令和6年1月26日 第100回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第15回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

 

50万以下なら議決権もある

 

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日時

令和6年1月26日(金) 18:30~21:30

場所

WEB会議(厚生労働省 共用第8会議室(19階))

1月26日合同部会 議事録

2024-1-26 第100回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第15回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)
○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第100回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和5年度第15回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡をさせていただきます。
 御発言される際は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名いただいてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承いただきますようお願いいたします。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた際は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名全ての委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 なお、全ての委員において関係企業の役員・職員等でない旨を申告いただいております。
 加えて、森尾副反応検討部会部会長より御欠席される旨の御連絡をいただいております。
 また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人、国立研究開発法人国立国際医療センター国際感染症センター・センター長の大曲貴夫参考人、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦参考人にお越しいただいております。
 後ほど、大阪大学大学院医学系研究科の上田豊参考人、国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部部長の竹原健二参考人、愛知医科大学疼痛医学講座・教授の牛田亨宏参考人にもお越しいただく予定でございます。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意をお願いいたします。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、御報告をお願いします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題におきまして審議される品目は、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、15価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
 各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、齋藤委員がデンカ株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、破傷風ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 また上田参考人がMSD株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、23価肺炎球菌、HPV、15価肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルスの各ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 次に、宮入委員がアストラゼネカ株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、該当ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 加えて、舟越委員、石井委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 最後に、牛田参考人が第一三共から500万円を超える受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて、審議不参加の基準に該当するので、審議時に退室に該当いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金等の受け取り状況について各委員より御申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 藤井委員、柿崎委員、牛田参考人は塩野義製薬から50万円を超えて500万円の受け取りがございました。
 引き続き各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料といたしましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-8、資料2-1から30、資料3-1から3-6、資料4、大曲参考人資料、参考資料1から20となります。
 資料順が前後いたしますが、まず大曲参考人提出資料の御説明から始めたく思います。
