ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。
日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。
以下487話訳です。
(敵に囲まれながら煙草を吸う譲)
譲:誰を殺せばいいのかをな。
男巫女:おお怖い、下の毛は生えてるのかい?お前たち、何をしている。あちらが殺すと言ってるんだ、殺して差し上げなさい。
(ヤクザたちが練馬に飛び掛かる。それを片手で打ち倒し足で踏みつける練馬。瞬時にほかのヤクザたちに突進し打ち倒す)
ヤクザたち:な…何なんだ!とてつもなく強いぞ!あの老いぼれ!
ヤクザたち:違う!普通の老いぼれじゃない!あの顔をよく見ろ!生きていたんだ!迫田甲竜組!副長・エリートが!!
ヤクザたち:チクショウ!なら別の奴を!
(振り向くと、他のヤクザたちを殴り飛ばす譲。呆然とするヤクザ)
ヤクザたち:〔気のせいか?なぜか奴が山崎総裁の姿に見えるぞ!?まさか…!〕
(そう思った瞬間、譲が小島弟に地面に叩きつけられる)
小島弟:総裁様が見えるほどとは、俺たちがお教えした時からずいぶん腕を上げられましたね、坊ちゃん。
【0世代 前山崎派「小島裕昭】
譲:…見慣れた背負い投げだ、小島裕昭か。だが妙だな、俺が強くなっただと?小島裕昭、まるで俺より強かったような口ぶりじゃないか?
(体を反らせゆっくりと起き上がる譲。一方では、小島兄が練馬の顔にパンチを見舞う)
小島兄:エリート、なぜお前が坊ちゃんと一緒にいる?どういう魂胆だ?
【0世代 前山崎派「小島茂昭」】
練馬:それがどうした?今大事なことはチョン兄さんが俺の弱点を握っていることだ。
譲:始めるぞ。
(譲が小島弟に突進し、小島兄が練馬に飛び掛かる)
譲:実力を見てみてえんだろ、軽く体をほぐすか。
(そのころ、天倆の山では、青い布を手に座る埼玉)
ソンジン:何をしてる。
埼玉:呪ってんだよ。
ソンジン:俺を?
埼玉:なんで先生を呪うんだよ。俺の母さんだ。
ソンジン:…自分の母親をなぜ呪うんだ。
埼玉:俺を捨てて死んじまったから。自分だけ楽になろうと無責任に一人で死にやがった。独りぼっちの俺がどうやって生きていくハメになるか知っていながら。母さんが残したのはこの髪留めだけ。だからこの髪留めに呪いをかけてやるんだ。
(その布には「ジン・ムジン」と書かれている)
埼玉:俺、母さんには地獄でもう一度くたばって欲しい。
ソンジン:…そんなことを言うな。
埼玉:ところで先生は家族は?
ソンジン:いない。
埼玉:ダチもいねえだろ?
ソンジン:…いる。
埼玉:嘘つけwww
ソンジン:本当だが?
埼玉:俺たち以外にダチがいんのか?
ソンジン:…信じたくねえなら信じなくていい。
(葦野原で手合わせをした練馬・譲と小島兄弟)
ヤクザ:スゲエ…これが強者同士のウォーミングアップか?まるで互角だ!割り込むスキが全くない!
男巫女:エリートと小僧が…小島兄弟と互角だと?〔互角ではない、我々の方が負けている。小島兄弟がこんなに苦戦するとは、0世代の時名を馳せた奴らなのに。さすがにすごいな、エリート〕
(練馬が小島兄にパンチを打ち込む)
練馬:確かに違う、譲に空道を教えた師匠だそうだな。鉄壁の茂昭。
(そのパンチを両腕で防御する小島兄)
男巫女:〔夜叉たちの実力は1世代の王たちより上、天下のエリートとはいえ容易にはできないはず。それなのに、あの小僧は何なんだ?〕
(小島弟と殴り合っている譲)
男巫女:〔あれほど強い夜叉を相手に耐えている?!実力は確かに夜叉より劣るはず!だが感じる潜在能力は夜叉をはるかに超えている!いったい誰の血筋なんだ!?〕
あの小僧…誰かに似ている気がするが…〔苦戦している。「鬼伝兄弟」が苦戦している!おそらく奴らは息が切れるまで戦うだろう。奴らをほおっておいていいのか?夜叉たちが無傷で奴らに勝てるだろうか?勝っても致命傷を負うんじゃないか?そしてその時、ユク・ソンジンが私を狙ったら?この戦いはお互い何の得もない、それは誰より練馬東介はよくわかっているはずだ。この戦いは私が止めなければ〕
男巫女:練馬東介。
(殴り合おうとしていた小島兄と練馬の動きが止まる)
男巫女:今日決着をつけるつもりか?
練馬:当然です。俺の弱点を奪うまでは帰れん。
男巫女:ハハハ、私が持っているお前の弱点がコピーだとしたら?
練馬:それも想定内でしてね、チョン兄さんを殺して原本を探すまでです。
男巫女:そうか、お前は私を甘く見ているな。
練馬:というと?
男巫女:お前がこの戦いに勝てたとしても、私を殺して帰ることはできんよ。
練馬:なぜです?
男巫女:コイツめ、私が誰だか忘れたのか?天倆の王だよ。私はこの数十年余りこの村の王として生きてきた。一般人はもちろん警察や消防隊員までが私のために動き私のために生きているのに、お前が私を殺して逃げ切れるとでも?私が死んだ瞬間、村人たちがお前を殺そうとするだろう。お前が彼らを振り切ってこの天倆を逃げ切れるかな?
お前たちの前に立ちはだかる村人を皆殺しにして無事に逃げ切れると?
