ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。

日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。 

 

 

以下479話訳です。

 

(下水道で神妙な顔をして向かい合う東郷と泉瑠花)

 

瑠花:…で、第1系列会社に迫田さんはいなかったって?

 

東郷:ああ。お前の話を聞いて第1系列会社に潜入したが、迫田さんの痕跡すらなかったぞ。おそらく瑠花お前の情報に間違いがあったんだろう。がっかりだな、ビッグディールの情報力を担当するお前が…

 

瑠花:じゃあこれは何よ。

 

(瑠花が、迫田が映るスマホの画像を見せる)

 

瑠花:私の情報員たちから送られた写真よ!迫田さんが建物から出てきた時に撮ったもので!すぐに立ち去ったから迫田さんを捕まえることはできなかったけど!第1系列会社にいたあんたは何してたの?

 

(画像を見てショックを受ける東郷)

 

瑠花:まさかあんたのライバルとカッコつけ合いしてたわけじゃないよね?このままじゃビッグディールの再建なんてできると思う!?

 

(スマホに向かって叫ぶ東郷)

 

東郷:迫田さああん!!!なぜそんな小さいものの中にいるんですかああ!!!

 

瑠花:大げさな、恥ずかしい。あんたを信じた私がバカだっ…

 

東郷:いや、掴んだものはある。

 

 

(回想:萩間のラボで、錯乱中の萩間と出会った東郷)

 

萩間:今までどこに行っていたんだ!東郷白虎!!甲竜がずっと探してたんだぞ!早くクッパを食いに行くぞ!

 

東郷:お…おじさん?真栄おじさんじゃないか!?お元気でしたか?でもなぜおじさんがここに…

〔真栄おじさんがなぜここにいるんだ?俺を親父だと勘違いしてる?〕

 

(萩間は床に散らばった薬を必死にかき集めている)

 

萩間:クッパを食いに行こうとお前を待ってたんだ、甲竜はまだ来ないのか?

 

東郷:〔普通の状態じゃない。薬を飲んだのか?〕真栄おじさん!俺は白虎じゃなくて息子の…

 

(萩間は東郷の肩に腕をまわし胸を小突く)

 

萩間:ああ知ってる、太嗣がお前の息子だろ。お前、ずいぶん貧相になったな?平和な時代が来たってことか?

 

東郷:俺の体が?いったい親父はどんな体だったんだ…

 

萩間:あれ、いないな、今日は迫田記者と来なかったのか?

※キム・キジャと言っています(キムは迫田の姓。迫田はキム・キミョン父はキム・ガンリョン)文脈から記者としましたがもしかしたらキジャという名前なのかも。

 

東郷:〔迫田記者?〕

 

萩間:そうさ、お前のファンでカメラ持って付きまとってた迫田記者。お前のケンカする姿を撮影してたアイツだよ。歴史に残さないといけないと言ってただろ。

 

東郷:〔父さんがケンカする姿?〕…真栄おじさんが何を言ってるのかよくわかりません。

 

萩間:え?

 

東郷:どうかしっかりしてください、俺の父は死んだんです。

 

(ショックを受ける萩間)

 

萩間:〔死んだ?東郷白虎が?〕

 

(萩間の脳裏に巨漢の男の後ろ姿が浮かぶ)

 

萩間:〔そうだ、白虎はあの日…!〕クウッ!

 

(苦しみだし、大量の薬を口に放り込む)

 

東郷:おじさん!どうしたんですか、おじさん!

 

萩間:頭が…!記憶がまた…!太嗣!手に入れるんだ!白虎の復讐をするには、白虎の力を手に入れないと!お前の父は無念の死を遂げた!あんな死に方をするような奴じゃなかった!お前の父のビデオを探せ!それを見てお前の父のように強くならなければならない!

 

(現在:決意して立ち上がる東郷)

 

東郷:〔そうだ〕

 

瑠花:え?どしたの?どこ行くの?

