ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。

日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。 

 

 

以下484話訳です。

 

(小島と対峙するソンジン)

 

ソンジン:俺がなぜ天倆の王と呼ばれるのかを。

 

未玖:先生!!気を付けてください!!奴らは強いです!!

 

小島:先生?

 

(小島が落ちていた串を拾う)

 

小島:おとなしくしてると思ったらこんなとこで遊んでたのか?村を離れて先生なんかして?

 

ソンジン:まさか、あいつらが勝手に俺をそう呼んでるだけだ。あいつらは俺と何の関係もない。

 

小島:そうかな?

 

ソンジン:俺の山に何の用だ?不可侵の約束を破るつもりか?

 

(小島が串をソンジンの顔面に投げる。ソンジンは手に持ったリンゴでそれを受ける)

 

小島:それを破ったのはそっちだろ。村人はすべて男巫女の所有物だ。それを承知で埼玉を匿ったのか?先に宣戦布告をしたのはお前だろ?

 

ソンジン:…埼玉?俺は誰も匿っちゃいねえ。

 

小島:シラを切るな。なら何であいつがここに居る。

 

ソンジン:俺が知るかよ。

 

埼玉:〔俺のせいだ。最初からあいつらに従っていればよかったのに俺のせいでこんなことに。素直に言うことを聞いてればこんなことにはならなかった〕

 

小島:山を下りろ。

 

(小島が間近にソンジンをにらみつける)

 

埼玉:〔どうしたらいい?〕

 

小島:山を下りて夜叉になれ。

 

ソンジン:…。夜叉?夜叉はテメエらだろ。

 

小島:夜叉とは男巫女を守る者、俺たちの次の夜叉になれという意味だ。男巫女の息子天満泰治が成長し、そろそろ男巫女を継ぐ時期。次の男巫女を守る夜叉が必要だ。俺たちの次に夜叉になるのはお前だけだ。今の生活をやめてまた村に戻り、夜叉になれば男巫女もお前を許すだろう。

 

ソンジン:茂昭。まだわからないのか?あの時言ったはずだ。また俺に手を出したら殺すと。

 

テボン:〔何て言ってるんだ?〕

未玖:〔日本語?〕

 

ソンジン:俺に夜叉の教育をしたお前らの間違いだな。

 

小島:天満泰治の夜叉に育てたのに今更嫌だと?飼い慣らせない犬は殺すしかないな。

 

(互いに戦闘態勢になる)

 

ソンジン:殺したらすぐこの山に埋めてやる、小島茂昭。

 

小島:遺言はそれだけか?ユク・ソンジン。それじゃ…

 

埼玉:行かないのか?

 

(二人の間に割り込む埼玉)

 

埼玉:おい儀式に行かね~のかよ。

 

小島・ソンジン:??

 

小島:…お前は?

 

埼玉:巫女が俺を探してんだろ?ここで油売ってていいのかよ?この人は俺を匿ったんじゃねえよ?俺が勝手に山に登ったんだ。アタシのために争わないで~

 

ソンジン:…お前…

 

(先に歩き出す埼玉)

 

埼玉:早く来いって、日本人のオッサン!巫女に怒られても知らねえぞ!?夜叉をクビになってもいいのか!?

 

小島:…ユク・ソンジン。いつまでこんな生活をするつもりだ。ここを引き払って山を下りれば男巫女がお前の人生を変えてくれるだろう。お前が山を下るときは夜叉になるときだ。わかったな。

終わりました。行きましょう、天満泰治様。

 

(天満がそこまで来ていた。埼玉の姿を驚いてみている)

 

天満:〔なんだよ、埼玉がなぜここに?ソンジンと知り合いか?埼玉がなぜソンジンと?二人はいつから親しくなったんだ?埼玉は俺の所有物なんだが?ゆくゆくは俺が使う生贄だぞ?ソンジンも俺の所有物なんだが?ゆくゆくは俺の夜叉になる奴だぞ?なんだこいつら、野良犬同士で何を企んでる?この俺を差し置いて?〕

 

 

(自宅にいる男巫女のもとに誰かが訪ねてくる)

 

部下:お客様が来られました。

 

男巫女:客?

 

(その客は練馬だった)

 

男巫女:これは!急にどうしたんだい、東助!

 

練馬:チョン兄さん。

 

【0世代 迫田甲竜組「練馬東介」】

 

(居間で談笑する二人)

 

男巫女:ハハハ、こいつ!先に連絡してくれれば!こんな突然にくるなんて!

 

練馬:いやいや、いきなり会いに行った方が喜んでくれるでしょう。

 

男巫女:またまた、あいかわらず口は達者だなあ!

 

練馬:全部兄さん譲りですよ。

 

男巫女:事業を始めたんだって?ずいぶん羽振りがよさそうじゃないか!

 

練馬:見てくれだけで、心労だらけですよ。でも天倆にくると癒されます。

 

男巫女:天倆は良いところだろう!私が苦労して作り上げたんだ!

 

練馬:それは言い過ぎですね、ここを一人で作ったわけじゃないでしょう。

 

男巫女:…東助?

 

練馬:兄さんの今の地位や、そんなに偉そうに振舞えるのは、全部山崎派のおかげでしょう?そして、小島兄弟を筆頭としたヤクザたちが兄さんから金をもらって働いてるからじゃないですか。

 

男巫女:…ほほう、面白い。何が言いたいんだ?

 

(真顔になる男巫女)

 

 

(山では未玖たち天倆ファミリーが話している)

 

未玖:気になるなあ。

 

ジェウ:夕飯が?

