ダウ平均株価の終値は前週末比216・73ドル安の3万8852・86ドルでした。 

 

 3週間ぶりに3万9000ドル台を割り込みました。 


  ダウ平均は反落した一方、ナスダックは上昇し、初めて1万7000を超えました。終値は先週末に比べて0.5%上昇し、1万7019.88と史上最高値を更新しました。

 


 アップルの4月の中国でのアイフォーンの出荷台数が52%増と伝わったことがサポートとなったほか、エヌビディアに買いが強まり、ナスダック指数をサポートしました。 


  5月の米消費者信頼感指数は102.0と市場予想(96.0)に反し、4月改定値(97.5)から改善しました。1年後の予想インフレ率も小幅に上昇しました。米景気の底堅さを示し、米国のインフレ沈静化に時間がかかるとの懸念から、ダウ平均はマイナスとなりました。

 


 28日の米債券市場では、長期金利が前週末終値(4.46%)を上回り、4.5%台まで上昇する場面がありました。米消費者信頼感指数の改善に加え、2年物と5年物の国債入札がいずれも需要の弱さを示す結果となり、債券利回りに上昇圧力がかかりました。金利の上昇を受け、株式の相対的な割高感は強まっています。

 


 5月も最終週となりましたが、市場は週末に発表される4月のPCEデフレータの発表を待っています。総合指数、コアとも2.7―2.8%程度の上昇を見込んでいます。既に発表になっている米CPIはインフレの落ち着きを示唆していたが、こちらは前回と変わらない水準が見込まれている様です。PCEデフレータはCPIに比べて住居費のウェートが小さいことから低めに出る傾向です。FRBは住居費とサービスインフレに着目しています。 



  個別では、エヌビディアが3日続伸と凄い勢いです。マスク氏のAIスタートアップ企業であるxAI社が、オープンAIに挑戦するために60億ドルを調達したとのニュースも株価を押し上げました。すごすぎてピンときませんが、時価総額が1870億ドル拡大しました。


 また、化学大手のデュポンも株価上昇となりました。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の85ドルから95ドルに引き上げました。会社分割後を期待している様です。

 


 ダウ平均の構成銘柄では、メルクやアムジェンといったディフェンシブ株が値を下げました。一方で、ホーム・デポとインテルなどは値を上げました。原油先物相場の上昇を受け、シェブロンも値を上げました。


  (ドル円)


 


 ドル円は1㌦=157円台で推移しています。
 


  タカ派色の強いカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言に敏感に反応しました。同総裁が「利上げを選択肢から排除した人はいないと思う」と述べたことに敏感に反応したほか、そのあとの米消費者信頼感指数が予想を上回ったこともドル買い戻しを加速させた様でした。