ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。

日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。 

 

 

以下481話訳です。

 

 

(一姟会の校長室。伊崎が結城たちの前にUSBメモリーを差し出す)

 

伊崎:これが先ほど言ったUSBです。真白心を拉致する練馬を撮影しました。これで練馬を破滅させることができますよ、結城さん。

 

結城:いいでしょう、これは僕に任せてください、僕が準備したものと合わせて練馬を攻撃します。

 

(USBに手を伸ばした結城の手を遮る)

 

伊崎:待って。

 

結城:何です?

 

伊崎:結城さんが萩間を連れてきたんですか?

 

結城:それが何か?

 

伊崎:そうなんですね。僕も萩間を探していた、君はなぜ萩間を探したんです?

 

結城:練馬の弱点と僕個人的なことのためです。個人的なことは言いたくない部分なので。言いたいことは何ですか?

 

伊崎:萩間さんの居所を教えてください、俺には今彼が必要なんです。

 

結城:申し訳ないですが教えられません。

 

(伊崎がUSBを引っこめる)

 

伊崎:そうですか。

 

結城:…伊崎さん?

 

伊崎:USBは渡せませんね。

 

結城:何の真似です?

 

(結城が鋭い目で睨む)

 

伊崎:結城さん、考えてもみてくれ。俺たちお互いをこんなにも信じていないのにどうやって一緒に働くんです?

 

結城:伊崎さん、ということは、あなたはそのUSBで利があるということですか?伊崎さんやはりあなたは…

 

伊崎:結城さん、冗談です。

 

(笑って伊崎がUSBを差し出す)

 

伊崎:俺たちはもう練馬を倒すという同じ船に乗った仲。今不協和音を出しても良いことは何もない。俺は練馬を倒せさえすればいい、あなたが嫌なら萩間を探すのは止めましょう。

 

結城:あなたの意図がわかりませんね。

 

伊崎:俺はちょっと複雑なことを追っているんでね。

 

(戸惑いながらUSBを受け取る結城)

 

結城:…萩間さんは一姟会本社にいます。

 

伊崎:本社?

 

結城:でも伊崎さんに会える状態じゃないです。

 

伊崎:何故?

 

結城:彼は気がふれているんです。

 

伊崎:どういうことです?

 

(USBを和民に渡す。和民がUSBをもじゃもじゃ髪の中に刺して隠す)

 

結城:過去の出来事にまつわる特定の単語が出ると発作を起こします。伊崎志遠という名にも発作を起こすので、その本人に会ってもまともな会話ができないでしょう。

でもご心配なく、懸命に彼のケアをしています。じき発作が良くなればその時にお呼びしましょう。

 

伊崎:いや、彼と会うのはもういい。

 

結城:はい?

 

伊崎:とうとう気が狂ったのか。

 

(髪が顔を隠しその表情は見えない)

 

結城:どういうことです?

 

伊崎:俺は迫田甲竜を殺した。萩間さんの気がふれたのはそれが大きな理由だ。そんな俺がどうして彼に会えます、会うのは諦めます。

 

結城:…伊崎さん、迫田甲竜の名が出たので一つだけお聞きします。ソウルの王とはどういう人です?

 

(伊崎が足を止め振り向く)

 

伊崎:それが何か?

 

結城:萩間さんに色々なキーワードを言って反応を見る実験をしたんですが、その中で「ソウルの王」に特に大きな反応を示したんです。

 

(スッと伊崎の傍に立つ結城)

 

結城:「俺の父を殺した奴」背徳者だと罵り怒りを爆発させたのです。それで気になったのは伊崎さん、迫田甲竜殺人事件の犯人は複数だ。ソウルの王もその加害者の一人ですか?

 

伊崎:結城さん。

 

結城:はい?

 

(結城の肩を掴み後ろからほほ笑みかける)

 

伊崎:練馬を倒すことだけに集中しましょう。それ以上調べたところで良いことは何もないですよ、特に奴のことでは。でも怖いなあ、結城さんは友人の真白心が行方不明だというのにずいぶん冷静ですね?普通友人の心配が先なんじゃないですか?

