ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。

日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。 

 

以下500話訳です。

 

 

淳助:この俺が何しに来たと思う?

 

(眼鏡を上げ、ニヤリと笑う淳助。立ち上がる天満)

 

天満:誰だアンタ?どうやって入り込んだ?警備の者が見張っていたのに…

 

淳助:俺か?ふつ~に門から入ったが?

 

(淳助の後ろには無数の手下たちが血を流し累々と倒れていた。スマホを片手にずかずかと土足で部屋に上がる淳助)

 

淳助:ここが寝室だな?

 

天満:な、何をしてる!今すぐ出て行け!

 

淳助:あ~気にすんな。ブツさえ見つけりゃすぐ出てくから。

 

天満:…ブツ?俺の家で何してる?

 

(淳助はスマホを肩に挟んで電話を掛けながら、部屋を物色している)

 

淳助:ったくめんどくせーな、高級人材にこんなことさせやがって…ああ俺だ。赤い紙なんてねーぞ、練馬。

 

(電話の相手は練馬だった。ボロい部屋ぶーちゃんの部屋?から通話している)

 

練馬:「赤い紙」がない?そんなはずはない、よく探すんだ、その家にあるはずだ。それとも天満泰治が隠しているのかもな。

 

淳助:いや、コイツも知らなっぽいけど?

 

天満:赤い紙って何なんだよ!!!

 

(背後から天満が飛び掛かる。鈍い音がし、気絶した天満を淳助が担いで家を出る)

 

練馬:どうした?

 

淳助:あ〜何でもね~、とりあえず天満泰治は連れてくわ。

 

練馬:どこへだ?

 

淳助:コイツから奪えるもんがタンマリある。あそこにブチ込めば一発で解決じゃね?

 

 

(裸で寝かされていた天満が目覚める)

 

天満:クッ!ここは…!

 

(天満が目にしたのは、無数の裸の男たちが血みどろで殴り合う修羅場だった)

 

天満:これはどういう…ここはいったいどこなんだ…?

 

(そこに制服姿で現れる結城)

 

結城:地獄ですよ。全国の犯罪者たちをここに閉じ込めたんです。ここで極悪人同士戦わせます。僕たちはここを無間地獄と呼んでいます。淳助さんと僕が共同で始めた初めての事業です。

 

天満:お前らは何なんだ!?俺が赤い紙か何かを隠したと思って拉致したのか!?悪いが俺ホントに赤い紙なんて知らねえんだよ!

 

結城:それは後でわかります。天満泰治さんが赤い紙のことを白状するまで、天満神明の財産権を放棄するまでここから出られません。

 

天満:何だと!?

 

結城:話はここまでにしましょう。どうぞ地獄で生き残ってください、選択肢はありませんよ。

 

(恐怖におののく天満)

 

 

(天倆中学の教室。ラブレターを未玖に差し出す男子生徒)

 

生徒:ずっと前から好きでした、木嶋未玖!

 

(髪が伸びダイエットに成功してスタイル抜群になった未玖が、うっとおしそうに見る)

 

未玖:消えな。

 

【あれから1年後。先生が逝って1年、あたしたちは元の生活に戻った】

 

未玖:太ってた時は見向きもしなかったくせに。

 

【あれ以来怪物が出るという山も探さず、人並みの平凡な学生に戻ったんだ】

 

(変わらずサングラスをかけてはいるが、おとなしく授業を受ける天倆ファミリーたち)

 

生徒:へへへ未玖、そんなこと言わずにもう一度…

 

【その中でも一番変わったのは】

 

埼玉:嫌だつってんだろ。

 

(その生徒を壁に叩きつける埼玉)

 

【埼玉貴仁だ】

 

未玖:埼玉!殴んなって!

 

【あいつはまた粗暴になった。また前みたいに戻った理由は簡単】

 

埼玉:嫌だね。

 

【あいつが変われた理由はそもそも先生のおかげだったから】

 

(その様子を見て生徒たちがヒソヒソ陰口をする)

 

生徒:見ろよ、埼玉だ。

生徒:天満神明様殺しの人殺し、恩知らずの怪物の目。

生徒:なんで警察に捕まらない?

