ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。

日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。 

 

 

以下475話訳です。

 

(淳助のひと太刀で宍道の左手首が落ちる。腕を押さえ呆然とする宍道)

 

淳助:どうする、あんた、今日死ぬぜ。

 

(剣を担ぎ返り見る淳助)

 

淳助:だけどなんだ?妙に手ごたえがねえと思ったら、あんたいつから義手だった?

 

(落ちたのは義手の手首で、宍道の左手首はもとからないのだった)

 

淳助:事故じゃねえだろうし、誰がケンカの天才の腕を持ってった?いったい誰だ?

 

宍道:ふうむ、1年ぶりか?それとも2年ぶりか?

 

淳助:誰なんだ?

 

宍道:3年ぶりかもな。

 

(宍道は右手を握りしめている)

 

淳助:いったい何のことだ?

 

宍道:何って、俺、宍道圭作から、至王に戻るのがだよ。

 

(宍道の背後に野獣のオーラが漲る)

 

淳助:中二病か。

 

(その首を淳助の拳が一閃する。素早くよける宍道)

 

淳助:至王ってなんなんだよ、ホームレス王のことか?

 

(淳助の顔を宍道の爪が襲う。寸でのところで避ける淳助)

 

宍道:ホームレス王かもな。だが人々はその地域の王だと思っていた。なぜだかわかるか?ホームレス王と呼んだ奴らは皆俺に殺されたからさ。

 

(鋭い宍道の爪が淳助を襲う。飛びのくが、その肩から胸にかけて大きく引き裂かれていた)

 

宍道:淳助、おふざけが過ぎたな。

 

(再び宍道の爪が襲う。だが今度は淳助が剣を振るい、宍道が飛びのく。切っ先が宍道の胸を切り裂く。さらに切りあい、宍道が爪で淳助の背中を、宍道もわき腹を切り裂かれる)

 

淳助:…オッサン。徹夜でやりあう気か?

 

宍道:まさか、そろそろ終わりにしようか?

 

淳助:そうだな。そんなビビらんでもいいぜ、オッサン。腕が1本ねえぶん手加減してやるから。

 

(剣を構える淳助)

 

宍道:手加減?おじさんのレベルに合わせてくれるって?俺の本当のレベルを知ってるのか?

 

淳助:口ほどでもなかったぞ。

 

宍道:ずいぶん見くびられたもんだ。

 

(互いに飛び掛かり激突する二人。固唾を飲むイケ蛍介たち。床にボトボトと血が滴る。淳助の首には宍道の爪が、宍道の首には淳助の剣の刃が食い込んで、互いに大量の血を流している)

 

宍道:淳助。

 

淳助:あ?

 

宍道:なぜ止めた?

 

淳助:オッサンが先に止めたろ?オッサンこそなぜ止めた?

 

宍道:このままじゃお互い死ぬと思ってな。さっさと殺して萩間を連れて行こうと思ったが、黄色いガキの刃がこんなに鋭くなったとは。近いうちにあいつのせいで何もかも状況が覆るかもしれないのに、誰かの都合で俺たちが互いに殺しあうのもと思ってな。

 

淳助:何が言いたい?

 

宍道:簡単なことさ、ここで二人とも死んだら誰が萩間を連れてくと思う?

 

(にらみ合う淳助と宍道。しばしの間の後、宍道が爪を引き抜き、淳助も剣を引く)

 

淳助:天満泰治、出る準備をしろ。

 

(淳助の手当てをし肩を貸す天満)

 

天満:では萩間は…

 

淳助:あきらめる、どうせ連れ出しても何も答えんだろう。

 

天満:なぜですか?

 

淳助:奴が俺に練馬の弱点を言うと思うか?発作を起こして死んだら死体は誰が片づける?まだ俺らは弱い、下手に萩間を連れ出して練馬の標的になっても困る。今はまだ牙は隠しておこう。

 

(服を着始める宍道。そこに新子星羅が現れる)

 

宍道:なんだ、萩間を探せとメールしただろう。なぜ一人なんだ?

 

星羅:ご心配なく、萩間さんは見つけました。

 

【白虎人材所 課長「新子星羅」】

 

宍道:ならなぜ一緒に来ない…

 

星羅:所長と合わせられないからです。

 

宍道:なぜだ?

 

星羅:彼の状態のせいです。萩間さんは何段階かの発作を起こしています。普段は大丈夫ですが、過去の記憶が蘇ると発作を起こし始めます。発作の引き金となる過去の記憶は、自分の友人と迫田甲竜の死。その中でも練馬東介のことが多くを占めているのを突き止めました。所長はしばらく席を外してください、今やっと発作を止めたところなので。

 

(萩間の薬局。星羅や迫田、イケ蛍介の前で、大量の薬を飲みぼんやりと壁にもたれ座る萩間)

 

星羅:萩間真栄さん?返事をしてください、萩間真栄さん。

 

迫田:おじさん…!

 

星羅:萩間真栄さん?

 

萩間:…なんだ。ここはどこだ?君たちは誰だ?

 

星羅:気が付かれましたか、私は白虎人材所課長、新子星羅です。

 

萩間:白虎人材所って?

 

星羅:…薬を飲みすぎましたね、心配ありませんよ萩間さん。今薬を飲みすぎたせいなので。

 

萩間:何か口に入れたようだが…

 

イケ蛍介:〔萩間真栄。正月から積もり積もった疑問。この人に聞きたいことが多すぎる。まず、母さんと萩間はいったいどんな関係なのか、おばあちゃんは萩間の名を聞いてなぜあんなに興奮したのか。萩間に従う野畑さんはなぜ僕を坊ちゃんと呼んだのか。野畑さんが僕に言った萩間との家族史とはいったいなんなのか。どうやって萩間が二つの体の秘密に近づいたのか。萩間は二つの体についてどこまで知っているのか。二つの体と練馬は何の関係があるのか、伊崎志遠が解き明かせる疑問は一体何なのか。あの時病院で萩間に会ったけど、状況が悪すぎて何も聞けなかった。でもすべて終わったから、ちゃんと聞いてみよう〕

 

星羅:萩間さん?少しよくなられましたか?では本格的に白虎人材所と話を…

 

萩間:…。

 

(萩間は星羅を無視してイケ蛍介に歩み寄る)

 

萩間:なあ。

 

イ蛍介:…はい?

 

(萩間は、バスコが担いでいる意識のないぶーちゃんを横目で見ると、ニヤリと笑ってイケ蛍介に耳打ちする)

 

萩間:あれがお前の一つ目の体か?

 

 

 

476話 終わり。