 

結城:何を言ってるんです、とてもショックですよ。

 

(うつむいたその顔は笑っている)

 

伊崎:話はその辺にして、USBはもう警察に渡すんですか?

 

結城:まだです。練馬を刑務所に送る証拠がまだ一つ残ってます。

 

伊崎:まだあるんですか?どんな証拠です?

 

結城:人を送ったので持ってくるでしょう、あの天倆から。

 

 

(天倆駅に着いたぶーちゃん)

 

ぶ蛍介:〔着いた。一姟会と同盟を組んで結城に言われて来るなんて。共に練馬を倒すことにしたから仕方ないけど。天倆か、前に友達と来たことがある、また来ることになるなんて〕

 

(イケメン蛍介が流星や明里たちと来て海で遊んだ時のことを思い出す)

 

ぶ蛍介:〔稲妻おじさんも天倆に来れば真実がわかると言った。とりあえず来たけどどこで何から始めればいい?〕

 

(その時ぶーちゃんの目の前を、いかつい強面の男たちが通りかかる)

 

男:遅れちまったな?

男:遅れたから何だ、来たからいいだろ。

 

ぶ蛍介:〔え?あの人たちは何だ?うわ…ものすごい威圧感だ、この辺りを牛耳るヤクザかな?でも全羅道の方言のような?〕

 

(そこに別のグループの男が現れる)

 

別の男:おい、退け。※慶尚道の方言と思われる

 

ぶ蛍介:〔こっちからも?〕

 

(バスできたまた別のグループ)

 

別グループの男:田舎もんどもがうるせえな。

別グループの男:事を荒立てるな。

 

ぶ蛍介:〔あっちにも?〕

 

(大勢のガラの悪い黒服のヤクザたちが集まっている)

 

ぶ蛍介:〔この人たちはここの人間じゃない!各地からヤクザたちがなぜ天倆に!?いったい何が起こってるんだ!〕

 

(後ずさったぶーちゃんの尻が止まっていた派手なスポーツカーに軽く当たる)

 

ぶ蛍介:すみませ…

 

車の男:傷がついた。

 

ぶ蛍介:…は?

 

車の男:傷がついたってんだよ。この車買い取れや。

 

ぶ蛍介:いやそれはちょっと…

 

車の男:こいつシラを切る気か?ドライブレコーダーで撮ってんぞ。ラッピングしたてなのに傷つけてくれたな。どうする、警察行くか?それとも買い取るか?

 

(金髪の派手な男が降りてきてぶーちゃんを睨む)

 

ぶ蛍介:〔なんだこの威圧感は!?〕け…警察行きましょう!僕は何もしてないですから!

 

車の男:バーカ警察ってどこの警察署だよ。厄介かけんじゃねえ。

 

ぶ蛍介:行こうって言ったくせに行かないのか!そうか自信がないんだな!

 

車の男:騒ぐな、はた迷惑だ。よしみでマケてやる。

 

ぶ蛍介:今日初めて会ったのに何のよしみだ!

 

車の男:じゃあ傷はどうしてくれる。

 

ぶ蛍介:とにかく買わないから!こんなダサい車誰が買うんだ!

 

(車の男がぶーちゃんの首を掴み瞬時に組み伏せる)

 

車の男:今なんて言った。クソ車ってか?

 

ぶ蛍介:〔なんだ今の力は…!〕クソ車なんて言ってませんよ…?

 

車の男:…ちょっと待て、お前未成年か?

 

ぶ蛍介:そうですけど?

 

車の男:19か?

 

ぶ蛍介:18です。

 

(パッと手を放し背を向ける男)

 

車の男:じゃあ車は売れねえな。

 

ぶ蛍介:いったいあなた…

 

車の男:19になったら買え。まあ今日はお前が大人でも売らなかったけどな。

 

ぶ蛍介:…はい?

 

車の男:そういう日だから。

 

ぶ蛍介:そういう日?

