ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。
日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。
以下491話訳です。
(月光を背に、制服姿で飴をなめながら不穏に笑う伊崎)
伊崎:ユク・ソンジンさんですよね?天倆の王、ユク・ソンジン。この目で見るのは初めてだ。
(俊敏に飛び降り、間近にソンジンに顔を寄せる)
伊崎:なかなか強そうだ。練馬さんの頼みで来たけど、とんだ相手と戦うことになったなあ。
(血だらけで倒れている小島兄弟を見る)
伊崎:単身で小島兄弟を倒すとは、0世代の組のボスですら苦戦したと聞いたのに、ユク・ソンジンさんは彼らよりさらに強いみたいですね?
(ソンジンに歩み寄る伊崎)
伊崎:ユク・ソンジンさん、どうです?僕らの仲間になりませんか?
(驚く男巫女)
男巫女:あ…あの野郎!急に何を…!
伊崎:僕らは今、4大クルーというのを作ってるんです。それを管理する人材が必要な状況で。4大クルーの管理者は未成年にと思ってたけど、君がやってくれるなら考え直しましょう。おそらく先に決まったあの二人より適任のようだ。
どうです、4大クルーの管理者になりませんか?
(ニヤリと笑い、チュッパチャプスを差し出す。ソンジンはイチゴのタンフルを差し出しその肩をポンポンと叩く。険しい目でタンフルを見る伊崎)
ソンジン:これでも食って家に帰りな、学生さん。見ない顔だな、天倆に何しに来た?もう遅い時間だ、ママが心配してるぞ?
男巫女:〔練馬の奴、俺を馬鹿にしてるのか?刺客を送ると言うから待っていれば、聞いたこともないザコを刺客に送ってよこしおって?!伊崎志遠とは誰だ!何の実績もない奴じゃないか!〕
ソンジン:俺はあんたに興味はない。俺の目的はチョン・シンミョンだけだ。今日この悪縁を終わらせる。
(ジン・ムジンの帯を締め、男巫女に歩き出すソンジン。その瞬間伊崎が、片手をポケットに入れたまま軽い一撃でソンジンを殴り飛ばす)
伊崎:残念だな、いい友達になれると思ったのに。
(伊崎の一撃を掌で受けながら驚く)
ソンジン:〔速い、いや、強い!〕
(軽いひと蹴りで吹っ飛ぶソンジン、それを追い瞬時に蹴り込む伊崎をなんとかかわす)
ソンジン:〔何だ?なんて奴だ、チョン・シンミョンの部下にこんな奴がいたのか?〕
(驚愕するソンジンの頭上に高くかかと落としの足を振り上げる伊崎。その足がソンジンの肩にめり込む)
伊崎:外れたよ、あんたの肩。
(だがソンジンは伊崎の脇腹を掴んでいた)
伊崎:シルム?〔捕らえるためにわざと避けずに?〕
(渾身の力を込め伊崎を投げおろすソンジン)
伊崎:悪いけど。
(その背に手をつき倒立し、蹴り下ろそうと足を振り上げる)
伊崎:平凡なシルムは俺には効かないよ。俺に勝つにはジン・ムジンの…
(ハッとする伊崎。ソンジンの手がその骨を掴み地面に叩きつける)
ソンジン:効いただろ?
(起き上がりざまソンジンの顎を蹴り上げ、翻って頭を蹴り下ろす伊崎。ソンジンが地面に倒れ伏す)
伊崎:骨取りシルム、ジン・ムジンのシルム。なぜ君が彼のシルムを?
ソンジン:出させたぞ。
伊崎:え?
ソンジン:あんたの手。
伊崎:手?
ソンジン:ポケットに手ぇ入れたまま戦うなんて生意気なんだよ。
(フッと笑って飴をかじり捨てる伊崎)
伊崎:かわいいね。
(突っ込んでくるソンジンを飛び上がりかわす伊崎。ソンジンが後ろの木に激突する)
伊崎:タックルなんて成功すると思った?
ソンジン:誰がタックルだって?
伊崎:え?
