ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。
日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。
以下511話訳です。
(母に電話しながら号泣するヨハン)
ヨハン:また前みたいに、髪を切ってくれる?
(ヨハンと話す車中の結城)
結城:おめでとうございます、神谷ヨハンさん。ついにやりましたね。
ヨハン:ゴタクはいいからここを片付けに来てくれ。〔とうとう終わった〕
(そう言って電話を切ったヨハンが目の異変に気付く。視界が暗くぼやけている)
ヨハン:〔まさか…〕
(萩間に渡された目薬の効果が切れたのだった)
ヨハン:〔一時的に見えるとはこういうことか。薬を使う前よりもっと見えにくくなっている。最後に見たかったのに、母さんの笑顔〕
(その時、背後からまさかの声がする)
譲:…ふう危ねえ、危うく意識が飛ぶとこだった、お楽しみが終わるとこだった。いけねえいけねえ、ケンカは楽しまねえとな。俺は楽しむために戦う。
最高だ、神谷ヨハン、狂おしいほどに最高だよ。こんなに楽しませてくれたのはあいつ以来初めてだ。
(無意識イケ蛍介との戦いを思い浮かべ、狂気の笑顔でヨハンに迫る)
譲:女を抱くのが退屈に思えるほどだ。
(譲を蹴り飛ばすヨハン。もう一度目薬を握りしめ、薬液を目に叩きつける)
ヨハン:〔所詮覚悟の上だ、明日見えなくなってもいい、必ず倒してやる〕
(どんよりとした視界がクリアになる)
譲:かかってこい神谷ヨハン!お前は勝てるぞ!ん?
(譲の足元を、ヨハンのCQCの輪が捕らえる)
譲:それが最善の手か?
ヨハン:〔時間がない。譲の左手は再起不能、弱点を狙う〕
(飛び掛かったヨハンの顔に譲の左の正拳がめり込む)
ヨハン:!!!〔今まで左腕を使えないふりをしていたのか!?〕
(左右の腕でヨハンを連打する譲。そのたびに左の腕から血しぶきが噴き出すが、気にせず笑っている)
ヨハン:〔いや、左腕は確かに折れてる。まさか、アドレナリン!苦痛を感じないのか!時間がない!終わらせなきゃ!〕
(折れた腕を十字固めに締め上げるが、その腕でヨハンを地面に叩きつける譲)
譲:お前はいつからそんな戦い方をするようになった!
ヨハン:〔戦いを終わらせるんだ!早く!〕
(ふたたび左腕を締め上げる)
譲:どうせお前は!打たれ弱いからダメだ!
(左腕でヨハンをあちこちに叩きつける)
譲:こんなありふれた関節技は通じん…!
(その顔をヨハンが膝蹴りするが、譲の右手がそれを阻む)
譲:分かりやす過ぎるぞ、神谷ヨハン。
(折れた左手でヨハンの首を締め上げ右腕を振り上げる)
譲:お前もそろそろ感じてるだろう、コピーの限界を。
(右のパンチがヨハンの腹に決まる)
譲:亜流は絶対に源流には勝てん。
(腹にまともに譲の連打を浴び、ダメージを受ける)
(回想:譲との戦いの前に、宍道と焼肉を囲むヨハン)
宍道:食え。譲のような怪物を倒すには腹をしっかり満たさんとな。白虎人材所に来るのもこれで最後なのか、残念だ。
ヨハン:所長。
宍道:あん?
ヨハン:冷静に考えて、俺が譲を倒せる確率はどれくらいですか?
宍道:確率か…お前が持ってるのがコピーだけなら、5パーセントもないかもしれん。これは強さだけの問題じゃない。独自の道を行くやつは別格なんだ。その道に立つ奴らは次元が違うということだ。
肝に命じろ、道の上に立つ奴らに勝つ方法はただ一つ。お前だけの道を探すことだ。
(現在:立ち尽くすヨハンを見てニヤリと笑う譲)
譲:悪くない戦いだった。
(その時譲の目が驚愕に見開かれる)
(回想:あの時の宍道の言葉)
宍道:誰もついて来れない、誰も追いつけない、神谷ヨハンのオリジナル。お前だけのオリジナルを探すんだ、他の奴には無理でもお前なら見つけられる。なぜならお前は、
(現在:譲を殴り飛ばすヨハン)
“宍道:伝説の始まりだからだ”
譲:〔コイツ、打たれ強くなったのか?まさか、コイツも超えたのか?〕
(襲い掛かるヨハンのパンチを避ける)
譲:またコピーか。
(だが次のパンチは譲のみぞおちにヒットする)
譲:?!
(次の飛び蹴りをかわす譲)
譲:コピーはダメだと言ったろう。
(だが次のキックが譲の頭に決まる)
譲:?!〔そうか奴の攻撃は、無数のコピーの集合体。蹴り一つにも無数のパターン、他人の技を盗んで吸収した予測不能な技、無限の技。これが神谷ヨハンの道か〕
(無数のヨハンの攻撃を体に受けながら歓喜に笑う譲)
譲:神谷ヨハン、お前はやはり最高だよ。
(ヨハンの両ひざ蹴りが譲の左目を潰し、蹴り飛ばして壁にブチ当てる。目から血を流して立ち上がった譲を飛び上がり地面に蹴り落とす。座り込んだ譲の前に、ヨハンも力尽き倒れ込む)
譲:…もう少しだったな、超えたと思ったが精神力で踏みとどまっていただけか。〔限界がきて気絶したか〕だが認めてやる。全てを圧倒するお前の才能を。
(倒れたヨハンを残し歩み去る譲)
譲:神谷ヨハン、総合力で一位だ。
(息を切らしている譲の前に、煙草をくわえた白窪が現れる)
譲:何突っ立っている?白窪征士。
白窪:以前の俺は、あなたに認めてもらいたいと思ってました。でも今は立つことすら辛そうですね。
譲:認められたいなら今かかってこい。
白窪:せっかくのチャンスですがお断りします。今は貴方に特に恨みはない。むしろあなたのおかげであの方に会えて感謝していますよ。あの方からのご伝言です。
「譲、今からでも遅くない、まだ敵は大勢いる。今から頭を下げれば助けてやる、俺の盃を受けるんだ」と。返事を聞いてこいと言われました。
譲:俺は…
(刀を手に高層ビルの窓から下界を見下ろす淳助。切ない表情で一人盃を飲み干す)
淳助:選んでくれ、友よ。
511話 終わり。