ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。
日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。
以下507話訳です。
【クリスタルTV MCM社屋】
(明里がシャワーを浴び、タオルを巻いて出てくる)
【クリスタルTV 社長「練馬明里」】
明里:〔最近お父さんの様子がおかしい。公式スケジュールにない出張が多すぎるわ〕
(その時テレビのニュースが聞こえてくる)
アナウンサー:速報です、天倆開発と関連した政府と経済界の癒着が明らかになりました。HNHグループ練馬会長と有力政治家の取引があったという情報です。
(テロップ:政治的コネクションを利用して開発会社選定段階から介入)
アナウンサー:それだけでなく天倆開発の初期資金も、未成年の少年を利用して不法に集め、最近発生した高校生失踪事件にも練馬会長が関係しているという情報があります。
(驚く明里)
明里:お父さん?
(車の後部座席にすわり移動している練馬)
練馬:状況は?
(男が資料を見ながら報告する)
ピョン:結城が攻撃を仕掛けてきました。幸いニュースになっているのは証拠もない週刊誌レベル、我々の力で充分揉み消せます。いくつか事実ではありますが裁判になっても有罪にすることはできませんよ。
(傷だらけの顔にサングラスをかけた髭面の屈強な男)
【10人の天才「ピョン・キム」】
ピョン:これからマスコミを使った情報戦が始まります。自信はありますのでご安心を。しかし赤い紙はそうはいきません。他のことなら揉み消せますが赤い紙はいけません。あの紙が結城の手に渡った瞬間に終わりです。どんな手を使ってでもあの紙は我々が回収しなければ。
(窓の外に降る雨を険しい顔で眺める練馬)
練馬:赤い紙のことは心配ない。奴らの手に渡ることはないだろう、あの譲なのだから。
(鎖にがんじがらめにされ立つ譲。煙草をくわえ、それを静観している白窪)
東郷:〔あり得ない、お遊びは終わり?これまでは戦闘ですらなかっただと?〕ハッタリだ!
(譲の顔にパンチを打つが、すぐさま反撃のパンチを顔に食らい気絶する)
譲:2人。俺はお前らとは違う。殺すという言葉をハッタリでは言わん。
(燃えさかる地獄の炎のようなオーラを纏う譲)
バスコ:平気なふりをするな、俺には見える。お前は疲弊している!
【プラタック禁止技1番 ヒーロー】
(譲の腹に渾身のパンチを打つバスコ)
(回想:バスコの前に整列する翔留たちバーンナックルの面々)
翔留:バスコ!俺たちもお前と一緒に戦わせてくれ!俺たちが役に立たないことは分かってる!でももうお前だけ犠牲にしたくないんだ!俺たち何でもするから!
バスコ:…翔留。
翔留:え?
バスコ:俺が一人で行くのはバーンナックルが弱いからじゃない。友達を危険にさらすヒーローはいないからだ。心配するな、すぐに戻る。
(現在:譲の顔に膝を打ち付けるバスコ。その技に驚く譲)
譲:〔これは?やはり〕
バスコ:すべての元凶のお前にお仕置きしてやる!
(バスコが技をめちゃくちゃに連打する)
譲:〔あの男の禁止技!だがまだまだだ〕
(バスコの膝に膝をブチ当て、顔に膝蹴りする譲。バスコが気絶する)
譲:3人。
(その譲の顎を殴り上げ、後頭部、左右と滅茶苦茶に連打する流星)
譲:北原流星、小技が増えたな。
(だが譲は笑ってその首を掴むと、顎を掴みつぶし数本の歯が飛び散る。流星は足で踏ん張ると譲の脇腹にパンチを打ち込む。すぐさま譲の正拳が流星の目の前に迫る)
(回想:寺の縁側で池宮と交わした会話)
池宮:譲、あの男となぜ戦おうとするのです?
