ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。

日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。 

 

 

以下480話訳です。

 

 

(譲の目の前に盃を差し出す)

 

淳助:練馬を捨てて、俺と一緒に来い。でなければ、今この時からお前は敵だ。

 

(盃を見つめる譲)

 

譲:盃事というのは、盃を交わし合って同じ道を歩もうということ。俺の世界では血の契りをかわすという意味だ。悪いが淳助、俺はもうほかの奴と飲み交わした。

お前との盃はもう飲んだ、二度飲むつもりはない。

 

(寂しげに見える譲)

 

淳助:…そうか。残念だな。お前の言うとおりだ。今この時からはさっき言ったように、俺たちは敵同士だ。

 

(月を見上げ、立ち上がる淳助。手を上げ歩き出す)

 

淳助:行くわ。

 

(木彫りを続けながらその背中に声をかける)

 

譲:俺は酒をあまり飲まない。お前だから飲んだんだ。

 

淳助:俺だからなんて、ようやくダチになれたみたいだな。次に会う時は殺し合いだぞ。

 

(悲しげに笑う淳助)

 

 

(ホステル。芹那のビルの食堂で、夕食を前に黙り込むホステルの面々。芹那がテーブルを叩き叫ぶ)

 

芹那:アンタたちねえ!!ちょっとユルすぎるんじゃないの!アイツはまた何でいるのよ!

 

(今度は玄関に安城が座り込んでいる。安城は聡と戦った時のことを思い浮かべる。回想:地面に倒れた安城を見下ろす聡)

 

聡:お前は負けたんだ。いい加減にしてくれ。何度挑んで来ても無駄だ、お前はまだ俺には勝てない。お前がアライドに入ったのは、安山を攻撃した俺に復讐するためだろう。俺の家族のためにお前の家族である安山を攻撃した、だが謝る気はない。俺は俺の家族のためなら今でも同じ選択をするからだ。だからもう安山に戻れ。

 

(背を向け立ち去ろうとする背中に声をかける安城)

 

安城:ふざけるな、今回でまだたった3度目だ。3度倒れても俺は諦めん、4度目の太陽が昇るからな。

 

(ゆっくりと立ち上がる安城)

 

安城:皆に約束したんだ、お前を倒すまでは帰らねえと。安山が見ているんだ。

 

 

(現在、安城の前に食事を持ってくる聡)

 

聡:お前、寝る場所はあるのか?

 

安城:いや。

 

(鋭い目つきで聡をにらむ。皿を置いてため息をつく聡)

 

聡:俺を倒すという奴を泊めなきゃならないなんて、これも俺の行いの報いかな。歓迎するよ、俺に勝つまでここで気兼ねなく過ごしてくれ。部屋も空いてるから一つ提供するよ、分からないことがあれば聞いてくれ。

 

(安城のものになった6号室の部屋のドアにはたくさんの伝言メモが貼られている)

 

“安城玄斗!ようこそ~!:最強のママ芹那”

“ありがとう”

“今日の皿洗いはお前がやれ:佐渡澤渡元弥”

“わかった”

“家に帰らないの?:無記名(エリカ?)”

“勝つまでは帰れん”

“家出ファミリーに謝れ:無記名(太郎?)”

“わかった”

“パパに挑むのはもうやめて:伊織(=ナンテネ)”

“いやだ”

“お兄さんカッコいい♥:彩芽(=ウケル)”

“100点”

 

 

(一姟会では騒ぎが起こっていた)

 

結城:何ですって!?あの戦いの後、心と連絡が取れない?

 

手下:そうです。普段からもあまり連絡は来ない方ですが、あまりにも長い間連絡が取れないのでご報告を。何かあったのではないでしょうか?

 

結城:行ってみましょう。

 

手下:我々が行きますが…

 

結城:嫌な感じがするので、精神病棟に行ってみましょう。心配は無用です、何かがあった可能性は低いので。たとえ心に何かあったとしても彼の兄が守るでしょうから。

 

 

(少し前:倒れたまま動かない兄にすがって泣く真白)

 

真白:一心兄さん!しっかりして一心兄さん!いったい何をしてるんだ!今、何をしてるんだ、練馬会長!

 

(真白の前に現れた練馬。手にしたスマホの画面を見て笑い、ポケットにしまう)

 

練馬:No.1はすごいな、思いのほか手を焼いた。君のスマホは預かっておく。なぜ私がこんなことをするのか知りたいかね?理由は簡単だ、一姟会で人を一人隠していただろう?萩間真栄だよ。

 

(真白ににじり寄る練馬)

 

練馬:私がその友人をどれほど探していたことか、連れていたなら教えてくれてもよかったのに。

 

真白:あなたがなぜ萩間を…

 

(練馬が真白に耳打ちする)

 

練馬:他のことはどうでもいい、一つだけ聞こう。真白心。萩間は私について何か話したかね?

 

真白:いえその…何も聞いて…

 

練馬:ないというだろうが、私はその言葉を信じない。あるといっても信じない。正気の状態で言う君の言葉など信じられん。拷問しながら真実を聞くことになるだろう。

 

(真白の眼鏡をはずし、口に無理やり押し込む)

 

練馬:萩間はここに居た、そして君とも知り合いだった。私は二人の会話が気になる。萩間と話したすべての会話を聞かせてもらおうか、私の疑念が解けるまで。

 

真白:あ…あなたは…こんなことしてただで済むと…?何してもかまわないのか!大企業の会長がそんなことをして!?