練馬:何が言いたいんです?
男巫女:簡単なことさ、お前は私が生きている限り天倆を手に入れることはできん。だからこちらに狙いを変えてみないかね?共同開発だ。
お前が天倆を狙う理由は分かってる。私も天倆がどういう土地なのか知っている。
天倆の海は波が荒く、港をつくることさえできない。岩だらけの不毛の地はトンネルも掘れないほど硬い。開発には不向きな自然条件だが、ラグジュアリーリゾートを作るには最高の場所だと思わんか?この機会に同じ船に乗らんかね?
練馬:チョン兄さん、どういうことです?迫田甲竜組のエリートを相手にディールを仕掛ける気ですか?
(不気味に笑う練馬)
練馬:やはり話がわかるお方だ。
(その様子を気味悪そうに見る小島弟)
小島弟:…坊ちゃん、あんな男をなぜ選んだんです?あの男のために「あんなこと」を?断言しますがあの男は坊ちゃんを…
譲:よせ、お前が何を言おうとしているかわかってる。それ以上言うな。俺はもうあの男と盃を交わしたんだ。
小島弟:坊ちゃん…
譲:俺に何があっても、それもまた運命何だろう。この世のすべては結果だ。
(練馬と譲が背を向け去っていく。それを見つめる男巫女と小島兄弟)
男巫女:〔練馬東助、あのキツネめ。奴の狙いは最初からこの共同開発だった。天倆の共同開発が始まれば、これからは本当に目障りな奴を始末していかねばならんだろう。いや待て〕
(男巫女の脳裏にあの男の顔が浮かぶ)
男巫女:〔ユク・ソンジン〕
(山では天倆ファミリーのジェウたちを見て驚く未玖)
未玖:え?何よ?急にどうしたの、サングラスなんてかけて。
みんな:男ならグラサンだろ。
未玖:まさか埼玉のために?あいつだけ髪で目を隠してるから?あんたたち、感動しちゃうね。
ジェウ:ち…ちげーよ!埼玉のためじゃねえ!
埼玉:俺がなんだって?
ジェウ:おう埼玉!驚くなよ、俺たちお前のためにグラサンを…!
(そこに現れた埼玉を見て驚く。埼玉は、目を覆っていた髪を短く刈り込んでいた)
埼玉:髪切った、視界が開けたぜ。
ジェウ:ええ!?
ウソク:どうしたんだ埼玉!
ヒョンジェ:お前、目見えてて平気なのか!?
テボン:目のことで悩んでたろ!
埼玉:…もういいんだ。素敵な目だから。
(ソンジンに言われたことを思い出す)
埼玉:で、お前らそれ何なんだよww俺のために集団でグラサンかけてきたのか?
テボン:ちげえわ、勘違いすんなボケ!〔クソっ!感動させてやろうと思ったのに!こうなったらこの先ずっとグラサンかけなきゃなんなくなったじゃねーか!〕シルムだ!
埼玉:いきなり!?
(埼玉に飛び掛かる4人。だが次々に埼玉に倒される)
ジェウ:あれ?
テボン:わぁ?
ウソク:あれ?
ヒョンジェ:クソっ!いったい何なんだアイツ、一番後から習ったのに何で一番強ええんだよ!
埼玉:次はお前の番だ、象。
ウソク:心配するな、大将。どうせ未玖には勝てねえから。
未玖:誰が象だって、この野郎。
埼玉:クハッ!
(投げ飛ばされる埼玉)
ウソク:だが予想外だな、埼玉?
埼玉:まだ象に勝てねえじゃねえか、必殺技教えてくれよ先生。
ウソク:サボって怠けると思ったが、先生の指導によく従ってるよな。
(ソンジンとの稽古に励む埼玉)
(家の外、縁側で寝そべる埼玉)
埼玉:お休み。
少女:お兄さん、おやすみなさい。
(家の中から少女が答える)
少女:お兄さん。
埼玉:あ?〔寒いな〕
少女:今日は中で寝たら?
埼玉:ええ!!男と女は別じゃなきゃダメだ!
少女:そんなの気にしなくても…じゃあお兄さんは一生外で寝るの?
埼玉:あ…当たり前だ!
少女:それで風邪ひいたらシルムと空道習えないじゃん。
埼玉:そ…それはそうだけど…!
(しぶしぶ中に入るが、部屋の片隅で小さくなる)
埼玉:仕方ねえからここで寝る!
少女:布団一緒にかぶればいいのに…
埼玉:うるせえ、この悪魔!
少女:ふふふ。似合ってるね。
埼玉:何が?
少女:お兄さん、最近明るくなってカッコいいよ。
埼玉:…そうかよ。〔そうなのかな、本当に家族ができたから〕
(背を向けて布団に寝ている少女の隣に寝そべる埼玉)
埼玉:俺を捨てて勝手に死んだ母親の代わりに、先生に会えてたらよかったのに。
〔こんなに幸せでいいのかな〕マジで俺運がねえよなww
少女:…。
埼玉:あんな奴を母親と思ってたなんてよ、今頃地獄に落ちてんだろ。
(少女はその目で見たある光景を思い浮かべる)
少女:やめて。
埼玉:え?
少女:おばさんがどうして死んだのかも知らないくせに。
(少し涙ぐむ少女に、恐ろしい顔で迫る埼玉)
埼玉:お前、今なんて言った。何なんだお前、なんで俺の母さんを知ってる。お前は知ってるのか、何か知ってるんだな?俺の母さんが死んだ理由を。
(重眼の瞳から涙が流れる)
〔その子の言葉が、人殺しの始まりだった〕
487話 終わり。