流星:ヨハンのためさ。それしか方法がなくて。あいつは譲を倒さねえ限り俺らの元に戻ってこねえから、俺が手伝ってやんねえと。
池宮:…菩薩様。素直じゃないですね。
流星:…そうさクソ坊主、その通りだよ。本当は気になるんだ、もし、本当にもしもだけど、どうなんだろってさ。〔俺が譲に勝てばどうなるんだろう〕
(現在:譲の拳をギリギリでかわし身を沈めるとその顔にカウンターパンチを打つ。それを驚いて見るヨハン)
流星:〔正直に言うよ、俺は、勝ってみてえんだ〕
(だが瞬時に譲の拳が顔にめり込み吹っ飛んで気を失う)
譲:4人。来るか?
(迫田、ヨハン、聡が同時に飛び掛かる)
譲:残念だが。
(譲が迫田たちを置き去りに、道路の外へ飛び出す)
譲:この勝負、あいつらがフイにした。
(金庫を持ち、つづら折りのすぐ下の道路を走る亜紀めがけ降下する譲)
譲:5人。
(亜紀の頭に手を伸ばした譲を、脇から能面のバイクの後ろに乗った和民が殴り飛ばす)
和民:龍平さん、亜紀を頼みます。赤い紙を持って行ってください。
能面:心配すんな、アフロヘア!
和民:譲は僕が引き受けます。
(亜紀をバイクに乗せる能面、譲を抱え道路外のさらに下の道へ飛び降りる和民)
和民:〔この男は命を懸けて阻止します〕
(その頃、木村部長が運転するリムジンに乗り思案する結城)
木村:心配ですか?
結城:違うと言ったらウソになりますね。現実を生きていたあの頃に戻ることになるので。練馬を倒せなければ、僕たちはあの頃に戻ってしまう。それは誰よりも和民が一番よくわかってる。だから持ってきますよ、必ず。
(譲と対峙する和民。譲が煙草に火をつける)
譲:前から理解できん。なぜここまでするんだ?結城がいない亜紀は意味がないがお前は違うだろう和民万造。集団を率いる統率力があり、誰にも引けを取らないパワーがある。そんなお前がなぜ結城みたいな奴に従うのか。
今からでも間に合う、俺の元に来い。お前はここで死ぬには惜しい奴だ。
(回想:学園のロッカーで話す結城、和民、亜紀)
結城:そう、今度の作戦はあまりにリスクが大きい。でももう僕らにはほかの選択肢がないんだ。譲と練馬を倒して理想を生きるか、全てしくじりまた現実に戻るか。
でもそんなことはできないだろ、二度と現実を生きるのは嫌だろ、またここに戻るなんて嫌だろう。
(彼らが座るそれぞれのロッカーの扉にはたくさんの酷い落書き)
“ユ・チンタ(結城=ユ・ジンとチンタ(ダサい奴)を合わせている)” “消えろ” “スカしやがって” “なんで生きてんだ”
“臭い” “ゴリラ” “その髪はカビか?” “国へ帰れ”
“そばかすキモイ” “幼稚園からやり直せ” “哀れな奴ww”
(泣きながら結城が言う)
結城:だから頼むよ、どうか赤い紙を持ってきてくれ。
(現在:和民の目の前に、赤い紙が入った金庫を持つ譲がいる)
和民:〔いったいなぜ、あの男が持ってる?!〕
(その頃、バイクを停め能面が焦っている)
能面:クソっ!金庫はどこいった!
(あきれながら煙草を吸う譲)
譲:大事ならしっかり持っとけ。さてこれからどうする?俺の元に入るか、赤い紙を奪うか?
和民:甘い提案だね。過去の僕ならあなたに従ったでしょう。でも今は違う。あいつと約束したんだ、理想を生きていくって。
(上着を引きちぎる和民)
〔見える、あの男も疲れている〕
譲:俺を殺そうと思うこと自体が理想だ。
和民:確かにそうだが、それなら簡単です。理想を生きるために、あなたを越えなければ。
(髪をまとめ、殺気を帯びる和民)
507話 終わり。