 資料の不備等がございましたら、事務局にお申し出いただければと思います。
○岡座長 それでは、審議を始めたいと思います。
 議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」についてです。
 新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に係る実態調査から、本日第3報の御報告をいただけると伺っております。
 それでは、まず大曲参考人から資料の御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○大曲参考人 岡座長、ありがとうございます。
 国際医療研究センターの大曲と申します。
 こちらの調査でございますが、今回第3報ということで御報告をいたします。よろしくお願いいたします。
 3度目の報告でもありますので、基本的な今回の計画あるいは立てつけ等については説明を省きまして、資料の4枚目に移っていただければと思います。
 この調査ですけれども、ワクチンを接種した後に症状を訴えて専門医療機関を受診された方々の調査でありますが、調査対象としては、事務部門を調査対象とした事務的な調査と、もう一つは医師を対象とした医学的な調査という2つの調査で行っています。
 対象としたのは、令和3年2月1日から令和4年5月31日までに受診した方であります。
 事務的調査に関しては、診療科の受診状況を見るということで、地域連携室宛てに送付しています。事務的なデータでありまして、医学的調査は医師に送ったものであります。令和5年2月15日から調査票を送りまして、令和5年5月10日までに回答があったものを評価対象としています。
 これまでの報告の中で、回答を見る中で疑義照会が必要と思われる事例がありまして、そちらに関しては集計から外しておりましたが、再度これは疑義照会をかけまして、回答期限である昨年の8月31日までに回答があった報告を追加しまして、今回の報告としております。
 5ページ目をご覧ください。
 改めて一応復習でございますけれども、一般的にワクチンを受けられた方々で症状があったという場合には、接種されたドクターですとかかかりつけにかかるという流れをたどる場合があります。もしくは、症状に関して、自治体が設置した相談窓口に相談をする。結果的に専門的な医療機関に受診されます。そこでは事務的なデータが地域連携室にありますし、担当医師は実際に患者さんをご覧になって臨床的な情報を得るわけですけれども、この地域連携室が事務的データ、そして、担当された医師からは臨床のデータをそれぞれ研究班のほうから症例票をお送りする。そして、それに回答していただくという形で行った調査が今回の調査でございます。
 6ページ目をご覧ください。
 回収の状況であります。全国の専門的な医療機関はおよそ470ございます。今回、事前に意向を聞きましたところ、193の医療機関から実際に協力の内諾が得られました。その結果、地域連携室からは81医療機関から回答が得られまして、実際に該当症例があったのは29医療機関、合計268症例の情報をいただいています。
 また担当医師から情報をいただいたのは27医療機関でありました。その症例表の合計数は212症例であります。
 また、右の上の表には、ブロックごとの実際の協力を得られた医療機関、回答が得られた医療機関の数値を示してございます。御参考までにご覧ください。
 次のページでございます。
 これは前回の報告からの更新情報であります。2報から3報までの変化でありますが、地域連携室からの報告でありますけれども、回答施設数は29で変わりありません。症例数が240から268に増えています。医師からの回答でありますが、施設数は21から27人増えておりまして、症例数は140から212に増えております。この増えた理由としましては、疑義照会をしてその結果得られたものということでございます。
 それでは、事務的な調査票、地域連携室宛ての調査票の結果について御報告をいたします。9ページをご覧ください。
 回答施設29、症例数268でありました。こちらには実際の患者さんの年齢、性別ごとの内訳をお示ししてあります。左が男性、右が女性ということであります。女性が全体の63.8%を占めています。年齢階級ごとに見ていきますと、女性の40代、40~49歳が16.4%ということで、全体の中の比率としては一番高かったという状況であります。
 10ページ目をご覧ください。
 これは、それぞれの患者さんにおいて最も受診回数の多い診療科を見たものであります。多い診療科を上から5つ見ていきますと、総合診療科41、総合内科38、救急科が33、脳神経内科が24、そして、総合内科・感染症内科が16であります。ご覧いただけますように、様々な診療科に対して受診されているという実情がございます。
 次に、1枚おめくりいただいて、11ページ目でございます。
 これは、症状の発症日及びワクチン接種後の症状について当該医療機関を受診された初診日でございます。左が発症日でありますけれども、2021年に報告された例が225、2022年に報告されたが42、不明が1でありまして、大多数は2021年の発症だったということであります。
 右は初診日で見たものでございますが、全体のうち、2021年の事例が211例ありまして、こちらも2022年と比較して多かったという状況です。
 12枚目をご覧ください。
 これは、発症日からワクチンの接種後の症状について、医療機関を初回受診するまでの期間を見たものであります。これを見ていきますと、日数でいくと0日、当日というのが72と一番多くて、1日たってからが13人であります。右にある程度日にちで分けて書いておりますが、全体268人のうち、0~7日で受診された方が115人と一番多かった状況であります。366日以上の事例はございませんでした。
 13枚目をご覧ください。
 これは地域連携室からの調査報告のまとめでございます。今回は、前回の調査から28例の評価を追加いたしました。合計268であります。ただ、これまでに認められた傾向に特段の変化は認められておりません。
 報告のうち約6割強が女性でありまして、層別化してみますと、女性の40代が最多です。
