ウェブトゥーン連載中の韓国版の和訳です。

日本語版からはネタバレになりますのでご注意を。 

 

 

以下354話訳です。




 (一姟会の仮オフィスで、キツネの面を手にとるイケメン蛍介)

蛍介:〔僕が一姟会に入った理由は、内部から壊せるからだ〕




(才源高校、ファッション科の教室)

流星:言えよ、蛍介。あの日ユ・ジンと何を話した?なぜあの日一姟会と一緒に消えたんだ。

蛍介:〔どうしよう〕

バスコ:いいんだ蛍介、正直に話してくれ。一姟会に弱みでも握られているのか?

蛍介:〔本当のこと言っちゃう?一姟会に入ったって!?内部から手助けするつもりだって伝えた方がいい?!まだ早いかな?!〕それが…その…。


(困っていたその時、美玲が声をかける)

美玲:蛍介!先生が探してるよ!

蛍介:呼ばれてる、行かなきゃ!

〔助かった!〕

みんなごめん!近いうちに全部説明するから!

〔まだ話せない!〕

(逃げるように教室を出ていく蛍介を、疑わし気に見送る流星とバスコ)

バスコ:…蛍介。



(職員室)

蛍介:先生!探してると聞いて来ました。

パク先生:ああ長谷川蛍介、違うんだ、それがな、なんというか…今日ある人物が来るかもしれんから…お前の意思を聞こうと…皆大騒ぎになるだろうから…おれも立場上困るんだが…。

蛍介:は?誰かが来るかもしれないから僕の意思をって…

パク先生:それが…

(言い淀むパクに詰め寄る)

蛍介:先生、誰なんです?




(芹那のビル。招待状を見つめる聡)

聡:わからないな。君たちが王の名を騙ることを許した?一体ユ・ジンに何を約束されたんだ?彭、郭。

(聡の前に座る彭と郭の二人)

郭:…どうする彭。こいつらに全部話しちまうか?

彭:俺達二人では限界がある。これからは他の奴らの助けが必要だ。

話す前に、お前らに言ったことは謝ろう。

お前たちが王を死に追いやったわけじゃない。それに、俺達は今、一姟会に属している。

聡たち:!!!

元弥:お前らが一姟会に!?

彭:入ってから日は浅い。戦闘力として認められたわけじゃねえ。知っての通り、俺たちは中国からの密入国者で身分証明がない。

ユ・ジンはそんな俺達をかくまい、俺たちは見返りに一姟会で不法な使い走りをしている。

聡:一姟会に入った理由は?

彭:王のためだ。

聡:王のため?

彭:王と戦ったなら分かるだろう、奴がどれだけ強くて利口だったか。お前らは信じてるのか?王があの程度のことで死を選んだと?

元弥:…頭がおかしくなりそうだ。つまり何が言いたい?

彭:ただ信じられないだけなんだ。

王が飲んでいたあの薬。俺たちが一姟会で得た情報。知れば知るほど疑惑が膨らむ。

もう誰にも分からない…王が薬のせいで死んだのか…あるいは本当に死んだのか…
お前達の連合に頼みがある。

聡:何だ?

彭:一緒に王について調べてくれ。俺たちはお前たち連合の二重スパイになる。



(江西。ビッグディールのシマの食堂。迫田がカップラーメンを手に、東郷たちに話している。店では手下たちが料理を食べている)

迫田:さあ、みんなご苦労だったな。言ったように一姟会と同盟になった。皆にもそう伝えてくれ。

江南に手出しはするな、そして気を引き締めろ。じきに戦争になる。さあ飯を食いに行け。

(飯島が思いつめたように口を開く)

飯島:俺にはよくわかりません。

迫田:どうした?