生徒:証拠不十分で釈放だって。

生徒:殺人犯が学校に?

 

埼玉:誰だ!

 

(頭に来て生徒たちの方を見るが、その冷たい視線にたじろぐ。生徒たちの目がこう言っているように見える)

 

生徒:お前が陸壮史を殺した。

生徒:お前がキム・スジンを殺した。

生徒:陸壮史に何をした?

生徒:キム・スジンを守れなかったくせに。

生徒:人殺し。

生徒:怪物の目。

生徒:人殺し。

生徒:怪物の目。

 

埼玉:〔そうなのか?俺は怪物なのか?俺が殺した?〕…ちがう。俺は人殺しじゃねえ!!!怪物の目じゃねえ!!!

 

(その場を飛び出す埼玉)

 

未玖:…埼玉。

 

【埼玉は先生と同じ病気になってしまった。】

 

(柔道部の道場で生徒に十字固めを掛ける埼玉)

 

部員:くああああ!!!

 

先生:埼玉!!!今すぐ止めなさい!!!未玖の頼みで格闘家を受け入れてやれば悪さばかりしやがって!胸骨が折れたらどう責任取る気だ!?

 

埼玉:わあったよ~そう喚くなよ~

 

先生:お前、今度それやったら柔道部退部だからな!

 

埼玉:退部だろうが何だろうがご自由に~

 

先生:何だとこの野郎!

 

(未玖のとりまきの柔道部員が忌々し気に見ている)

 

部員:先輩!あのまま埼玉を野放しにしておくんですか!真の柔道家とは何かを叩きこまないと!そうでしょう先輩!叱り飛ばしてやってください!

 

未玖:もう少し見守ってみる…

 

部員:はい!?

 

未玖:アイツは今泣いてるだけなんたよ…

 

 

(カラオケブースでガラの悪い男が手下たちを前に座る)

 

男:おう、お前ら腹ごしらえは済んだか。

 

手下1:はい兄貴もお食事はお済みですか。

 

男:俺たちがここに集まった理由は?

 

手下:上納金の事です。前に我々の事業に参入してきた2人の怪物。奴らがソウルで上納金を要求してきまして。

 

男:何が問題なんだ?

 

手下1:上納金の額が法外なんです。ウチの地区だけでは上納金を集めきれません。地域を拡大しなければ不可能です。

 

男:目をつけてる地域はあるのか?

 

手下1:近場では天倆がおあつらえ向きです。

 

男:だがあそこは陸とかいう怪物がいるんじゃないのか?

 

手下1:その怪物が消えたそうで。今天倆は無主空山です。※所有者のいない山のこと。今すぐ俺たちのものにすれば上納金が納められます。

 

手下2:その通りです、兄貴、ご決断を。

 

男:じゃあ決まりだな。

 

手下1:ということは?

 

男:天倆を食うぞ。

 

(立ち上がる男)

 

 

(手下を引き連れ埼玉達の前に男が現れる)

 

男:なんだ、天倆は無主空山じゃなかったのか?守ってる奴らがいるじゃねえか?

 

(天倆のジャージを着てグラサンを掛け男をにらみつける埼玉たち。男たちに埼玉と天倆ファミリーが殴りかかる)

 

【先生、俺たちが天倆を守るよ。先生と過ごしたこの場所を誰にも奪わせやしない。見ててくれ。俺たちが守ってみせる】

 

(敵を全員倒した埼玉たち。倒れたまま男が埼玉に話しかける)

 

男:俺たちで終わりじゃねえぞ。

 

埼玉:え?

 

男:怪物が二人、地域を巡回してる。その怪物たちは地元のクルーに上納金を要求しててな。気の毒だが天倆は無主空山、守ってくれる奴は誰もいねえ。他のクルーもここを狙ってるぞ。天倆はあきらめた方がいいぜ、さもなきゃずっと戦い続けることになるぞ。

 

【戦い続けた。度重なる幾多の戦い】

 

(あらゆるクルーたちが襲い掛かり、戦い続ける埼玉達)

 

【俺たちにとって戦いはある意味遊びだった】

 

(ある時、また別の強敵の男に劣勢に追い込まれる埼玉達)

 

男:骨が折れたな、もう降参しろ。

 

埼玉:降参しろだと?