 

東郷:〔もっと強くなれる。そのためにはどこへでも行く〕

 

瑠花:東郷さん!おい、親指!※東郷の頭から体躯のフォルムが親指に似てるから。

 

東郷:〔見守っていてください、迫田さん!〕

 

 

(そのころ、迫田は稲妻光に頭を下げていた)

 

迫田:すみません、萩間さんを連れてこれなくて。

 

稲妻:仕方ないさ、一姟会に残ると萩間隊長が選んだんだろう?

 

【0世代 迫田甲竜組「稲妻光」】

 

稲妻:俺の考えが甘かったんだ、俺と居ると失敗する可能性が高い。巨悪を倒すには力が必要だ、練馬を倒すために一姟会の力が必要だろう。

ふむ…ところで…隣にいる友達は誰なんだい?

 

(迫田の隣に立つぶーちゃん)

 

ぶ蛍介:…こんにちは、僕は野畑久さんと縁があった長谷川蛍介と申します。

 

稲妻:君が?電話で話はよく聞いていたよ!

 

ぶ蛍介:僕も同じく練馬を倒したい人のうちの一人です。この先少しでもお役に立ちたくてご挨拶に来ました。

 

稲妻:ありがたい!君なら大いに役に立ってくれるだろう!

 

ぶ蛍介:練馬のこととは別に、個人的にお聞きしたいことがあって。

 

稲妻:ああいいとも!

 

ぶ蛍介:萩間真栄さんと僕との関係をご存じですか?いままで何人もの方に聞きましたが、それぞれの理由で話していただけずじまいです。もし先生が少しでもご存じなら僕に教えていただけませんか。

 

稲妻:俺も知らん。

 

ぶ蛍介:あなたまで!?

 

稲妻:だがこれだけは言える。

 

ぶ蛍介:何ですか?!

 

稲妻:天倆だ。そこに萩間隊長の過去があり、天倆に行けばすべての真実を知ることになるだろう。

 

ぶ蛍介:先生は何も知らないということですか?

 

稲妻:野畑が君に家族の過去だと言ったそうだな?俺に他人の家族のことなどわからんよ。天倆に行けということしか言えん。おそらくそれが最後の旅になるだろう。

 

ぶ蛍介:真実への最後の旅…、…わかりました。

 

稲妻:大して役に立たずすまんな。

 

(迫田が辺りを見回す)

 

迫田:あれ?タケはどこへ行きました?

 

稲妻:筋彫タケのことか?奴は目覚めたぞ。

 

迫田:目覚めた?

 

稲妻:忘れたのか?奴の名は「潜龍」の筋彫タケだ。

 

(そのころ、俊敏に海辺を疾走する、見違えるように逞しくなった筋彫)

 

ぶ蛍介:最後にお話ししたいことがあります。

 

稲妻:何だね長谷川蛍介君。

 

ぶ蛍介:萩間さんを探している人がほかにもいます。

 

稲妻:誰かね?

 

ぶ蛍介:御幸大也です。

 

 

(DGと車に乗るぶーちゃん)

 

DG:話はわかりました。第1系列会社ではずいぶん大変だったんだね?長谷川蛍介さん。で、どうなったかな?僕が君にお願いしていた、二つの体の秘密のカギを握る萩間真栄を探してほしいと言ったこと。萩間さんは見つけられたかい?

 

(ぶーちゃんは、稲妻との会話を思い浮かべる。回想:DGの名を聞いて驚く稲妻)

 

稲妻:御幸大也、あの芸能人が1世代の伝説、伊崎志遠だって!?その彼が萩間隊長を探している!?

 

ぶ蛍介:そうです。

 

稲妻:萩間真栄を探す理由は?!

 

ぶ蛍介:その理由は言えないんですが…でも彼も練馬に恨みがあるのだと思います。

 

稲妻:伊崎志遠が練馬に恨みが…それは朗報だな。

 

ぶ蛍介:はい?

 

稲妻:練馬が伊崎を取り込んだという話は聞いたが、伊崎が練馬を裏切る気があるとは思わなかった。蛍介君、伊崎に会ってくれ。敵の敵は味方、伊崎を抱き込むんだ。最側近の彼の力があれば、練馬を倒すのに大いに役立つだろう。

 

(現在:DGに正直に話したぶーちゃん)

 

DG:そうか、萩間真栄が一姟会にいたんだね。そして改めて一姟会に残ることは、練馬を倒すためにはいい選択だと思うよ。だいだいわかりました、俺も練馬を倒すチームに合流しろというんだね?