(ソンジンは木に肩をぶつけていた)
ソンジン:できた。肩が入った。
伊崎:〔そうか、捕らえようとしたんじゃない、さっき外れた肩を入れたのか〕だいたいわかったよ、小島兄弟がやられた理由。君に彼らは力不足だった。
(半袖シャツを脱ぎ、Tシャツになり体をほぐす)
伊崎:君の実力は奇形的だね、神が作り間違えたように強い。そんな実力者がこんな田舎にいたとは、世界は驚きに満ちているよ。
でも君は俺には勝てない。君にないものが俺にはある。速さだ。
(ソンジンを蹴り飛ばす)
伊崎:人って可笑しいよね。俺はただ速いだけなのに、境地を超えたとか言って。
(滅多打ちにする伊崎)
伊崎:〔おっと、この男も超えたのか、耐える力の境地を〕
(伊崎の連打を鬼の形相で堪えるソンジン。反撃の一打を打ち込む)
伊崎:悪いけど、それじゃだめだ。技術でかわせるよ。
(その一撃を軽く足で跳ね返す)
伊崎:速さと技術、俺の財産はこの二つだ。
(その顔にソンジンの拳が襲う)
伊崎:!!
伊崎:〔かわせなかった?!耐える力だけでなく力まで?〕
(伊崎の口から血が滴る)
伊崎:すごいね、まさかここで2つを持つ人を見るとは。こういう戦いはもっと後になると思ったのに、俺の計画を修正しなきゃ。得るものが多そうだ。
(嬉しそうに笑う伊崎)
伊崎:〔信じられない、2つも持ってるなんて。俺と似てるじゃないか〕
ソンジン:さっきから境地がどうたらって、何なんだ?小恥ずかしい奴。
伊崎:〔思いのほか危険だけど〕
(ソンジンが殴りかかるが、足で跳ね飛ばす)
伊崎:でもダメだ、相手が悪かったね。同じ2つでも経験値の差がある。
ソンジン:〔クソっ、速すぎる。速いなら耐えて隙を狙う!〕
(伊崎のキックが顔面に決まる)
ソンジン:〔足でガードを?!先に攻撃をしないと!〕
(ソンジンのパンチを軽くかわす)
ソンジン:〔これも通じない?〕
伊崎:それじゃダメだ、君が俺に勝つには俺のスピードについて来ないと。
ソンジン:〔敵わないのか?〕
伊崎:だけど無理だろう?君が俺のスピードについて来るってのは、また違う境地を超えることだから。
(ソンジンを滅多打ちにする)
ソンジン:〔俺が負けたら、あいつらはどうなる?〕
伊崎:別の境地を超えるってことは、君の潜在能力が俺より高いってことだから。
ソンジン:〔ダメだ、負けるわけにはいかない〕
(気が遠くなりながら必死で伊崎の服を掴むが、伊崎はそれを振り切り高速のまわし蹴りを見舞う)
ソンジン:〔だがコイツは早すぎる。見えさえすれば。コイツの攻撃さえ見えれば!〕
(蹴とばされ意識が遠のくソンジン)
伊崎:恥じることはない、俺より強い奴はいなかったから。
(遠のく意識の中で思い出す。回想:まだ幼いソンジンに教え諭すジン・ムジン)
ムジン:いなかったぞ、俺が今まで見た中で、お前ほど潜在能力を持った奴は。ユク・ソンジン。俺はお前にすべてを教えた。教えたとおりに鍛えればお前は強くなる。一つ、いや二つの境地を超えるかもしれん。いつかは俺のレベルにまで到達するかもしれん、だがそれを開花させるのはお前の努力次第だ。
自分の目を信じろ、自分の手を信じろ、自分の足を信じろ。お前には、求めれば掴める才能がある。お前の、全てを信じるんだ。
(現在:遠のきかけた意識を気力で引き戻し、カッと目を開く。伊崎の蹴りを交わすソンジン)
“ムジン:素敵な手足じゃないか”
伊崎:速さが?偶然かな。
(素早くソンジンの背後に回るが、逆に背後を取られる。ソンジンが伊崎の体を掴んで地面に叩きつける。動かなくなる伊崎。驚愕する男巫女)
ソンジン:アンタより強い奴はいなかったって?
(ジン・ムジンの帯がたなびく)
ソンジン:ここにいるぞ。
491話 終わり。