約束だからな。
(煙草に火をつける譲)
譲:俺を止める気か?
淳助:防ぐつもりだ。
譲:気になることがある。
淳助:何がだ?
譲:なぜ練馬を裏切った?練馬はお前に何も悪いことをしてないだろうに、なぜ秘密の友達なんてものまで作り裏切った?
淳助:ムカついたから。
譲:何?
(淳助の顔が憎しみに歪む)
淳助:仕事は俺たちに全部やらせて、あとは全部練馬が独り占めだからだよ。
(譲がニヤリと笑う)
譲:さすがお前らしい理由だ。実はそんなこた俺はどうでもいい。あの時のように戦えるなら。あの時できなかった勝負の決着をつけねえとな?
(にらみ合う二人)
譲:お互い死のうぜ。
(同時に飛び掛かる二人。譲の蹴りを淳助が抜いた刀の柄で防ぐが、譲の拳が顎に決まる。抜こうとした刀の柄を押さえつつその肘で淳助の顎を殴り上げる)
淳助:待て、刀、ちょっと、
(刀を抜こうとする淳助をまたも阻み、腹に蹴りを入れる)
淳助:待てって!やめろつってんだろ!
(刀の鞘で淳助を押しのけようやく刀身を抜くが、譲に刀を蹴り飛ばされる)
淳助:このキチガイ野郎、俺に刀抜かせろっつーの!!
(譲をタコ殴りし、首を押さえると、落ちて来た刀を右手に掴む。刀身を抜き譲に振り下ろすが、譲はT字型の武器で防御すると、それで淳助の顔を殴り飛ばす。淳助が刀で斬り込み譲がかわすと、T字武器の攻撃を刀で受け、しばし互いの攻防が続く。戦いのさなか、笑っている譲)
淳助:よう、無理して笑うな。
(刀が譲のT字武器を粉砕する)
淳助:がっかりだな、俺は死を覚悟してここに来た。正々堂々とお前と最後の勝負をしようとな。なのにいったいその体は何だ。
(それまでの戦闘でズタボロになった譲の体。淳助が刀を地面に突き刺す)
淳助:今俺に、弱ったお前を切れと言うのか?
譲:甘ったれるな。この世は結果が全てだ。
(歯を食いしばり笑う譲。淳助がその顔を殴り飛ばす)
淳助:お前には包丁でももったいねえ。俺が知ってる譲はこんな拳に当たりもしねーよ。
譲:淳助、油断するな。
(譲が腕を掴むと体に飛びつくが、淳助は折れた眼鏡のフレームの先でその背を数回刺す)
淳助:俺が知ってる譲は、疲れて敵にしがみついて戦いはしなかった、こりゃ何だよ。何も楽しくねーじゃんか。
(悲し気に譲を見る。その顔を笑いながら譲が殴る)
譲:俺はいつものように全力だ。
(淳助はびくともしない)
淳助:これが全力?じゃあなんで俺は倒れねえんだよ。俺が知ってる譲は、一撃で俺を倒せる。
(譲の攻撃をかわす淳助)
淳助:練馬が何だってんだよ。なぜそこまでする。どうせあの老いぼれはもう終わりだ。伊崎が殺しに行った。
譲:!!
(ハッとして校舎を見上げると、教室の窓に練馬と対峙するDGが見える)
淳助:伊崎の計画は練馬を殺すことだったんだ。
(隙のできた譲の首から血しぶきが飛ぶ。淳助の刀が切ったのだった)
淳助:…全く、最後まで練馬しか見ねえのな…
(出血し意識が遠のく譲。その脳裏に過去の映像が浮かぶ。
少年院で、倒した少年たちの山の上に置いたイスに座る譲。“ボランティア”と書かれた作業着を着た片腕の清掃員が、その前で土下座している。泣きながら何かを訴えている。彼が訴えているのは、若き日の萩間が着ていたのと同じヒョウ柄の服を着た男たちカニ軍団?が大男に襲われている光景のようだ。それを笑って聞いている譲)
(教室では、DGが背後の気配に気付き振り返ると、気絶したはずのイケ蛍介が立ち上がっていた)
DG:…長谷川蛍介?…しまったな、よりによってこんな時に。
(イケ蛍介の目は無意識の漆黒に光り、冷たい息を吐いていた)
(一方、勝負がついたはずの譲だか、首を切られてもゾンビのごとく不気味に倒れずにいる)
淳助:…おいおい、お前は誰なんだ?
(くしくもイケ蛍介と同様、無意識の漆黒に光る眼と冷たい息を吐きゆらりと立ち上がる)
淳助:いずれにしても、あの譲ではなさそうだ。
513話 終わり。