 

練馬:大企業の社長は人を殺しちゃいけないのか?

 

真白:何?

 

練馬:そもそも…

 

(その時、背後からNo.1が拳を振り上げ、練馬を地面に叩きつける)

 

真白:一心兄さん…!

 

練馬:ほう、これは面白い、どうやって起き上がった?絶対に起き上がれないほど踏みつけておいたのに。それよりも驚くのは、今の君のその行動だ、まるで弟を守るように立っているね?

 

(涙を流しながら真白をかばうように立つNo.1)

 

練馬:そうか、たとえ自分を怪物にした弟でも、それでも愛するというのか。よかろう、弟を守るがいい。だがしっかりと守らねばな、君が倒れた瞬間弟は死ぬ。

後始末は心配するな、今日のことは誰にも分らん。私は証拠隠滅には自信があるのでね。

 

(悪魔のように笑う練馬)

 

 

(第1系列会社に着いた結城たち。血しぶきとひび割れた跡のある部屋を見つける)

 

手下:こちらです、激しい戦いの跡があります。

 

結城:何者かが真白心を連れ去ったと?

 

手下:そうです。

 

結城:監視カメラは確認したのか?

 

手下:それが…すべての監視カメラデータが盗まれました。誰かが侵入してハードディスクを持ち去ったようです。

 

結城:警察は?

 

手下:すぐ捜査にかかるそうです。

 

結城:外部にある監視カメラも確認してください。それ以外に目撃者もいるはずです。

 

手下:それが…この地域一帯が停電していたので難しく…

 

結城:停電?

 

手下:何者かが変圧器に追突したらしく、その犯人もまだ捕まっていないと…

 

和民:結城、誰が真白を連れ去ったんだ?

 

結城:闇の大企業の会長さ。

 

和民:練馬東介?練馬がなぜ?

 

結城:“後ろ暗ければ尻餅をつく”。※後ろめたいことがあるとそれを隠そうと怪しい行動に出てバレるということわざ。萩間は練馬の弱点を握っていて、練馬は何年も萩間を探していた。その弱点が何なのかは僕も知らない。練馬の話になると発作を起こすからだ。

萩間はここ数年、僕ら一姟会が隠していた。そして練馬はその事実を今回知ったはずだ。アライドが萩間を見つけた。情報の早い練馬はそれを見逃さなかったのだろう。

練馬は不安だったんだ、萩間が自分の弱点を誰かに漏らしたのではないかと。だから真白心を拉致したんだろう、真白は練馬の弱点なんか知らないはずなのに。

そして何より綿密に仕組まれたこの現場。証拠隠滅は練馬の得意技さ。

 

〔さてどうする?犯人は練馬で間違いない、だが奴が証拠を残すはずはない。証拠さえあれば練馬を刑務所に送ることができる、だが証拠をどこで探せばいい?チャンスが来たのに〕

 

(思案する結城。その時スマホが鳴る)

 

結城:〔これは?〕伊崎志遠さん?

 

(バイクを駆りながら結城に電話している伊崎)

 

【1世代 「伊崎志遠」】

 

伊崎:結城さん、もしかして真白心が行方不明に?

 

結城:なぜそれを…

 

伊崎:君も練馬の仕業だと思ってるだろう?

 

結城:ええ、練馬には真白心を拉致する理由がある。でも証拠がなく難しい状況です。

 

伊崎:俺は証拠を持っています。

 

結城:何ですって!?

 

伊崎:落ち着いて、結城さん。俺は練馬が野畑久と角津幹慈を殺したと確信して、その時から練馬の一挙手一投足を監視してきました。そんな中、地域で停電が起きた。誰かが変圧器に突っ込んだことが原因でした。暗闇となった街は瞬時に麻痺し、同時に病院に不審者が侵入した。侵入者は真白心とNo.1を制圧し、監視カメラのハードディスクを盗みだしました。外部の監視カメラは停電で故障し、周囲も暗く目撃者もいなかった。

でも知らなかったでしょうね、僕が監視していたことは。練馬が真白を拉致する姿を撮影したんです。

 

(真白を担いで建物から出てくる練馬の上空で待ち構えるドローン)

 

結城:練馬も迂闊でしたね。

 

伊崎:彼は俺が海外にいると思ってます。

 

結城:このことを警察には?

 

伊崎:君に知らせるのが先だと判断してこうして電話している。未成年の拉致、彼がなぜそんな無謀なことをしたのかはわかりません。しかし彼は暴挙を犯し、証拠を残した。

 

(結城の目が光る)

 

結城:とすると…

 

伊崎:ええ、これまでの練馬は完璧でした。しかし今回のミスで練馬東介は破滅するでしょう。結城さん、今度は君の番です。練馬が証拠隠滅と事件隠匿の天才なら、結城さんは証拠一つの威力を10倍に増幅できる人でしょう?

 

結城:言ってくれますね、そういうことならご心配なく。僕はこの瞬間だけを待っていたんですから。練馬東介、彼との長い物語を終える時がきたんです。

 

 

480話 終わり。