 

(ヘバりながらも、埼玉はガラスの破片を拾うとそれを自分の胸に突きつける)

 

埼玉:天倆をナメてんのか?

 

(埼玉同様、天倆ファミリーの4人もガラスの破片を自分の胸に突きつけると肌に「天倆」の血文字を刻む)

 

埼玉:「彼」がいた天倆だ。天倆はだれにも渡さねえ。

 

 

(その頃、無間地獄に放り込まれた天満も戦っていた)

 

敵:ヤバイ…

敵:この田舎野郎が…!

 

天満:田舎野郎?田舎モンが何だ?天倆をナメてんのか?

 

(天満も落ちていた破片で手の甲に「天倆」の血文字を刻むと、無数の敵に飛び掛かる)

 

天満:俺は天倆の天満泰治だ!!!

 

 

(天倆山。激闘の末男を倒した埼玉に、倒れた男が話しかける)

 

男:怪物。

 

埼玉:え?

 

男:なぜグラサンをかけてるのかと思えば目のせいか?この目の怪物野郎が。

 

(その瞬間、村人の冷たい目を思い出す埼玉)

 

埼玉:違う。

 

男:え?

 

ジェウたち:埼玉!!!やめろ!!

 

(埼玉はバイクを持ち上げ、男の頭上に振りかざす)

 

埼玉:俺は怪物なんかじゃねえ!!!

 

(その時脳裏に陸の言葉が蘇る「素敵な目じゃねえか」)

 

埼玉:ちくしょおおおお!!!!

 

(バイクをあらぬ方向に放り投げる埼玉。ジェウたちが埼玉を押さえつける)

 

ジェウ:埼玉やめろ!事件を起こすな!

 

埼玉:放せ。

 

ジェウ:埼玉?

 

(振りほどくと叩きつけたバイクの方へ力なく歩いていく)

 

【先生。会いてえよ。言ってくれ。もう一度言ってくれ】

 

“それにお前は怪物じゃないぜ。素敵な目じゃねえか”

 

【大丈夫だともう一度言ってくれよ】

 

(バイクの前に膝を突き、涙を流す埼玉)

 

埼玉:うわああああ!!!

 

(慟哭する埼玉の傍に立ち肩に手を掛けるジェウたち)

 

ジェウ:…埼玉、お前は怪物じゃねえ。

 

テボン:そうだよ、誰がお前を怪物だなんていうんだ。

 

ヒョンジェ:俺たちが傍にいる、俺たちがお前の先生になってやる。俺たちが助けてやるよ。

 

(その夜、天倆の果ての廃工場に集まる埼玉達。床には砕いたガラス片が撒かれている)

 

ウソク:今からヘッドを決める。天倆は無主空山だ、俺たちにはヘッドが必要だ。ヘッドを中心に団結しなきゃならない。誰かがトップにならなきゃならない。

生半可な覚悟なら抜けろ。ヘッドはそんな覚悟じゃ務まらねえから。ここで勝った奴が天倆の主になる。

 

(裸で腰に鎖をグルグル巻きにしてまわしにし組みあうジェウと埼玉)

 

埼玉:ケガするのが嫌ならあきらめろ。

 

ジェウ:あきらめる?お前こそ、天倆を守る自信がねえならあきらめろ。

 

埼玉:そうか、じゃあ仕方ねえ。

 

(埼玉がジェウを床に叩きつけたとき、誰かが工場に入って来る)

 

天満:へえ、天倆のヘッドを決めるって?誰が勝手に?俺抜きでそんなことを?

 

(髪を金末に染め、天倆のジャージを着て現れた天満)

 

天満:ひさしぶりだなみんな、元気にしてたか?その顔は何だよひどいなあ?まるで俺が殺人犯みたいじゃねえか?

 

埼玉:よく来てくれたな。

 

天満:ん?

 

埼玉:ずいぶん探したぞ、死んだんじゃねえかと心配した。俺が殺すつもりだったからな。

 

 

500話 終わり。