 

ぶ蛍介:そうです。

 

DG:わかった。俺も練馬には恨みがある。練馬を倒すのに協力します。

 

(ニコリと笑うDG)

 

DG:ところで誰です?練馬に恨みがあるというその人は。野畑久は死んだはずだ。

 

ぶ蛍介:それは…0世代、迫田甲竜組の稲妻光という方です。

 

DG:…おどろいたな、その方は0世代以降消えたと聞いたけど。

 

ぶ蛍介:練馬から身を隠してたそうです。だけど何もしなかったわけじゃない、稲妻さんは野畑さんと練馬を倒す計画を立てていました。そして今あなたと手を組むことを望んでいます。

 

DG:わかったよ、善は急げだ。

 

ぶ蛍介:え?

 

DG:なるべく早く稲妻さんと会おう。

 

(ほほ笑むDG)

 

 

(白虎人材所で木村部長から傷の手当てを受けている宍道)

 

宍道:もっとそっとしてくれ!!!

 

【白虎人材所 所長「宍道圭作」】

 

木村:じっとしててください。子供じゃあるまいし、これくらい我慢できないんですか。

 

【白虎人材所 部長「木村部長」】

 

宍道:木村部長も刃物で斬られたことがあるなら俺の気持ち分かるだろう!

 

木村:俺なら痛くても我慢しますがね。

 

宍道:なんで新子課長じゃなく木村部長がやるんだ!?

 

木村:夢にもそんなこと思わないでください、新子課長に訴えられますよ。

 

宍道:なに!

 

(宍道の傷を見つめる木村)

 

木村:…深いですね。

 

宍道:ああ。

 

木村:避けられなかったんですか?

 

宍道:そりゃ避けられれば避けたさ。

 

木村:…若いころのあなたなら?

 

宍道:それも自信ねえな。

 

木村:我々が老いたんですかね?

 

宍道:2世代が育ったんだろう。木村部長、気をつけろ。これから先は厳しい、もう誰が死んでもおかしくないということだ。

 

木村:…もちろん、分かっております。

 

 

(リサイクル集積所の中にある小屋。雪が積もるなか、その縁側に座りナイフで木彫りをしている譲)

 

譲:…何だ、淳助。

 

(淳助が袋を下げてやってくる)

 

淳助:よお~

 

(譲の隣に腰掛ける)

 

譲:何なんだと聞いた。

 

淳助:酒だよ。

 

譲:酒?

 

淳助:ああ。お前と酒を飲んだことねえなと思って。

 

譲:そうだな。

 

淳助:一杯やろうぜ?

 

譲:気が進まないな。

 

(袋の中身は日本酒だった。淳助が縁側に置いた盃に酒を注ぐ)

 

譲:…つまみはないのか?

 

淳助:ああそっか、ウッカリしちまった。

 

譲:マヌケ。

 

(譲も淳助の盃に酒を注ぐ)

 

淳助:俺ってなんでこうヌケてんだろなあ?

 

譲:お前は昔から一人じゃ何一つ出来ないやつだった。

 

淳助:ホントホント。お前の作ったチゲが食いてえな。

 

譲:チゲじゃなく鍋というんだ。

 

(盃を合わせる二人)

 

譲:乾杯。

 

淳助:チャン。※韓国語の乾杯

 

(飲んだ盃を床に置く)

 

譲:話は聞いた。

 

淳助:ああ。

 

譲:練馬を裏切ったそうだな?

 

(表情も変えず木彫りの手を止めずに言う)

 

淳助:俺ももう大人だから独立しねえとな。

 

譲:そうか、これからは敵同士か。

 

淳助:そうかな。

 

譲:殺しあう時が来たんだ。

 

淳助:寂しいね、他の道もあるはずだぞ。

 

譲:他の道?

 

(譲の目の前に盃を差し出す)

 

淳助:練馬を捨てて、俺と一緒に来い。でなければ、今この時からお前は敵だ。

 

(盃を見つめる譲)

 

 

479話 終わり。