 

未玖:ぶっ殺す。さっきの埼玉が気になるのよ。

 

ジェウ:…確かに。被害を与えないようかばってくれたみたいで…

 

ソンジン:気にするな、どうせ奴は男巫女の味方だ。

 

ジェウ:先生!?

 

ソンジン:茂昭があんなに探し回っていたのを見ただけでわかる、奴も同じように洗脳された奴なんだろう。

 

ジェウ:男巫女の味方じゃないはずだけど…

 

ウソク:でも埼玉も気の毒だよな。

 

ヒョンジェ:埼玉が?あの性格破綻者のどこが?

 

ウソク:アイツがああなったのは分かる気がする。あいつ母親を亡くしてるだろ。

 

ヒョンジェ:マジで?

 

ウソク:元は埼玉ソウルにいたんだって。でも病気を治せないかと天倆に来たんだよ。そしたら急に母親が自殺したみたいだ。

 

ヒョンジェ:何て病気だっけ…?

 

ウソク:瞳孔過多症?

 

ヒョンジェ:瞳孔過多症?

 

ウソク:みんな知らないんだな、ここではずっと髪で隠していたから。男巫女のインチキ劇を引き立たせるのにおあつらえ向きの病気じゃないか。守る人もいない埼玉はそうやって生贄になったのさ。

 

テボン:生贄?

 

ウソク:お前それも知らなかったのか?埼玉は男巫女に無理やり儀式に連れ出されて生活してるじゃないか。

 

(その話を黙って背中で聞くソンジン)

 

ウソク:俺ならとっくに自殺してるよ。

 

(そのころ、儀式に裸で引き出される埼玉)

 

男巫女:祈り奉る、祈り奉る、赤子の神に祈り奉る!!!怪物の目を持つ子供を捧げます!村の厄災をお祓いください!

 

埼玉:〔いつまでだろう。いったい俺はいつまでこうやって過ごさなきゃならないんだろう〕

 

(舞い踊る男巫女と群衆。突然埼玉が叫ぶ)

 

埼玉:クソっ!!!こんなもん信じるなよ、洗脳されたマヌケども!!!こんなのはインチキだ!!!神通力なんてねえ!!!アイツはただの詐欺師なんだよ!!!お前らを金ヅルとしか見てねえ!!!頼むから目を覚ませよ!!!儀式で不幸はなくならねえ!!!本当の世界は天倆の外にあるんだ!!!

 

男巫女:洗脳された。

 

埼玉:え?

 

男巫女:こいつは悪魔に洗脳されてしまった。

 

(信者たちが一斉に埼玉に飛び掛かり、殴る蹴るの暴行をする)

 

信者:この野郎!天罰だ!

信者:よくも儀式を台無しにしてくれたな!?

信者:赤子神様の悪口を言う気か!?

信者:死ね!死んじまえ!

 

埼玉:〔これでいいのかもしれない。今日死のう。死ねばこれで俺も天倆から逃げられる〕

 

信者:お前みたいな奴は死ぬしかない!

信者:生贄のくせに男巫女様を罵りやがって!!!

 

(信者が大きな石を埼玉の上に振り上げたとき、小石が飛んできて石が砕け散る。投げたのは現れたソンジンだった)

 

信者:な…なんだ?

信者:あいつは?ユク・ソンジンじゃないか?

信者:なんでソンジンが降りてきたんだ?

信者:山に住んでるんじゃなかったのか?

 

男巫女:…そうか、お前が来ると思っていたぞ。夜叉になる約束を果たしに来たんだな?泰治には護衛が必要だ。お前はその役にふさわしい。挨拶しなさい、泰治、これからお前を守るユク・ソンジンだ。

 

天満:ついに…!

 

(立ちはだかる護衛たちがソンジンに倒される)

 

ソンジン:違うね。夜叉なんかじゃねえ、俺が山を下りた理由はただ一つ。生贄、いや埼玉貴仁を連れていくために来たんだ。

 

(埼玉の前に立つソンジン)

 

ソンジン:だがすぐというわけじゃない。お前は自分で選んでここに来た。お前が自分の口で助けてと言ってくれ。

 

埼玉:た…た…助けてくれ?俺がいつ助けてくれなんて言ったよ!?くだらんこと言ってねえで消えろ!俺はここで死ぬんだ!

 

ソンジン:…そうか、わかった、帰る。

 

(背を向け歩き出すソンジン。その姿を見送りながら立ち尽くし、これまでの辛い出来事を思う埼玉。埼玉の目から涙が流れる)

 

埼玉:…助けてください、先生…。でも…どうして俺みたいな怪物を…

 

(その時、ソンジンに護衛のヤクザが剣で襲い掛かる)

 

ヤクザ:朝鮮人が!!

 

(それを簡単に制圧するソンジン)

 

ソンジン:俺も同じだったからだ。俺も…お前のような生贄だったから。

 

(ソンジンの姿に、昔目の前で儀式で石を投げられていた子供の姿が重なる。ソンジンの手の指は6本だった)

 

ソンジン:それに、お前は怪物じゃないぜ。素敵な目じゃないか。

 

(取り囲むヤクザたちに向かう)

 

ソンジン:聞け、ヤクザども。埼玉は俺が連れていく。見過ごせとは言わん。不可侵の約束は俺が破る。掛かって来るなら勝手にしろ、チャンスをやる。だが、かかって来るなら、一晩中吐かせてやるぜ。

 

(六本の指にテープを巻き、構えるソンジン)

 

【1世代 天倆の王 六王「ユク・ソンジン」】※ユク=六の意味がある

 

 

464話 終わり。