飯島:ビッグディールと一姟会が手を組む理由がわかりません。

得体のしれない裏だらけの奴らです。ロマンのかけらもない連中。人質で脅迫する奴らだ。そんな奴らとどうして手を組むんです。
俺がビッグディールに入ったのは、ひとえに迫田さんのためです。でも近頃の迫田さんは理解できません。ユ・ジンに協力した理由がわかりません。

(迫田を険しい顔で睨む)

飯島:10億のためですか?同盟になれば10億をあたえるという条件。

たかがそんな条件のために同盟を組んだなら、僕にはそんな迫田さんは、昔、金に走った羽柴さんと同じにしか見えません。

(飯島の言葉が重く刺さる迫田だが、作り笑いでニッコリと笑う)

迫田:飯島。不甲斐ない兄貴ですまん。

東郷:おやめください。

迫田:…東郷?

東郷:3年もの間、迫田さんを支えてきた飯島です。何の不満も言わず一緒にやってきた。

他の仲間も同じです。もう全て本当のことを話す時期です。1人で背負わないでください。

 

(迫田の前で土下座する)

 

迫田:…お前、知っていたのか?


(驚く迫田)

 

東郷:はい。俺は迫田さんに10年もお仕えしてるんですから。

 

迫田:…わかった。長い話になる。羽柴さんはビッグディールを売ったわけじゃない。ビッグディールのために犠牲になっただけだ。今からすべての真実を話しやる。

 

(ヘッドのコートを手に語り始める迫田)

 

 

 

(才源高、ファッション科の教室)

 

美玲:ねえ蛍介、先生に呼ばれたのって何だったの?

 

蛍介:ああそれが…あっ、四宮、元気だった!?


(現れた四宮に話しかける)

 

美玲:え?何?昨日も会ったのにどうしたの?

 

蛍介:僕たち昨日も会ってたっけ?!

 

美玲:もう蛍介!先生の話は何だったのよ!

 

蛍介:ああそうだ、何で先生が呼んでたかって言うと…それがね…

 

(その時、パク先生が教室に入ってきて黒板を叩く)

 

パク:ゴホン!ハイハイ、みんな聞け!休み時間なのに悪いな!

 

生徒:ホントにな!

生徒:何の用だよ!

生徒:休み時間に何なんですか~

 

パク:いまやってること一旦やめろ!ちょっと学校を訪ねてきた人がいてな!驚くなよ!

 

瑞希:誰なの?

 

美玲:転校生かな?

 

瑞希:転校なんてしてくる時期かな?

 

先生:言いたいことはたくさんあるだろうが、あまり責め立てないように!

 

生徒:誰なんですか、先生?!

 

先生:入れ、森永。

 

(戸口から現れたのは、森永だった。唖然とする生徒たち)

 

生徒:どういうこと。

生徒:ホントに?

生徒:学校来ていいの?

生徒:うわ、マジ最悪。

生徒:ここに蛍介もいるのに。

生徒:担任何考えてんだよ?

生徒:もう出所したの?

 

パク:はいはい、みんな。出所じゃなく帰休です。

 

生徒:帰休って何ですか?

 

パク:少年院の休暇みたいなもんだ。

 

生徒:少年院に休暇なんてあるの?

 

パク:遊ぶための休暇じゃなく、受刑者のための特別外泊みたいなもんだな。家族や家に何かあった時、院の所長が帰休をくれるそうだ。

 

(廊下では同行した刑務官が少年院と電話で連絡を取っている)

 

刑務官:…はい、森永と学校に立ち寄りました。

 

パク:森永も、おばあさんが亡くなったんだよ。それで帰休を取ったそうだ。

 

生徒:学校には何で来たんですか?

 

パク:ああ、それは森永がな、どうしても長谷川に謝りたいと言って。

 

(みながいっせいに蛍介を見る)

 

生徒:マジかよ。

生徒:気は確かか?

 

パク:ハイハイ、静かに!長谷川が承諾したんだ!長谷川も謝罪を受けたいってな。だからゴチャゴチャ言うな。

 

(森永が蛍介の席に歩み寄り、蛍介を見下ろす)

 

パク:さあ森永、謝るんじゃないのか?…森永?

 

(窓から突き落としたあの時の光景を思いうかべながら、にらみ合う森永と蛍介)

 

 

354話 終わり。