 

車の男:悲しい日だ。

 

(男が手を上げて立ち去る)

 

 

(天倆山。黒いスーツで手を合わせ立つ池宮。【1世代 大邱の王「池宮将功」】その前に黒塗りの車が止まる)

 

池宮:…来られましたか。いい車ですね、うちの寺に積善されてはいかがかな?門馬達治。

 

【1世代 安山の王「門馬達治」】

 

門馬:笑わせるな、てめえの財産を仏に寄進してから言え。

 

池宮:拙僧は無一文ですが?

 

門馬:タンマリ持ってやがるくせに。他の奴らは?

 

池宮:今後ろに着いたでしょう。目があるなら見えるでしょ、ああ、片目だから見えないんですね。

 

門馬:どうやらテメエとは今日決着をつけなきゃならんようだな。

 

池宮:ようこそ、水原の王。

 

(また黒塗りの車が着き、石頭が降り立つ)

 

【1世代 水原の王 「石頭園之」】

 

石頭:久しぶりだな。

 

池宮:ようこそ石頭。

 

石頭:他の地域は?

 

門馬:じき来るだろう。

 

池宮:恐れながら、到着されたようです。平沢の王。

 

(車から降り立つ平沢の王)

 

【1世代 平沢の王「ホ・ドクス」】※平沢の王の和訳名ありましたっけ?

 

平沢の王:久しぶりだな。

 

池宮:城南の王。

 

城南の王:ずぶん老けたな。

 

【1世代 城南の王「コ・ジンヨン」】

 

門馬:では忠清は…

 

石頭:代わりに来ると言ったぞ、奴の弟たちが。

 

(兄の遺影を持って現れる玄慈と文慈)

 

【2世代 忠清「角津玄慈」】【2世代 忠清「角津文慈」】

 

文慈:こんにちは、先輩方。亡き兄の代理で来ました。

 

池宮:ようこそ。釜山は不参加です。

 

門馬:今度もやはりか。

 

池宮:代わりに彼が来るそうです。

 

門馬:彼とは?

 

池宮:ほらあの彼ですよ。

 

(その時、門馬の後ろから猛スピードで車が突進してくる。それはぶーちゃんにインネンをつけたあの車だった。瞬時に飛びのきボンネットに拳を打ち込む門馬)

 

玄慈:あれは…!

 

(車の男が降り立つ)

 

車の男:傷がついた。いや…これは傷じゃねえ…

 

門馬:すまん、クソ車が来たら壊す癖があってな。

 

車の男:そうかよ?

 

(怒りに震える男)

 

車の男:謝らなくていい、お前がこの車を買ってくれれば済む。

 

門馬:それもすまんな、クソ車を買う癖はねえ。

 

池宮:お二人の仲が悪いのは分かりますが、今日の日が日ですからその辺でおやめになってはいかかです、仁川の王。

 

(車の男は仁川の王だった)

 

【1世代 仁川の王「ナ・ジェギョン」】

 

ジェギョン:じゃあ俺の車買うか?

 

池宮:クソ馬に言ってください、我々が集まった目的はケンカすることじゃありません。天倆王の命日のためです。

 

(天倆山頂が見えるところに集まっていた池宮たち。それを上から見下ろす男がいた)

 

埼玉:ふうん、年寄りども、今日もあんなに集まったのか。

 

【2世代 天倆の主「埼玉貴仁」】

 

埼玉:スゲエ奴が死んだんだとさ、そうだろ?天倆の王。

 

(そこには古い小さなトタン小屋がある)

 

埼玉:〔天倆〕

 

(埼玉の回想:奇抜な赤い宗教装束を纏った男巫女が飛び跳ねながら叫ぶ)

 

男巫女:祈り奉る!赤子の神に祈り奉る!赤子の神に祈り奉る!生贄を捧げます、この災いを払い給え!

 

〔そこは地獄〕

 

男巫女:赤子の神に祈り奉る!赤子の神に祈り奉る!

 

(信者たちが輪になり手をつなぎ踊る)

 

〔1世代と〕

 

(その中に大木の前で、供物と一緒に裸で座らされたまだ幼い埼玉)

 

男巫女:生贄を捧げます、この災いを払い給え!

 

〔俺の物語〕

 

男巫女:あの化け物を捧げますから!!!

 

【埼玉貴仁(8歳)】

 

 

 

481話 終わり。