 受診した診療科は総合内科、救急科、脳神経内科等が多かったわけですが、多岐にわたっております。
 また、受診患者さんの発症日は2021年が約84%と多い。
 また、ワクチンの接種後の症状に係る当該医療機関の初診日でありますが、発症の当日が多数です。また、約半数が発症日から1週間以内でありました。
 次に、医学的な調査、医師に対する調査の結果を御報告します。16ページをご覧ください。
 施設数は27、回答のありました施設数は27、症例数は212であります。
 下に男女、年齢階級を層別化したデータが示してありますが、女性が全体の67%でありました。こちらのほうも女性の40~49歳が39人、18.4%と一番多いという結果でした。
 次の17ページ目をご覧ください。
 これは、実際に受診された患者さんのワクチンを接種する前の基礎疾患と日常生活の自立度であります。
 基礎疾患があるとお答えになった方は46.7%でございました。
 また、日常生活の自立度を見ていきますと、自立が88.7%です。一部介助が1.9%、介助が必要という方が2.3%という結果でございました。
 1枚おめくりいただいて、18ページ目です。
 ワクチン接種後の症状に係る受診の状況でありますが、入院の有無を見ますと、報告のうち、全体の48人、22.7%が御入院されていました。
 また、前医の受診状況でありますが、実際には調査対象となった医療機関が初診であったという方が34.9%です。では、ほかの医療機関を受診した後に来られた方々の内訳ですが、2施設回って来られたという方が5.1%、3施設回って来られたという方が0.5%というところでございます。
 次に、19ページ目でございます。
 こちらはワクチン接種後の症状に係る当該医療機関の初診日でありますが、2021年が164人、2022年が48人でありました。調査期間の差を比較しても、やはり2021年が多かったというところです。
 20ページ目をご覧ください。
 これは、今回の症状に影響を及ぼした可能性があるワクチンの接種された時期、回数、種類をまとめたものであります。
 接種時期が一番左の表に示してあります。全体212人のうち、やはり2021年に受けた方が多かったということがお分かりいただけると思います。
 接種の回数でありますが、1回が35.8%、2回が45.3%です。3回になると下がりまして11.8%、4回は0%という結果です。
 ワクチンですが、ファイザーのコミナティ筋注が53.3%、5~11歳用のものが1.4%、スパイクバックスが12.3%という結果です。
 そして、次は22ページ目をご覧ください。
 当該医療機関の受診のきっかけとなった症状のうち、日常生活を送る上で最も支障を来した症状は何かというものを答えていただいたものであります。これは上位6つを申し上げますと、発熱48、疼痛26、頭痛が24、倦怠感が23、そして、関節痛、動悸がそれぞれ11でございます。ご覧いただけるように、様々な症状が回答として得られております。
 次は23ページ目です。
 ワクチンの接種後から症状が出現、もしくはもともとあったものが悪化するまでの期間であります。これを見ていきますと、全体212例のうち、当日、0日で出た方が83です。これを0から7日まで広げますと、212分の164例ということになります。大多数だということです。
 では、長かった事例を見ていくと、64~70日のところで1例ありますが、これが最長ということでございます。
 24ページ目をご覧ください。
 内訳を見ました。先ほどの例の内訳です。ということで、ワクチンの接種後から当該症状が出現もしくは悪化するまでの期間が8日以上であった症例をラインリストでこちらに並べております。未回復の事例だけ見ていこうと思いますが、83歳の男性で倦怠感、息切れという方、未回復という報告があります。報告の時点で持続期間が125日という報告でありました。
 次は25ページ目です。
 同じ報告で15~21日、22~28日、43~70日、ワクチンの接種から症状発現もしくは悪化までの日数がかかったものということで分けてお示ししておりますが、22~28日のところで1人、44歳女性で未回復の方がいらっしゃいます。左半身のしびれ、観察段階での症状の持続期間は7日。その下に41歳の男性で倦怠感という方がいらっしゃいます。ただ、この方は未回復なのですが、持続期間は不明でございます。
 26ページをご覧ください。
 これは当該症状の持続期間を示したものでございます。こちらも0~7日が67例と一番多いのがよく分かります。その後は8~14、15~21ということで、漸減の傾向にあるわけなのですが、こちらの特徴は、例数は1例、2例という少ない例数ではありますけれども、30日以上たってからも報告があった事例が散発しているというのが分かります。そして、366日以上持続していたと報告された事例が10例あったというところが分かります。
 27ページ目をご覧ください。
 これは、症状の持続期間が31日から60日であった症例のラインリストであります。未回復の例は87歳の女性で発熱です。未回復ということなのですが、接種から症状発現または悪化までの日数は2日ということでございました。
 28ページ目をご覧ください。
 こちらには症状の持続期間が61から90日、そして、91日から120日の事例をお示ししています。不明の例も3名ほど混じっておりますが、未回復の例が1例ありまして、30歳の女性、そして、疼痛、脱力・しびれということでございました。
 1枚おめくりいただいて、29ページであります。
 こちらは症状の持続期間が121日から365日であった事例です。未回復の例は83歳の男性、倦怠感、息切れであります。そして、22歳の女性の発熱、40歳の男性の不眠、27歳の女性の頭痛というものがありました。
 もう一枚おめくりいただいて、30ページ目です。
 こちらは症状の持続期間が365日以上であった事例であります。これを未回復のほうで見ていきますと、75歳の女性で倦怠感、息切れ、集中力の低下。38歳の女性で血尿というものがございます。20歳の女性で血尿、そして、21歳の男性で血尿という事例が続いておりました。
 次に、検査、治療の内容を見てまいります。32ページ目に移っていただけますでしょうか。
 これは、ワクチンの接種後の症状に対して行われた検査とその所見の概要であります。検査の例数を特に見ていきますが、多かったものとしては血液検査、尿検査、それぞれ126と60です。これまで報告された心臓への影響というものの影響だとは思いますが、心電図の検査、超音波がそれぞれ58から34とほかよりは多い。そして、息切れ等もありました。その結果だと思いますが、単純エックス線検査、CTがそれぞれ60から54、そして、MRIが35という報告でございました。
 33枚目をご覧ください。
 こちらには実際に行われた治療内容が示されています。中でも薬物治療があった事例を見ていきますと、これは全体の212例のうちの141例です。内訳は右の表にお示ししたとおりです。解熱鎮痛剤が50、ステロイドが29、補液19、血液製剤2、免疫抑制剤1というところであります。
 34ページ目に移ってまいります。
 これは、ワクチンを接種した後に出た症状に係る確定病名の一覧です。要は、ワクチンを接種した後に症状が出て、精査をされて診断がつくわけなのですが、結果としてついた確定診断の病名が示してあります。
 上から多い順で5番目まで見ていきますが、予防接種の副反応が42、IgA腎症が7、発熱が7、頭痛が5、アナフィラキシーが5というところです。それ以降は、少ない例数ながらも様々な病名が列挙されていることがお分かりいただけると思います。
 35ページ目であります。
 こちらは先ほどの表の続きでございます。
 36ページ目です。
 こちらはワクチン接種後の症状に係る疑い病名です。一番上だけ見ますが、新型コロナワクチンの副反応が11例と最多でございました。
 37ページ目に移ってまいります。
 こちらは報告された症状の経過です。転帰やあるいは受診状況というところでありますが、全体の報告数212のうち、回復もしくは軽快とされたのが143、未回復が20です。5例が死亡、内訳は脳出血、多臓器不全、心室細動、脳内出血、多系統萎縮症でありました。悪化が1です。
 38ページ目です。
 こちらには、入院した48の症例の症状・病名・検査・治療・転帰を列挙してございます。この中で今回少し所見として得られたものとして、IgA腎症の病名の集積がありましたけれども、そちらだけ見てまいります。入院例は5例ありましたけれども、このページにあります事例に関してはステロイドで治療されて、報告の段階では未回復ということでしたし、次の39ページ目をご覧いただけますと、ここには2例書いてございます。38歳の女性、46歳の女性、いずれもIgA腎症ですが、ステロイドが使われています。1例は未回復、1例は軽快。
 次の40ページ目でありますが、こちらにも52歳の女性でIgA腎症が示してあります。こちらはステロイドが使われまして、回復という経過をたどっております。
 次は41ページ目でございますが、73歳の女性でIgA腎症がございます。こちらもステロイドが使われて軽快という経過でございました。
 次に、42ページ目に移ります。
 医師からの調査報告のまとめであります。今回は前回報告された140例から72例が追加されています。
 報告のうち、約7例が女性です。女性の中では40代が最多です。
 2021年の中でも6~8月に接種した事例が最多です。接種回数としては、4回目接種までの中で1回目及び2回目接種後の事例がそれぞれ4割と多くを占めています。
 また、今回、入院症例において、単一施設・医師でありますが、5例のIgA腎症が報告されています。全例退院しております。外来通院にて治療が継続されておりました。また、それ以外の特定の症状あるいは疾病への報告の集中は見られていません。
 接種から症状の発現までの期間でありますが、8割弱は1週間以内です。また、症状の持続期間が確認できた事例のうち、約3分の2は4週間以内に症状は改善しておりました。
 転帰が確認できた症例のうち、約85%の事例で軽快もしくは回復が確認されています。
 また、入院事例の多くは、本当に診断は様々でありまして、それぞれに応じた治療が行われておりました。
 最後にまとめでございます。44ページにまとめてございます。
 本調査は第3報であります。2報目まででデータを確認する中で疑義照会が必要な事例がありましたが、こちらは疑義照会をかけて、報告施設、例数が増加しました。
 今回、入院症例で5例のIgA腎症の事例が報告されました。ただ、全例が単一施設・医師からの報告です。また、全例退院しておりまして、外来通院で治療が継続されています。

 

ただ、今回、本研究の性質上、ワクチンとの因果関係を評価することは困難であります。ですので、国内外のほかの情報等も含めて、これは多面的に検討する必要があると思います。
 もともとの調査の発端でありますが、遷延する症状につきまして、症状の持続期間が31日以上などの事例の症状の精査を行いました。全体の報告状況と同様に、特定の症状あるいは疾患の報告の集中は見られておりません。また、症状の持続期間が31日以上などの事例の転帰につきましても、多くの事例で軽快もしくは回復していることが確認されています。
 今回の調査の性質上、

症状とワクチンの接種の間の因果関係を検証することはできません。

 

ただ、一部には症状の回復に長期間がかかる事例、あるいは発症から長期間経過しても未回復の事例が報告されていることは確認できました。
 遷延する症状を呈する方の診療に当たる医療従事者に、今後必要な情報を提供することが求められていると考えます。
 私からは以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、この時点で委員の皆様から大曲参考人の資料の御説明について御意見、御質問をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 特にございませんか。
 このおまとめの中で、5例のIgA腎症については国内外のほかの情報等も含めて検討する必要があるというまとめをいただいていますけれども、何か事務局のほうでこうした把握とか、あるいは今後の方向性というのはございますか。